はねっかえりだけど、可愛くて憎めない天才少女ピアニスト・うたが奏でるさよならの音、初恋の音、嫉妬の音、失恋の音……どんな音だと思います?ページをめくれば心に鳴り響く不思議で切ない物語!天賦の才能で世界のピアノ界に華々しくデビューする『神童』と呼ばれた少女の努力の過程を描いた感動の物語。手塚治虫文化賞マンガ優秀賞+文化庁メディア芸術祭優秀賞をダブル受賞!!
さそうあきら氏の代表作。 文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞、また、手塚治虫文化賞 優秀賞受賞し、当時、映画も話題になりました。 名門の音楽大学を目指している浪人生の菊名和音が、ある日、野球をしていた少女・成瀬うたと知り合います。 強引に家に上がり込まれ、迷惑に感じる和音でしたが、うたが彼の部屋のピアノに触れたとたんに世界が一変します。 個人的にはさそうあきらといえばセックスがテーマのマンガが多いイメージです。 本作中でもそういう描写は無くは無いのですが、基本的には"神童"と言える少女の苦悩が描かれた作品となっており、『のりりん』を読んだときのような意外性を感じました。 うたは、明確に天性の才能を持っているのにも関わらず、その才能を一般的に認められていません。 天真爛漫な振る舞いで周囲をざわつかせ、圧倒的な技術で周囲を黙らせる展開が多く、基本的にうたの性格は最悪です。 人によっては傍若無人な振る舞いにイライラする可能性があり、そういうキャラが苦手な方にはおすすめできないです。 終盤には、そんなうたに悲劇が襲いかかり、その絶望の中で何をするのかというドラマが展開されます。 文庫版で全3巻と短く、展開はわかりやすく読みやすい作品だと思います。 菊名和音は、もう一人の主人公としてスポットがあたっています。 うたに振り回されながら、成長していくのですが、彼もまた天才と呼べるキャラで、荒唐無稽な存在として描かれるうたと対象的に全うに挫折しながら実力を認められてゆきます。 そんなうたと和音の交流が描かれていて、様々な音が作中では流れるように感じます。 ミュージックとしての音楽ではなく、いろんな"音"が中心に据えられていて、裏表紙にも書かれている通り、本作の主役は"音"なのだと思いました。
by うにたべたい (528)「神の嫁」に選ばれしは双子の姉か妹か!? 海神の末裔である高良家が支配する、小さな島に生まれた双子の姉妹、稔と凪。みそっかすの妹・凪は、美人で人気者の姉・稔の陰に隠れるように育っていたが、高良家の次期当主として孤独な日々を送っていた朝和と密かに想いを通じ合うようになる。しかし、朝和の嫁となる「海神の巫女」候補に稔と凪が選ばれて…!? 大人の恋を描かせたらピカイチ! 読みきり集を12冊も輩出し、しかも全冊ヒットさせている実力派の小純月子が、初のシリーズ物に挑戦! 大御所作家がズラリと揃う「姉系プチコミック」でアンケート1位という快挙を成し遂げました!孤島というエキゾチックな舞台で繰り広げられる、切なすぎる三角関係に「こんなの読みたかった!」の声が殺到しています!