はるき悦巳さんの作品の書影

はるき悦巳

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作品数:13

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プロフィール

はるき 悦巳(はるき えつみ、1947年5月28日 - )は、日本の漫画家。本名は非公開。もともとペンネームは春木 悦巳という表記だったが、1977年にデビュー作『政・トラぶっとん音頭』が第1回平凡劇画賞で佳作入選してその賞状が贈られたとき、名前が青木悦巳と誤記されたため、以降ははるき悦巳をペンネームとした。

はるき悦巳の作品

一覧
『文庫版 じゃりン子チエ』の書影

文庫版 じゃりン子チエ

3.17

1112

発刊: 1998.8.5 ~

通常版・他1作品

19年間の連載が終了した国民的人気漫画がついに文庫に登場。 元気いっぱいの「永遠の小学5年生」チエちゃんと個性的だがなぜか憎めない、人情味豊かな浪花の人々との愛と喧騒の日々を描くパワフルなストーリー。やくざな父親テツ、人語を理解する猫の小鉄、花井センセなど魅力的なキャラクターがいっぱい。続刊もぞくぞく登場です

『新訂版 じゃりン子チエ』の書影

新訂版 じゃりン子チエ

3.16

492

発刊: ~

通常版・他1作品

大阪の下町でホルモン焼き屋を切り盛りするチエちゃんは小学5年生。父親のテツは無職でケンカとバクチに明け暮れ、母親のヨシ江は家出中。そんな逆境にもめげず、大人顔負けのたくましさで奮闘するチエちゃんと、個性的な登場人物たちが大騒動を巻き起こす!

大阪の下町(設定では西成辺り)を舞台にした作品。 ホルモン屋を経営するじゃりン子「竹本チエ」が、ガラの悪い大人たちに混ざりながら逞しく生きる様を描いたものになります。 父は博打狂いで、近隣のヤクザからはヤクザ以下と恐れられている男「テツ」で、母は家出中という洒落にならない舞台設定なのですが、テツはチエと不思議と仲は険悪ではなく、終始明るい雰囲気の話です。 全67巻、20年近い連載期間の末完結していて、長期連載漫画にありがちなことに1巻と最終巻では絵柄も雰囲気もガラリと変わります。 私的には初期のほうが好みです。序盤は絵柄こそ古臭いのですが、終盤はテツに迫力がなくなり、またストーリーも常識的になっている気がします。 特にテツの弱体化は見ていて辛いところがありました。ほとんど最強みたいな存在だったテツが大した活躍をせず、たまに喧嘩をしたと思ったら弱い者いじめ以外ではヤられる様は、見たくなかったです。 基本的に1冊で一つのストーリーが完結する構成になっています。 全67巻なので、単純に67作のストーリーがあるイメージとなります(次巻にまたがる場合もあり)。 大阪の下町らしいストーリーで、特に序盤はヤクザやごろつき、賭場、喧嘩のシーンが多く、大変なのにユーモラスで、大阪の国民性をうまく描写していると感じました。 一方で、これも序盤にあるのですが、テツが妻のヨシ江と逢瀬するシーンはまさに大阪慕情という感じです。 真面目から逃げたがっているテツと、真面目なヨシ江の会話、そしてヨシ江が家に戻ってきて無邪気に喜ぶチエの図は、読んでいてなかなかくるものがありました。 名作なのですが、やはり後半のぐだぐだ感が残念です。面白くないわけではないのですが、惰性で続けていた感じが否めないですね。 ちなみに大阪下町を舞台にした作品ですが、実在の観光地や地名はほとんど出てきません。通天閣も近くなのに登場しないです。 近隣にあったはずのスパワールドや、新世界、天王寺動物園など、大阪らしい場所は登場しません。 じゃあ大阪じゃなくてもいいんじゃないかとも思えるのですが、西成の汚くてガラが悪い区画を舞台設定に置かないと、本作のリアリティーはなかったと思います。 そういう意味で非常に大阪らしい、大阪を舞台とした漫画では代表的な作品だと思います。

by うにたべたい (528)

「カスタムコミック」連載の傑作コミックのアクションコミックス版・A5判サイズ・1989年発行。著書のあと書きもあります。

じゃりン子チエのはるき悦巳が、じゃりン子チエと同時期くらいに連載していた作品。一巻で完結しています。 じゃりン子チエは中盤頃からテツが弱体化したり、内容に盛り上がりが欠けてくるのですが、本作は序盤のじゃりン子チエの画風のまま書ききっているため、中だるみがなく一気に読めます。 具合的な地名の示唆はないですが、じゃりン子チエ同様、大阪の下町を舞台にした人情モノです。 時代的にもじゃりン子チエ序盤あたり、インターネット普及より全然前、コンビニやスーパーマーケットができはじめる前のあたりの話です。チエが西成が舞台で、作中にテツがカメオ出演するので、本作の舞台も西成近辺と考えられます。 主人公の悪童4人組は高校を中退し、毎日グータラ過ごしている。 近所の豆腐屋にはミッちゃんという4人のアイドルがいて、彼女も店を継ぐために高校を中退し、毎日店を手伝っている。 そんな中、ヤクザと付き合いがあるという噂の迫丸がミッちゃんと付き合っているという話を聞き、4人は迫丸がミッちゃんを脅して無理やり自分のものにしようとしているのではと考える。 実際にはそんなことはなく、ミッちゃんは迫丸と一緒になり、溜まり場にしていた映画館も潰れ、近所にスーパーができるという話からいつまでもこのままというわけにもいかないことに危機感を覚え、彼らの青春は幕を閉じるという話。 大変切ない話です。 じゃりン子チエも名作ですが、後半はだれてくるので、はるき悦巳では本作のほうがおすすめです。

by うにたべたい (528)
『帰って来たどらン猫』の書影

帰って来たどらン猫

200

発刊: 2007.10.2 ~

完結・全2巻

「おまえこの世にもう一匹自分と同ンなじ猫が居るゆう話聞いたことあるか」ジュニアがまた訳の分からんことをゆうてる…。末永く愛され続ける名作『じゃりン子チエ』の大人気猫、子鉄とアントニオ・ジュニアが帰って来た!猫社会にも、面白キャラやエピソードが満載!小気味よいボケとツッコミ炸裂で、今日も明日もこれからも…ヤツらのまわりは大騒ぎ!

じゃりン子チエに登場するチエの飼い猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ短編集。 1980年から88年にかけて描かれた11作の作品が収録されています。 最初の作品から最後の作品間で8年以上経過しているため、最初と最後の作品で絵柄が違います。 この8年間はちょうどタッチが変遷するいいタイミングのようで、作品を読み進めるたび、はるき悦巳氏の絵柄が少しずつ変わっていくのがよく分かります。 本書のサブタイトルが「どらン猫小鉄奮戦記」となっている通り、全作品小鉄が主人公です。 小鉄が主人公のスピンオフというと、小鉄が竹本家に来る前の話を描いた「どらン猫小鉄」が想起されますが、本作では小鉄は既にチエの飼い猫になっており、チエやテツ、ジュニアなども作中登場します。 本編の設定、世界観を知っていることが前提となるため、本作を読む前にじゃりン子チエ本編を読んでおく必要はあると思います。 猫が主人公ですが、よくある可愛さを売りにした猫まんがとは雲泥の差で、売られたり殺されたり、人の世よりも酷い世界を舞台にした鉄火な作品集となっています。 面白さでいうと、じゃりン子チエ本編の方が断然面白いです。 本作はあくまでも本編の箸休めの番外篇、それを集めたものなので、本編のファンサービス、ボーナストラックのようなものだと思います。 じゃりン子チエは終わったけど、またあの世界が読める、そういう意味で非常に楽しく読めました。 本編読了後に興味があれば、おすすめです。

by うにたべたい (528)
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作品レビュー

一覧

3.6

1巻まで読みました

じゃりン子チエに登場するチエの飼い猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ短編集。
1980年から88年にかけて描かれた11作の作品が収録されています。
最初の作品から最後の作品間で8年以上経過しているため、最初と最後の作品で絵柄が違います。
この8年間はちょうどタッチが変遷するいいタイミングのようで、作品を読み進めるたび、はるき悦巳氏の絵柄が少しずつ変わっていくのがよく分かります。
本書のサブタイトルが「どらン猫小鉄奮戦記」となっている通り、全作品小鉄が主人公です。
小鉄が主人公のスピンオフというと、小鉄が竹本家に来る前の話を描いた「どらン猫小鉄」が想起されますが、本作では小鉄は既にチエの飼い猫になっており、チエやテツ、ジュニアなども作中登場します。
本編の設定、世界観を知っていることが前提となるため、本作を読む前にじゃりン子チエ本編を読んでおく必要はあると思います。

猫が主人公ですが、よくある可愛さを売りにした猫まんがとは雲泥の差で、売られたり殺されたり、人の世よりも酷い世界を舞台にした鉄火な作品集となっています。
面白さでいうと、じゃりン子チエ本編の方が断然面白いです。
本作はあくまでも本編の箸休めの番外篇、それを集めたものなので、本編のファンサービス、ボーナストラックのようなものだと思います。
じゃりン子チエは終わったけど、またあの世界が読める、そういう意味で非常に楽しく読めました。
本編読了後に興味があれば、おすすめです。

文庫版 じゃりン子チエ番外篇

レビュー(1)件

既刊1巻

3.9

65巻まで読みました

大阪の下町(設定では西成辺り)を舞台にした作品。
ホルモン屋を経営するじゃりン子「竹本チエ」が、ガラの悪い大人たちに混ざりながら逞しく生きる様を描いたものになります。
父は博打狂いで、近隣のヤクザからはヤクザ以下と恐れられている男「テツ」で、母は家出中という洒落にならない舞台設定なのですが、テツはチエと不思議と仲は険悪ではなく、終始明るい雰囲気の話です。

全67巻、20年近い連載期間の末完結していて、長期連載漫画にありがちなことに1巻と最終巻では絵柄も雰囲気もガラリと変わります。
私的には初期のほうが好みです。序盤は絵柄こそ古臭いのですが、終盤はテツに迫力がなくなり、またストーリーも常識的になっている気がします。
特にテツの弱体化は見ていて辛いところがありました。ほとんど最強みたいな存在だったテツが大した活躍をせず、たまに喧嘩をしたと思ったら弱い者いじめ以外ではヤられる様は、見たくなかったです。

基本的に1冊で一つのストーリーが完結する構成になっています。
全67巻なので、単純に67作のストーリーがあるイメージとなります(次巻にまたがる場合もあり)。
大阪の下町らしいストーリーで、特に序盤はヤクザやごろつき、賭場、喧嘩のシーンが多く、大変なのにユーモラスで、大阪の国民性をうまく描写していると感じました。
一方で、これも序盤にあるのですが、テツが妻のヨシ江と逢瀬するシーンはまさに大阪慕情という感じです。
真面目から逃げたがっているテツと、真面目なヨシ江の会話、そしてヨシ江が家に戻ってきて無邪気に喜ぶチエの図は、読んでいてなかなかくるものがありました。

名作なのですが、やはり後半のぐだぐだ感が残念です。面白くないわけではないのですが、惰性で続けていた感じが否めないですね。
ちなみに大阪下町を舞台にした作品ですが、実在の観光地や地名はほとんど出てきません。通天閣も近くなのに登場しないです。
近隣にあったはずのスパワールドや、新世界、天王寺動物園など、大阪らしい場所は登場しません。
じゃあ大阪じゃなくてもいいんじゃないかとも思えるのですが、西成の汚くてガラが悪い区画を舞台設定に置かないと、本作のリアリティーはなかったと思います。
そういう意味で非常に大阪らしい、大阪を舞台とした漫画では代表的な作品だと思います。

新訂版 じゃりン子チエ

レビュー(3)件

完結・全65巻

3.8

1巻まで読みました

じゃりン子チエで登場するチエの飼い猫・小鉄が主人公のスピンオフ作品。
主人公は猫で、登場キャラクターも猫だけという、ある意味、猫マンガといえなくもないが、そんな和やかな作品ではありません。超殺伐です。

その圧倒的な強さから「ファイティングマシーン」、「石のコブシ」、「ドラ猫発電機」などという異名で呼ばれるその猫は、飛び乗った長距離トラックで三途の猫町に辿り着いた。
そこでは地元ヤクザと大阪組ヤクザが、炭鉱の開発のため忘れられたダイナマイトを用いて抗争を繰り広げられていた。
ふらりとやってきたその猫は面白半分にその抗争に介在し、拮抗していた抗争は激化していくという話。

2つのヤクザ猫のグループが、ダイナマイトで殺し合う話です。
根性のため耳を詰める猫、ファッションのため顔面の毛を剃ってモヒカンスタイルにする猫などが登場しますので、普通の猫マンガだと思って読むと泣きを見ます。数十匹単位で猫が惨たらしく死んでいきます。猫ってこんな生き物でしたっけ?
じゃりン子チエは大阪の下町情緒溢れる作品ですが、本作はそれとも別ものです。じゃりン子チエでも猫は異質な存在として描かれているので、そのチエの猫世界を描いたスピンオフという感じがします。

猫というどこかとぼけた生き物を使って、真面目に鉄火な世界が描かれています。
はるき悦巳の独特な世界観が趣味に合う人にはおすすめです。

どらン猫(こ)小鉄

レビュー(1)件

既刊1巻

4.6

1巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

じゃりン子チエのはるき悦巳が、じゃりン子チエと同時期くらいに連載していた作品。一巻で完結しています。

じゃりン子チエは中盤頃からテツが弱体化したり、内容に盛り上がりが欠けてくるのですが、本作は序盤のじゃりン子チエの画風のまま書ききっているため、中だるみがなく一気に読めます。
具合的な地名の示唆はないですが、じゃりン子チエ同様、大阪の下町を舞台にした人情モノです。
時代的にもじゃりン子チエ序盤あたり、インターネット普及より全然前、コンビニやスーパーマーケットができはじめる前のあたりの話です。チエが西成が舞台で、作中にテツがカメオ出演するので、本作の舞台も西成近辺と考えられます。


主人公の悪童4人組は高校を中退し、毎日グータラ過ごしている。
近所の豆腐屋にはミッちゃんという4人のアイドルがいて、彼女も店を継ぐために高校を中退し、毎日店を手伝っている。
そんな中、ヤクザと付き合いがあるという噂の迫丸がミッちゃんと付き合っているという話を聞き、4人は迫丸がミッちゃんを脅して無理やり自分のものにしようとしているのではと考える。
実際にはそんなことはなく、ミッちゃんは迫丸と一緒になり、溜まり場にしていた映画館も潰れ、近所にスーパーができるという話からいつまでもこのままというわけにもいかないことに危機感を覚え、彼らの青春は幕を閉じるという話。

大変切ない話です。
じゃりン子チエも名作ですが、後半はだれてくるので、はるき悦巳では本作のほうがおすすめです。

日の出食堂の青春

レビュー(1)件

既刊1巻

3.0

65巻まで読みました

新訂版 じゃりン子チエ

レビュー(3)件

完結・全65巻

3.6

新訂版 じゃりン子チエ

レビュー(3)件

完結・全65巻

5.0

47巻まで読みました

文庫版 じゃりン子チエ

レビュー(1)件

完結・全47巻

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