森に捨てられたピアノ……そのピアノをオモチャがわりにして育った少年・一ノ瀬海は、かつて天才の名をほしいままにしながら事故によってピアニスト生命を断たれ小学校の音楽教師になっていた阿字野壮介や、偉大な父を持ち自らもプロを目指す転校生・雨宮修平らとの出逢いから次第にピアノに魅かれていく……!!
可愛いだけが子供じゃないッ!! しいちゃんは元気いっぱいの幼稚園児。だけど子供だからと“あなどる”なかれ!!悪意0、正直100の無邪気過ぎるゆえのくすっと笑えて、ふふふと微笑ましく、意外と(!)エロい、新感覚・夫婦×愛娘の痛快日常コメディ♪
もう・・・好みど真ん中!! まず画力が素晴らしいです。キャラの表情はデフォルメされた可愛らしいものからリアルなキモいものまで、様々なタッチで表現されていますし、背景の小物も細かく描かれています。そして特に優れているのが構図です。恐らく作者の東裏友希先生は空間認識能力に秀でていて、キャラ同士の重なり、遠近表現、視点などが場面によってコロコロと変化し、絵に迫力があります。 ストーリーは、作者ご自身がネタにしているように「クレヨンしんちゃんのもっと酷いバージョン」というのが正鵠を射てますね。基本は下ネタ、ときどきパロディという感じで、言葉遊び的なギャグが多いです。どぎついエロネタに抵抗が無く、パロディの元ネタ(映画ネタが多い印象)にピンとくる方であれば、かなりオススメな作品です。
by ギヨタン (75)時は昭和中期。田舎から、東京郊外の本屋の旦那様の所に嫁いできた“奥さん"。 しかし旦那さんはすぐに亡くなり、奥さんは本屋を一人で切り盛りすることに。 商店街の人々をまきこみながら、独自の書店商売を繰り広げる奥さんの「恋物語」。
終戦から10云年後、東京にある一軒の小さな本屋さんのはなし。 主人公はその本屋さんに、半ば口減らしのような形で田舎から嫁いできた、何も知らない奥さんです。 ただし、物語スタート時点ですでに旦那さんは他界しており、未亡人となっています。 辛うじて読み書きはできるが、仕入れや販売は疎か、米の炊き方も知らない奥さんはお向かいの八百屋の長男に本を読み、自分で生きるための努力をしろと叱られます。 何も知らない奥さんは本を読み、様々なことを学んで、死んでしまった旦那さんに近づくため"本屋"となる決心をするというお話。 高橋しんさんは"最終兵器彼女"以降、世界系SF作品が中心だったのですが、本作は終戦後の東京という舞台で、潰れかけた本屋が息を吹き返すという話なので、氏の作品としては珍しいといえます。 氏のデビュー作の"いいひと"に近いものを感じました。 普通に考えてありえない手法で成功を得るのも"いいひと"の高橋しんらしいです。 ただ、本作は一冊で完結しており(関連の短編集がありますが)、駆け足な内容になっているため、成功もトントン拍子で、色々唐突な印象を受けました。 できれば同じ内容を4,5冊かけてじっくり読みたかったかなと思います。 特にどんでん返しや伏線はないのですが、ほっこりと感動できる名作です。
by うにたべたい (528)