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堀内厚徳砥上裕將
3.42
2832
新刊通知
発刊:2019.09.17 〜
完結・全4巻
33件の評価
ささ
4.2
すげーって思う作品って、はじめから異彩を放っている。第一話では、青山霜介の異常なまでの鋭敏な感性が見出されるところから始まる。こういう天才発見の話はだいたい全部好き。続く第二話で、突然の新参弟子に千瑛が噛み付いたものの、すぐに「気に入らないのは私の この未熟さよ」「冗談じゃない…冗談じゃないのね おじいちゃん」と、冷静な態度を見せる。ここがすごいよかった。好きな作品だ、って思った。何もない青山の部屋と、切り込むような凛とした空気の千瑛。切実で、真剣。そういう人だからこそ持つ、人として優しさ、暖かさを感じた。これは全体通してだけど、キャラの作り込みに厚みがあるというか、通底する「優しさ」がある。浅はかキャラに見える小前君だって、友達想いで、他者への尊敬がある人だ。「ツンデレ(千瑛)」とか「頑固オヤジ(翠山)」「技巧派イケメンエリート(斉藤湖栖)」みたいな”属性”に、この作者なりの「優しさ」「他者を尊重する気持ち」をうまくブレンドすることで、無二の”個性”に昇華している。そして、やっぱり見応えがあるのは、そんなキャラたちの優しさに触れながら、徐々に描く線を変えていく青山の姿。青山の描く線は、湖山のこの言葉によってひとつの完成をみる。「ありのままに生きようとする命ーそれに深く頭を垂れて教えを乞いなさい」儚く燃える蘭の命に、美しさを見つけ尊ぶ。それは、自分の命の美しさを見つけることでもある、のかもしれない。あとこれ小説のコミカライズなんだけど、空気の描きわけがうまくて引きこまれた。凛とした空気、暗く寂しい空気、命を感じる暖かい空気、等等。僕のなかでの三大コミカライズ作品は『孤高の人』『魔王』と、この作品になった。
ラピス@プレトノイヴ
4.5
試しに1話読んでみたら引き込まれるような作風で、一気にラストまで読みました。水墨画を通してみるヒューマンドラマで、その人間模様を通して描かれる絵は息を呑むほどに美しいので、絵というのはこんなにも親しみやすくまた奥深く人生を表してくれるのかと改めて認識させてくれる作品でした
シン
展開が早くわずか4巻で完結してしまいましたが、水墨画の美しさが見事に表現されており心に響きました。またその独特の世界観もあってか、マンガの世界では類を見ない素晴らしい絵でした。
ヒノデ
3.6
「線は、僕を描く」という漫画を読んだ。とある出会いを機に水墨画に没頭していく青年を描いた作品。意味深な題名に似つかわしく考えさせられる台詞が多く、水墨画自体に関心を寄せる機会になること間違いなし。ここまで途方もなく美しく儚い穏やかな空気感を孕んだ漫画を僕は初めて読んだ。
がつぼう
3.8
まあまあ
おいす
3.5
短く終わったのが好感高い
大虎丸
劇的な展開はないのに、気がついたら一気に読み終わってた。また新しい扉が開いた気がする
てつお
3.9
悲しい過去を持った大学生が、水墨画に出会って生活に彩りを獲得していく話。タイトルも「僕は線を描く」ではなく「線が僕を描く」となっている。原作者は現役の水墨画家だそうで、知識としても勉強になるし、作品が「なぜ良いのか」の描写にはすごく説得力があり、共感ができる。なお、原作はメフィスト賞受賞作品だが、ミステリとかではまったくない。
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