財閥の次期当主として祖父より虐待に近い厳しい教育を受けて育ったが、母の形見を焼かれ家を飛び出し、現在、平凡な大学生として日々を送っている「花菱薫」。 ある日、彼の元に1人の女性が訪ねてくる。 彼女は、幼少の砌に婚約者として紹介されていた大手デパートの跡取り娘「桜庭葵」だった。 もう家には戻らない決心をしていた薫と、親同士の約束とはいえ心は既に薫に決めていた葵の恋愛ドラマ。 背骨となるのはお家騒動、跡取り問題ですが、様々な女の子が薫の元に集まって、右から左から薫を取り合うハーレムものの展開をします。 ただ、ストーリー的にも最終的にくっつくのは序盤から葵だということは決定づけられているので、一方通行な想いを寄せるサブヒロイン達にはちょっと可哀想な感じがします。 これがギャルゲーならサブヒロインエンドもあったのでしょうけど。 飛び出した実家との関係、葵との関係の精算がメインですが、全体的にその本筋の話の割合は大きくなく、内容のほとんどは薫ハーレム軍団が旅行に行ったり買い物に行ったりして、無駄にイチャイチャする場面です。 ストーリーを楽しむというよりかは、薫とハーレムメンバーの日常を読んでほっこりするような内容だと思います。 なお、本作が流行っていたのは2000年初め頃なので、今となっては絵も古い感じを受けますね。 当時は、おしとやかなのにグラマーな葵ちゃんを理想の妻の姿として投影する野郎がたくさんいました。 今読むと、久々にあった時は葵のことを忘れていた薫がいつの間にか葵一筋みたいになっていたり、ティナの騒動に比較すると薫の祖父の話が軽くて短すぎる感じがあったり色々気になるところがありますが、アニメは観ていたので、今読むと非常に懐かしさを感じました。 当時を懐古するためにであれば、読むのはありかと思います。
by うにたべたい (528)累計550万部突破の伝説的コミックス【DMC】完結から7年…。作者が新たに切り開く【音楽(ラッパー)】マンガ!!!! 売れないラッパーを父に持つ主人公・踏男。ラップを憎む彼が選ぶ未来とは? 青春×ラップ×ギャグ漫画
若杉公徳氏のヤングアニマル連載作品としては、『DMC』、『KAPPEI』に続く3作目の作品。 ヒップホップ・シーンを題材にした作品で、主にフリースタイルラップが題材になっています。 かつては一世を風靡した売れないラッパー「シャカキング」の息子「院田踏男」が主人公。 幼い頃より父によるラップの英才教育を受けた踏男は、成長するにつれて、すっかりラップを毛嫌いするようになってしまっていた。 だが、ある日、父が復帰のため公演を予定していたステージに怪我のため出場できなくなってしまい、その代役として「フミオ a.k.a. ライミングマン」として、舞台に立つことになる。 幼い頃からの教育と、天性の才能により、MCビガーを倒したライミングマンは、ラップの力に目覚めていくという内容です。 フリースタイルのラップバトルなんて街を歩けばそこらでみられるものではないと思うのですが、本作では文化祭やストリート、居酒屋の流しでそれが行われています。 ラップバトルが行われるのは必ずしもステージではなく、展開に都合の良いところを感じました。 ただ、紡がれるリリックはライムが聞いていて、ビートに乗せたものを聞いてみたい気になりました。 『KAPPEI』が実写化するという話がありますが、こちらの方が実写向けじゃないかなと思います。 ギャグ漫画の側面が強いですが、過去作に比較するとシーンのことを割と真面目に描いている感じがします。 本作を読んでラップを始めようという気にはならないと思いますが、ラップに人生を賭ける青年たちの熱い想いが伝わってくる内容でした。 ラストもこれからの活躍を予期させるいい終わり方でしたが、巻数が全4巻と非常に短いです。 キレイに終わったので急な打ち切りで終了したようには感じなかったですが、もう少し読みたかったので、そこだけ残念でした。
by うにたべたい (528)