銭と欲望が渦巻く街・大阪ミナミ。 主人公・萬田銀次郎は、このミナミでトイチ(十日で一割の利息)の銭貸しを営んでいる。 トイチという法外な利息にも関わらず、借金を申し込んでくる客は後を絶たない。 その多くが銀行・消費者金融などから相手にされない、もしくはブラックリストに載った“やっかいな客”である。銀次郎はサラリーマン・中小企業社長・ヤクザ等々、どんな相手であろうと銭を貸す。“パンク寸前”の客でも銭を貸す。 そんな海千山千の客を相手に、銀次郎の借金回収率は100%を誇る。 そのキリトリ(取り立て)は手段を選ばず、徹底的に相手を追い込むことから、銀次郎は“ミナミの鬼”と恐れられ、客は借金を返済するのである。 世界一、人情の濃い街で繰り広げられる、大阪銭貸し一代記。
贋作専門の画廊「ギャラリ-フェイク」のオ-ナ-・藤田玲司のもとに、衆議院議員の梶がモネの「つみわら」の真作を売ってほしいと商談を持ちかけた。フジタは贋作だけではなく、裏では美術品のブラックマ-ケットに通じ、盗品や美術館の横流し品を取り引きしていることを知ってのことだった…。美術界を舞台に繰り広げられる、芸術をめぐるミステリー!!
大林寺(だいりんじ)建立100年目に現れるという拳精(けんせい)――頭脳明晰にして眉目秀麗、その拳は鉄のごとく、その脚は岩をも砕く! 中国は四川(しせん)省、長江の源に育った元気いっぱいのカンフー少年・チンミがたどる拳精への長き道のり!!