Tesoro

オノ・ナツメ

3.16

516

発刊:2008.05.30 〜

完結・全1巻

『Tesoro(1)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.16

12件の評価

3.6

1巻まで読みました

オノ・ナツメの初期短編集。14作ほどの作品が収録されています。
収録作は一作あたり10ページにも満たない作品が多いです。

IKKI掲載時の短編に加えて氏の同人活動時代の作品が加わっています。
また、後ろ数ページはイラストギャラリーになっています。
オノ・ナツメの独特な絵は、後ろ暗さや哀愁を感じさせます。多くのキャラクターで姿勢が悪く、目に活力がありません。
そういうタッチなのでキャラクターが「嬉しい」や「楽しい」という感情を見せたときは逆に映えます。
重暗い雰囲気の中で「喜び」の感情が描かれたとき、大したことでもないのに心が自然と温まるような気がします。

線が少ない漫画というよりもイラストタッチの絵が組み合わさったような作品になっていて読みづらさを感じるので、個人的には氏の作品は若干苦手です。
ストーリーに伏線などの小細工が無く、醸し出す雰囲気を楽しむ作家だと思います。
初期短編集である本作収録の作品は特にその傾向が顕著で、一作一作は非常に短いのですが、読むにはコーヒーや紅茶に茶菓子まで準備する必要があると思います。

絵については好き嫌いが分かれると思います。
また、本作はプロになる以前の作品も収録されていて、特に癖の強い、有り体に言うとあまり上手ではない作品もあるため、初期作品の短編集であることを念頭に置いて読んだ方が良いと思います。
どの作品も絵の雰囲気は外れていないので、そもそもオノ・ナツメ作品が好きな方にはおすすめします。
丁重もお洒落で、本棚に差して置きたくなる一冊だと思います。

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