山本直樹

夢か現か、浮遊感漂う迷宮。珠玉のホラー作品集！　泥酔している間に変質者に手錠をかけられ、監禁されてしまった静美。「食人鬼」の噂がある友人の幻影に日々悩まされ続けている兄は、行方不明になってしまった静美を捜しに行くのだが、そこで見た世界とは…!?　映画化もされた傑作「君といつまでも」ほか、内田百間の「山高帽子」をモチーフに幻想的な光景が繰り広げられ映画化された傑作「眠り姫」など、数ある山本直樹作品の中でもホラーテイストの５作品を収録。▼内容　青空/眠り姫 /夏の思い出 /君といつまでも /×つのき駅

夜の領域

諸星大二郎

夢の木の下で

カネコアツシ

アトミック?

長らく積んでいた作品だったけど帰省したので読んだら凄い作品だった。印象的なセリフやコマがたくさんあるから一生残るだろうなぁという感じで星5つけます。

小学校でヒグマドンが文字通り轢き殺す場面。そのシーンの先生の殺される寸前の顔と場面移り変わってモンちゃんが命は平等に価値がない、と吐き捨てるシーン。痺れた。

そして異常事態が起こっている時の描き方がうますぎる。何かやばいことが起こっている時って、やばい早く逃げなきゃ。とか心臓の鼓動が速くなってると思うんだけど僅かに、その状況を俯瞰して分析するかのような冷静さも持ち合わせてると思っていて、新井英樹はこの異常事態の中の僅かな冷静さも描いている。キャラクターが焦っているコマの横に細長い黒背景に白字で直面していることとは別のこと(キャラクターの感情、考えなど)を書いたりして表している。これには凄えってなった。

次に10巻。10巻にしてモンちゃんの過去回想シーンが挿入される。しかしただの過去回想ではなく、重要人物となるマリアの過去回想と交差する形で描かれる。どちらの回想も"飢え"がテーマの回想シーンだが、明らかにモンちゃんの方が深刻で重い。だけど2人の飢えがさも同列かのように描かれているのも意図してのことだと思う。

この漫画、本当にあらゆる死に方の死体が出てくる。だから描かない選択もできるし描かない選択をする作家も多いだろうけど描く選択、描ける新井英樹もまた怪物だと思った。そしてなぜ執拗に死体を描くのか、については所詮は他人事であるということだと思う。ヒグマドンやテロ事件をテレビで見てる人々もこの作品を読んでる我々も描いてる作者でさえも他人事。最後の最後に全員が当事者になるけどそれまでずっと他人事を描いているていうのがあるのかなと思った。

轟音轟く銃声や激しい戦闘の最中での無音のコマ、静止しているかのような大きいコマも入れることで静と動を表し、印象的なコマを量産する化け物、新井英樹。
この作品はトシモン、ヒグマドン、新井英樹という三者の化け物によって生み出された傑作である。

新井英樹

   1997年から2001年まで「週刊ヤングサンデー」に連載され、多くのクリエイターたちに影響を与えた衝撃作。 <p> 「使え…力は絶対だ」。女をさらい、平和な家庭に踏み込み、人を殺す。澄んだ目で、欲望にただ忠実に「力」を爆発させていく「モン」。弱い自分にはない「力」を切望し、モンを狂信的に慕う爆弾魔の「トシ」。彼らの起こす惨忍な事件とその言動は、社会現象に発展していく。一方で、北海道に全長8メートルを超える正体不明の巨大生物「ヒグマドン」が現れ、次々と人を襲いながら南下し、さらに巨大化しつつあった…。 <p> 「命は、平等に、価値がない」。何が正義で何が悪なのか。生とは、死とは？ 著者は問いを投げかけ続け、最後まで決してその手をゆるめようとはしない。「だぷ… だぷ…」と音を立てるズタズタの遺体を入れたバケツ。死を前に泣き叫ぶ人々の表情。モンに愛を注ぐ女、息子が殺人犯と化したことを知った母親、事件を追いかける新聞記者、派手なパフォーマンスを続ける総理大臣、ヒグマドン退治に乗り出す老猟師、それぞれの人生。すべてがむきだしのまま、目の前に突きつけられる。 <p>   読者は、この物語に対峙している限り、こみあげる不快感と無力感に堪えることを強いられるだろう。だが、それでもページを繰る手を止めずに全14巻を読みきった時、壮大なラストシーンが深く、深く胸にしみてくる。（門倉紫麻）

ザ・ワールド・イズ・マイン

最近狂気山脈に触れる機会があったのでそういえば買ってたなーと思い読んでみた。知識の補足という感じで読んでしまったので完全な初見としての驚きや面白さはなかった。ただ、頭の中でこんな感じかなー?と補完していたものがめちゃくちゃ上手い作画によってはっきりとイメージできるようになったのは嬉しい。旧支配者、反乱、クリトルリトルとの戦いと関係等も詳しく知れたのもよかった。

田辺剛

ラヴクラフト最大にして最高の歴史的名作を完全コミカライズ、開幕!

ホラー小説界の巨星ラヴクラフト、その「コスミック・ホラー」のすべてが込められた生涯最大にして最恐の名作「狂気の山脈にて」。
ハリウッド・メジャーが何度も映画化を望みながら、実現することができていない世紀の傑作を、「魔犬」「異世界の色彩」「闇に這う者」と、ラヴクラフト描きとして最高の評価を受ける絵師が、待望のコミカライズ!

狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集

よしもとよしとも

青い車 (CUE COMICS)～目次より一部抜粋～ ◆青い車 ◆オレンジ ◆銀のエンゼル・・・など他にもあり。

青い車

絵が気持ち悪くて女の子が可愛いのでよい
ホラーはオチも重要だよなあと常々思ってるので、オチでもう一つなにかあるこの短編集はかなり好み

うぐいす祥子

家出した父親の部屋は、大人気ゆるキャラ・タマッシーのグッズで溢れかえっていた。残された地図に記された場所で待っていたのは…？　可愛さとグロさのギャップ。想像力を触発するオチ。うぐいす祥子の脳汁（エッセンス）が詰まった10編を収録した短編集第2作！　本当の悪夢は、読み終えた後から始まる…。

悪い夢のそのさき…

執筆時期である70年代に戦後日本と田舎の歪んだ因習、愛着障害を描いたことの凄さと面白さから4.5
詳細な感想は後日

手塚治虫

奇子

クリーチャーデザイン、変身デザイン、アクション作画ともにカッコいい。お互いの善のぶつかり合い、自由になりたい、幸せになりたいという思いの具現化を描いている。後半の駆け足感はものすごいけど、終わり方がとても好きなのでヨシ！！

井上敏樹

オメガ

夢の一節のような思考のちらばりのようなものを漫画にした印象を受けた。私たちが思考している時実際に私たちが行なっているのはアイディアが閃くのを待っているか、独り言を言っている時であり、その過程で様々な考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返す。このような思考のちらばりのような漫画だと読んでいて思った。登場人物たちの行動は自由で行き当たりばったり、だけどふいに見せる表情は人間臭い。このアンバランスさが魅力。

鈴木翁二

オートバイ少女

意図して原爆の後に読んでみたが正解だった。
最初の2篇では原発で働く人々を描き、後半では著者自身が人生と向き合う土俗的な短編が収録されている。
「冬の海」、「春の霊」が好き

勝又進

深海魚

ウチヤマユージ

北陸の勝野市、田園地帯の集落で火葬場から老夫婦の焼死体が見つかる。警察は老老介護の末の心中と結論付ける。事件から半年後、東京で週刊誌記者をしている伊能は取材ため勝野市を訪れる。近隣住民の口は重く難航する取材のなか伊能は、地域の雑貨屋の駐車場に残る濃いタイヤ痕、焼死した夫婦が事件の半年前に車を買い替えたこと、挙動不審な小学生という三つの『不自然』に気付く。それは事件の深淵へ至る第一歩であった。

よろこびのうた

漫画よりは絵本に近い読み味。
読み始めると実家を思い出して実家に帰りたくなってくる。カボチャをみてうちの猫を撫でたくなってくるそんな漫画。
五十嵐大介のデッサン力で描かれる猫あるあるや自然な動き、表情などやっぱり動物や自然を描かせたら日本一なのではと思わせる。
エッセイコミックというとデフォルメされた絵柄でのリアルをイメージするけど、これはリアリティーとほんのちょっとの虚構の融合のような作品。

五十嵐大介

カボチャの冒険 (バンブー・コミックス) [コミック] [Jul 30, 2007] 五十嵐 大介

カボチャの冒険

谷間夢路

親の元を離れ、島の全寮制高校に転入した麻利亜は、ルームメイトから執拗ないじめを受ける。嫌がらせはエスカレートしていき、やがて思いもよらない事態を巻き起こす……。

悪魔に魅せられて

初期山本直樹の描く女の子のエロいことエロいこと。物事を見据えているような目、流し目がいい。デジタルになって作風が変わったからこの山本直樹を読むには初期作品を読む他ないのが残念だね。アナログの山本直樹もデジタルの山本直樹もどちらも好きだよ。
というか初期山本直樹作品にはイケメンがでてくる。

ごめんねBボーイ

イカつい時代の90年代ヤンマガ作品。人が本になる瞬間のコマなんかゾクゾクしちゃうね。面白さとしては普通だけどこの時代の大友ライクな絵柄は好きだよ

イダタツヒコ

ヤングマガジン誌上にて連載されたカルト・ホラー・コミックに修正を加え完全復刻！　12冊の『外道の書』がそろった時、所有者は神になれる！?　ノンストップ・アクションによる大問題作！

外道の書

めちゃくちゃシンプル。主人公の少女を守護するロボットのファウストとその追手として登場する9体のロボットのバトル。
残念ながら打ち切りのようで最後まで描かれていないものの掲載誌がコロコロなだけあり非常に分かりやすくかっこいい

上山徹郎

電人ファウスト

忘れられたものたちが辿り着く箱庭に住む女の子が紡ぐ優しい物語。
コマ割りにかなり特徴があり、自由でアニメ的だなと思った。多分要所要所で細かく均一に割られたコマが連続するページがあるからだと思う。それがフィルムをイメージさせるのかな。
キャラデザもやわらかくて可愛らしい。

鈴木志保

ヘブン…

皮肉の効いたお話にオチには主人公の女の子がバーカといって終わるのが素敵で可愛い
加えて収録の短編2編がめちゃくちゃ面白い。硫酸の雨で溶ける男の子、斧で脳天かち割られる男の子、最高

高橋葉介

宵闇通りはいつだって暗い。心のさみしい人たちが住んでいるかしら?あたしはブン。宵闇通りのブン……。

宵闇通りのブン

不思議な街の不思議な出来事を扱った話が多く、主人公ミリオンが見た夢と現実とが曖昧になるオチが良い。絵のポップさ、柔らかさ、構図など読んでいておぉ！となる場面が多かった。

いとも奇妙なお話が、つぎつぎへと出てきます。幻想の詩人が繰り上げる、ファンタジー模様を、たっぷりとご賞味ください。

ライヤー教授の午後

林静一

「明日になれば、朝がくれば、苦しいことなんか忘れられる」。貧しい同棲生活の中で、愛するが故に傷つけ合う一郎と幸子。70年代の風景とファッション、時代感覚と状況のすべてがここにある。作者自身のアニメ絵コンテとダブル収録する一冊!

赤色エレジー

大友克洋

童夢

第3次世界大戦から38年、世界は新たな繁栄をむかえつつあった――。ネオ東京を舞台に繰り広げられる本格SFアクションコミックの金字塔!

AKIRA

今敏

Opus

山野一

以下の21話が収録されています。 (1.カリユガ第1話/ドブ板のある町・・・3) (2.カリユガ第2話/全自動ガードマンK・・・11) (3.カリユガ第3話/ぼーふらはぼーふら・・・19) (4.カリユガ第4話/楽園の扉・・・27) (5.カリユガ第5話/希望・・・35) (6.カリユガ第6話/覚醒・・・43) (7.カリユガ最終話/爽やかな夜明け・・・51) (8.脳梅三代・・・59) (9.むしゃむしゃむ　ソーセージ・・・71) (10.工員・・・83) (11.さるの穴・・・95) (12.走れタキシェ・・・107) (13.花嫁の花園・・・117) (14.壁・・・127) (15.Closed Magic Circle・・・139) (16.SCHIZOID-ZONE・・・151) (17.水産・・・163) (18.火星法経会・・・175) (19.ラヤニール・・・187) (20.パンゲア・・・199) (21.ムルガン・・・211)  以上です。

混沌大陸パンゲア

松本大洋

人は漫画を生きるのか。

大手出版社を早期退職した漫画編集者の塩澤。
理想の漫画誌を作るため、
自分が信じる漫画家たちを訪ね、執筆を依頼する。

仕事か、表現か、それとも友情か。
漫画を描く者、描かぬ者、描けぬ者、
東京の空の下、それぞれの人生が交差する。


松本大洋が初めて描く漫画家漫画、初めて語られる創作哲学。
これを読まずに松本大洋を知ることはできない、必読の一冊。


東京ヒゴロ

大場つぐみ

小畑健

二人の少年がコンビを組んで漫画家を目指していくストーリーの大人気マンガ。

バクマン。 BAKUMAN

山形 さんは『夜の領域』、 『夢の木の下で』、 『アトミック?』、 『ザ・ワールド・イズ・マイン』、 『狂気の山脈にて ラヴクラフト傑作集』など、233作品を読んでいます。各作品の新刊情報、無料漫画、試し読み、レビュー（口コミ・感想・評価）、ネタバレも見ることができます。

山形

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