知菜は本が好きなフツーの高校生。ある日、知菜の学校にアイドルユニット・Linkがドラマのロケで現れた。偶然、屋上でLinkの彼方と出会った知菜は彼方の仕事に一生懸命な姿勢意外と笑い上戸なところ知菜を女の子として扱ってくれるやさしさにふれてどんどんひかれていく…。でも、ふたりの距離を近づくことをLinkのメンバーやスタッフはよく思っていなくて…!?ナンバーワン少女漫画誌「ちゃお」の大好評れんさい作品の待望のコミックス化です!どんどん相手を好きになっていくからこそ、相手の立場を思いやる切ない恋心を丁寧に描いた作品です。コミックスでしか読めない、かきおろしまんがも超充実です!※同時収録作品「ハナマル恋愛論」
《普通の人の散歩、そこから見える風景を描いた「歩くひと」はせりふがほとんどなく、絵そのもので表現するスタイルを取った》 この作品を描いたのはバブル末期の90年。日本中が忙しく走り回っている印象がありました。このままでは日本はだめになるのではないか。もっとゆっくりでいいのではないかと感じていました。人間は長い距離を走り続けることはできません。逆にゆっくり歩くことで、普段は見えなかったものが見えるのではないか。そんなメッセージを込めました。 作中の主人公は私自身で、連れて歩く犬は、当時飼っていたサスケがモデルです。サスケと実際にゆっくり散歩すると、今まで見過ごしていた小さな路地や、名も知らない鳥、マンホールの蓋(ふた)の模様などが目に映り、新鮮な輝きを持ちました。 描いた当初は「気持ちいいな」「きれいだな」というせりふを入れたのですが、編集者と話し合い、感嘆文や感情を表す形容詞をできるだけ省略しました。次第にせりふが減り、後半部分ではほとんどありません。こうなると、表情や背景が非常に重要になる。この作品から、背景を重要なキャラクターと考えるようになりました。