「素直に私を欲しがりなさい」欲しいと言えたら…私の全てを与えよう 淑女になりたいおてんば姫と冷酷だと評判の軍人国王の初夜のゆくえは…?妹に婚約者を奪われたシェーンハイトの第一王女・イレーネは、狂獅子と噂される隣国の軍人国王を籠絡して領土を奪還するという密命を受け、政略結婚することに。殿方をメロメロにする愛され王妃になるために、侍女の助けを借り、はしたない本を読みながら閨のテクニックを学ぶイレーネだったが、幻獣のように美しいが残忍だと恐れられる王には演技もお世辞も通用しない。そんな中でついに迎えた初夜…!「二度と嘘を吐けなくしてやろう」彼の指が、唇が触れるたびに、イレーネの体の奥から熱く甘美な感覚があふれてきて…。
2070年代、人間は地球圏を月面にまでようやく押し広げていた。 夢とエゴに満ちた航宙士志望の青年・星野八郎太(通称ハチマキ)の成長を軸に描く、「惑う人々(プラネテス)」たちの物語。「SF」を一段階進めた大傑作。 2002年度星雲賞コミック部門受賞。2003年にはNHKでアニメ放送開始。そのアニメも2005年度星雲賞メディア部門受賞。同賞の原作・アニメのW受賞は『風の谷のナウシカ』以来だと評判になった。 しがないデブリ(宇宙廃棄物)回収船に乗り組むハチマキは、大きな夢を持ちつつも、貧相な現実と不安定な自分に抗いきれずにいる。同僚のユーリは、喪った妻の思い出に後ろ髪を引かれ、自分の未来を探せずにいる。前世紀から続く大気の底の問題は未解決のままで、先進各国はその権勢を成層圏の外まで及ぼしている。人類はその腕を成層圏の外側にまで伸ばした。しかし、生きることーーその強さも弱さも何も変わらなかった。
愛しい14編の“Tesoro=たからもの”。 親子、仲間、夫婦、ふとした瞬間に見えるそれぞれの絆―― オノ・ナツメがデビュー前の1998年から2008年までに 描きためた短編が、1冊にまとまって刊行! イラスト多数&描き下ろしカラー漫画も収録、待望の初期短編集!
オノ・ナツメの初期短編集。14作ほどの作品が収録されています。 収録作は一作あたり10ページにも満たない作品が多いです。 IKKI掲載時の短編に加えて氏の同人活動時代の作品が加わっています。 また、後ろ数ページはイラストギャラリーになっています。 オノ・ナツメの独特な絵は、後ろ暗さや哀愁を感じさせます。多くのキャラクターで姿勢が悪く、目に活力がありません。 そういうタッチなのでキャラクターが「嬉しい」や「楽しい」という感情を見せたときは逆に映えます。 重暗い雰囲気の中で「喜び」の感情が描かれたとき、大したことでもないのに心が自然と温まるような気がします。 線が少ない漫画というよりもイラストタッチの絵が組み合わさったような作品になっていて読みづらさを感じるので、個人的には氏の作品は若干苦手です。 ストーリーに伏線などの小細工が無く、醸し出す雰囲気を楽しむ作家だと思います。 初期短編集である本作収録の作品は特にその傾向が顕著で、一作一作は非常に短いのですが、読むにはコーヒーや紅茶に茶菓子まで準備する必要があると思います。 絵については好き嫌いが分かれると思います。 また、本作はプロになる以前の作品も収録されていて、特に癖の強い、有り体に言うとあまり上手ではない作品もあるため、初期作品の短編集であることを念頭に置いて読んだ方が良いと思います。 どの作品も絵の雰囲気は外れていないので、そもそもオノ・ナツメ作品が好きな方にはおすすめします。 丁重もお洒落で、本棚に差して置きたくなる一冊だと思います。
by うにたべたい (528)