タコ星人🐙
2.6
タイトルに「ミステリ」とあったから、重厚な探偵ものが楽しめると期待してたけど...とんだ肩透かしを食らってしまった。ミステリというには、動機も手口もあまりにも陳腐。あっと言わせるような驚きが一つもない。それはまだいいのだけれども、出てくるキャラはみんな狂人なのにも関わらず、いまいち狂いきれてない、中途半端な気狂い感が気になってしまう。「普通に見える人でも、フィクションによって人生を狂わされてしまう」、そんな危うさを描きたかったのかもしれないけれど、どこにも振り切れていない宙ぶらりんな状態は、やはり読んでいて気持ちのいいものではなかった。展開が早く、説明も足りていないため読者を置いてけぼりにするシーンもところどころに散見される。文学を絡ませるのはいいけれど、作者自身が文学世界に入り浸るあまり、きちんと読者という現実に向き合えていないのではないかーー申し訳ないのだけれど、そんな印象を持った作品。
親愛なるA嬢へのミステリー
レビュー(18)件
完結・全3巻