じゃりン子チエのはるき悦巳が、じゃりン子チエと同時期くらいに連載していた作品。一巻で完結しています。 じゃりン子チエは中盤頃からテツが弱体化したり、内容に盛り上がりが欠けてくるのですが、本作は序盤のじゃりン子チエの画風のまま書ききっているため、中だるみがなく一気に読めます。 具合的な地名の示唆はないですが、じゃりン子チエ同様、大阪の下町を舞台にした人情モノです。 時代的にもじゃりン子チエ序盤あたり、インターネット普及より全然前、コンビニやスーパーマーケットができはじめる前のあたりの話です。チエが西成が舞台で、作中にテツがカメオ出演するので、本作の舞台も西成近辺と考えられます。 主人公の悪童4人組は高校を中退し、毎日グータラ過ごしている。 近所の豆腐屋にはミッちゃんという4人のアイドルがいて、彼女も店を継ぐために高校を中退し、毎日店を手伝っている。 そんな中、ヤクザと付き合いがあるという噂の迫丸がミッちゃんと付き合っているという話を聞き、4人は迫丸がミッちゃんを脅して無理やり自分のものにしようとしているのではと考える。 実際にはそんなことはなく、ミッちゃんは迫丸と一緒になり、溜まり場にしていた映画館も潰れ、近所にスーパーができるという話からいつまでもこのままというわけにもいかないことに危機感を覚え、彼らの青春は幕を閉じるという話。 大変切ない話です。 じゃりン子チエも名作ですが、後半はだれてくるので、はるき悦巳では本作のほうがおすすめです。
by うにたべたい (528)管理栄養士・朝山橙也は、ある日突然妹とともに異世界へと飛ばされてしまう。そんな中、レストラン「健康食堂」にたどり着いた橙也だったが、どうやらこの世界では「健康的な料理」はマズいことが定説で……―― 美味くて健康的な料理はない。そんな極端な価値観を持つ国ミレイスカイに、ひょんなことから転送されることになった管理栄養士の朝山橙也。治安がよく、食材や調理器具に困らない異世界に行けることになったまでは良かったが、科学的技術の未発達により、栄養学があまり受け入れられていない国で、それぞれが好きなように食事を摂るのが常識だった。そんな中、立ち寄ったのが「健康食堂」という名の店。栄養学的観点がゆるいこの世界で、「食からの健康」を求めた料理を提供する、稀有な場所らしい。異世界の料理に期待する橙也だったが、出されたのは、彼が求める料理とは程遠いものがあった……。異世界では貴重な「栄養学の知識」を武器に、しがないサラリーマンだった男がこの世界の常識を覆す――!?