東京の大手電機会社に勤める堂薗(どうぞの)つぐみは、長期休暇を田舎の祖母の家で過ごしていた。 そんなある日、入院中の祖母が亡くなってしまう。つぐみは、そのまま祖母の家でしばらく暮らすことに決めるが、離れの鍵を持っているという謎の男が現れて…!?
千田原一花は、高校2年の春に医師から余命2年の宣告を受けていた。それから3年、大学2年になった一花はいつ終わりを迎えるかわからない日々を過ごしている。そんなある日、彼女は偶然、大学を辞めた元哲学講師・萬木昭文と再会する。想いを寄せていた萬木先生に出会えたことで一花の気持ちは、ふたたび燃え上がるが――。はかない生を歩む一花と、静かに消えていこうとする男の、束の間の恋の物語。
3巻完結。タダノなつ先生お疲れ様でした! 「余命」を宣告されたふたりが残りの人生をどう生きようとするのか、その物語の行く末は。 読み終わったあと、カバー下でボロ泣きしました。 本作が一昔前に流行った「難病ものの恋愛作品」と毛色が違うのは、「生きることに執着していないこと」によると思います。 だからこそ、軽やかな絵柄が意味を持ちます。作中で一花が言うように、「病気なのを忘れちゃいそう」。 病により余命1年と告げられている女子大生の主人公・一花。 入学式で出会った哲学科の准教授・萬木に一目惚れして猛アタックをする日々。 しかしある日突然、萬木は退職し姿を消してしまいます。 数ヶ月後、駅で偶然出会ったふたり。 一花は萬木に、「死ぬんだってさ俺 あと1年で」 と告げられます。 絵柄が柔らかくて読みやすいです。 会話と地の文のトーンの差が心にクる。 「普通」って、本当に尊いものなんです。 もはや「普通」には戻れない人生を強制的に歩まされるのは、自分が最終的に受け容れるしか解決策がありません。 一花が病気の話をしたくない気持ちもとてもわかります。 「普通」でありたいから。 でも、いざそれが目の前に突きつけられると本当に辛い。 次巻が楽しみであり怖いです。
by せーふぁ (1046)2014年ソチ女子フィギュアSP、氷上の孤独な戦いに臨む北原雪と彼女を見守る男達の胸に迫る思い…。10歳で出会った3人がともに歩んだ歳月を描く、槇村さとる渾身のフィギュアスケート・ロマン!!
50センチの彼らは、私たち人間のことをどう思ってるんだろう? 「5年生きてたら、かなりのラッキー。それがオレ達ノラ猫の一生なんだ。」 街の片隅で暮らしている、ノラ猫の七生とマチ。 彼らは人間たちが作った「食卓」で食事をとり、死と隣り合わせのなか必死に生きていた。 そんなある日彼らは、「猫を可愛いと思ったことなんて、一度もない」という人間、成田淑乃と出会う――。 人間と共に、地域で生きる「ノラ猫」たち。 自由で気ままに見える彼らだけれど、本当にそうなのだろうか? 彼らのリアルな生き様を描いた、リアル猫ストーリー
1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。
【自慢の恋人は……小学生。】酔った勢いで小6のアゲハをナンパしてしまった咲良(さくら)。後悔するも時既に遅し。魅力たっぷりの12歳にドキドキしちゃってどうしよう!?クールな見た目に実直な性格のイケショタ×ちょっぴり天然で気弱なサラリーマン。「まだ子供だけど、ぜったい幸せにするから。」 酔うとキス魔になってしまう芝 咲良(しば さくら)、22歳。泥酔した勢いで手を出してしまった相手は、なんと小学6年生のアゲハ。キスをした責任として咲良は、アゲハと付き合い始める。清い交際とはいえ、未成年と関係を持つ後ろめたさに苛まれる毎日。だけど一所懸命に尽くしてくれるアゲハを手放すなんてもうできなくて…。 好きになってはいけない相手だったのに、加速する恋心は止められない。 鴈方ひのの、待望のデビュー作。切なくてほろ苦い年の差ラブストーリーを上下巻でお届け。