うにたべたい
4.0
藤子・F・不二雄の異色SF短編集4巻。収録作品中、ヨドバ氏の話の占める割合が多く、1,2巻に比べると投げっぱなしにならない、きちんと締めくくられれている話が大半となっています。言い換えると後味の悪い作品が少なく、1,2巻よりもブラックさがマイルドになったと感じました。以下、本巻収録作のうち、個人的に好きな作品についてレビューします。・親子とりかえばや頭が固く封建的な考えの父と、奔放な甚六息子という相容れない二人が、ある朝入れ替わってしまう話。SFというよりも、普通の漫画として楽しく読める作品です。・懐古の客ヨドバ氏シリーズのエピソード0。ヨドバ氏はなぜ現代に取り残される羽目になったのか、身寄りなく放り出されることになったのか、その起点の物語です。無邪気に過去を楽しんでいるヨドバ氏の不遇を思うと、ただただ可愛そうになります。・ある日……ある町の映画サークルの上演会の話。おじさん3人と若者1人が、自主制作の映像作品を一人ずつ発表するだけで、プッツリと終わる作品です。本作だけは本短編集中異色と言える作品で、漫画の話ではないそのある日は今、訪れるともわからない、予防できない恐怖に対する警鐘を鳴らす内容になっています。
パラレル同窓会
レビュー(28)件
既刊1巻