人情あふれる丸子商店街に存在するメイド喫茶(カフェではない)「シーサイド」。まさに、天真爛漫! 女子高生にして名探偵に憧れる嵐山歩鳥は、地元丸子商店街のアイドル(?)兼お騒がせ娘。ありふれた町のちょっとおかしなメイド喫茶を舞台に繰り広げられるドタバタ活劇!
日常系の一つの完成形。 よくある日常系では、○○部の内部の閉じた空間がメインで描かれるが、この作品は違う。ジジババ世代から孫世代までの幅広い層にわたる登場人物に、彼らはそれぞれ異なる人間関係を持っており重層的な世界観を形作っているのである。そのため、「閉じた空間」を描いた作品では、どうしても現実感が欠けてしまいがちになるのに対し、この作品は、今となっては過去の存在になりつつある「人情あふれる下町」を舞台にしているにもかかわらず妙なリアリティがある。登場人物がみな現実の世界の住人であるかのように感じられるのである。 良い日常系作品の条件というのは、人と繋がりあう素晴らしさと、大切な人と過ごす日常の貴重さを伝えてくれることであると私は考えているが、それ町はリアリティがあるだけでなく、この条件も十分すぎるほど満たしている作品である。これはもう文句の付けようがないと言ってもいい。自信を持っておすすめできる作品である。
by くるふら (7)誰かの代わりでもいい この想いは消せない――『今は遠き楽園 [後編]』(本崎月子)放蕩の限りを尽くす、若く美しい当主に心奪われたメイド。当主様は今日も誰かの影を重ねながら私を抱く…。『片恋デイズ』(龍本みお)大学でひと目惚れした、キラキラした笑顔の彼女。恋人への不満を聞くうちに距離を縮め、やっとオレのものになってくれたはずが…!?『蝶の墓』(めぐみけい)“愛し愛されて幸せな関係”。そう信じていたのに彼は私の中に決して結ばれてはならない女性の面影を見いだしていた…。『背徳の聖女』(田中琳)美貌の隣人・宇佐美に一目惚れした亜理栖。しかし宇佐美には家に通っている女性がいた。それでも好きだという気持ちは諦められなくて…。『イジワル御曹司と恋の罠』(團藤さや)養護院で育った私にハウスキーパーの仕事を紹介してくれた貿易会社の御曹司の巴さん。ある日屋敷の中で私に似た少女の絵を見つけてしまい――。カバーイラスト:ひなた巴※本アンソロジー収録作品の中には、他コンテンツと重複している作品もございます。