あらすじストーリー紹介

遺跡層におおわれた巨大人工天体「アポシムズ」。危険な「自動機械」や「人形病」に侵された者たちが彷徨う極寒の地表で暮らすエオ、ビコ、エスロー達は行軍訓練のさなか、強大なリベドア帝国の兵士に追われる不思議な少女を助ける。少女から託された「コード」と「七つの弾丸」、それは世界の運命を大きく変えるものだった……!! 『BLAME!』『シドニアの騎士』の弐瓶勉が描くダーク・アドベンチャー・ファンタジー開幕!

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この漫画のレビュー

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5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.56

196件の評価

3.8

9巻まで読みました

ある荒廃した人工天体での出来事を描いたSF作品。
舞台となるのは、直径十二万キロメートルの人工天体アポシムズ。
物語の最初に、その体積の大半は超構造体の殻で覆われた地底空間であること、五十世紀前に地底との戦争に敗れた人々は極寒の地表に取り残されたこと、そして人形病という病が蔓延しており、遺跡層には攻撃的な自動機械が頻出することが説明されます。
主人公は地表の居住地"白菱の梁"で育った「エスロー」という青年です。
彼は白菱の梁で教育係をしていたのですが、遺跡層で食料採集の最中にリドベア兵に襲われる自動人形と遭遇し、そのいざこざから仲間を守るため、兵士を撃ち殺してしまいます。
その報復として、白菱の梁はリドベア兵に襲われ、エスローの仲間たちは殺されてしまう。
エスローもまた、敵の攻撃を受けて命を失おうとする直前に、助けた自動人形「タイターニア」からの提案を受けて正規人形に転換し、以降、リドベア帝国との戦いに身を投じる展開となります。

設定が細かく、複雑で難解です。
その一方で、最低限の舞台説明が最初に行われ、以降はストーリーを追って把握する必要があります。
練り上げられた設定に関する説明を逐一行うことはないため、設定の難解さの割に文章は少ないです。
戦闘シーンが多々あるのですが、絵は全体的に白い感じあり、激しさの割に淡白なイメージがあります。
登場キャラの大半は死にますが死亡シーンもあっさりしていて、主要人物でさえいつ死んだのかわからなくなることが度々ありました。
ストーリーはサクサク進むので、気がついたら筋がわからなくなり、読み返してみるけど読んだはずの過去のページに見覚えがなく、どのあたりから読み返せば良いのかわからなくなるという、我ながら理解力に嘆いてしまうことがありました。
何度も読み中に寝落ちすることもあり、個人的には読み切るためかなり体力が必要でした。

ただ、理解できればかなりおもしろい物語です。
荒廃し、マスク無しで住めない地表にて、奇病に怯えながら行き続ける人々がおり、リドベア帝国という大国が少ない資源を独占するため支配権を広げている。
コードと呼ばれる装置により、高い適合能力を持つ人間は正規人形に転生できるが、その確率は非常に低い。
正規人形になればマスクは不要となり、外観が自在に変化し、特殊能力を身に着け身体能力が凄まじく向上する。
基本的にはエスローとタイターニアと、リドベア兵の正規人形同士の戦いとなりますが、途中、第3勢力として人形病患者で軍勢を作り、リドベア帝国を壊滅させて地上を平定させる『新地底教会』が現れ、混戦を極めます。
ストーリーが進むたびに登場人物も増えて難しくなってゆくので、腰を据えて読むのをおすすめします。

ラストはすごく駆け足感がありました。
これまで登場した個性的な正規人形たちが激突し、特に各自の見せ場もなくフェードアウトします。
タイターニアはどこに行ったのか、なぜ地底にいるのか、何がなんだかよくわからないままハッピーエンドっぽくなり、ここまで頑張って読んできましたが、クエスチョンマークの浮かぶ終幕でした。
終盤まで良かったのに、この幕切れは、正直微妙でした。
他方の感想を読むと、弐瓶勉作品のラストは割りとこんな感じだそうなので、わかっている方向けなのかなと思います。

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