唯一自慢できたバスケを諦めた少年と、大好きだったフラメンコを諦めた少女。

そんな2人がひょんなことからお互いの靴を交換し、かつて相手が叶えたかった夢に取り組むことになる話。

自分に自信が持てない2人が、それでも「相手に情けないと思われたくない」一心で、練習や稽古に励む姿が尊かった。

じんとくる名言もたくさん散りばめられていたし、こういったボーイミーツガールものでよく存在を消されがちな家族の描写もきちんとしていて、主人公が「生きている」感じがした。
ばんざーいしてくれるおじいちゃん可愛いです。

フラメンコの楽しみ方も教えてくれる良作。

佐原ミズ

『マイガール』の佐原ミズ最新作！ 

かつて夢をなくした少年と少女。

光と影は再び出会い
今までと違う“明日”を紡いでいく――


鉄楽レトラ

台湾作家さんの作品だと聞いて購入。
努力の量に比例する光の輪だったり、ストレスを感じたら体にヒビが入り光る、星砕症といった設定が面白かった。

けれど翻訳は正直もう少し頑張って欲しかった...
中華圏のことわざをそのまま直訳したりと、違和感が拭えないところがところどころあったのでそこは惜しいところ。

新彦

機械の心

絵はとっても好み。だけど個人的にストーリーから響くものはなく、読み終わったらもやもやした。
というのも終盤、岸くんがビンタされたのがあまりにも理不尽だと感じたから。

今の時代、愛の形は色々あると思うけど、前提知識がないなかで他人に理解を強要するのはどうなんだろう。
自分たちの関係を理解できていない人を「空気の読めない人」と区分してしまうのにもモヤっときた。

色々な関係性を自由に築ける世の中だけど、わかってもらえて当然、わからない人はみんな最低、みたいな価値観には賛同できなかった。
読解を間違えていたら申し訳ないけれど、久しぶりに引っかかりを感じた作品。

紀伊カンナ

夢は叶わなくてもいい。人生で、ただ一度若者の季節。「エトランゼ」シリーズの紀伊カンナによる青春群像劇。あなたの心を時にドラムのように打ち叩き、時に柔布で撫でるような、忘れがたき青春群像劇。100回「辞めたい」とぼやくアニメーターの岸（きし）くん、仕事はクールだけど同棲相手には甘い千代（ちよ）ちゃん、女にモテてかっこいい心優しいバンドマンのたまき、地下アイドルに魅せられた女子高生のキキちゃん…ほか、6人の若者たちはいつか美しい思い出となるやもしれぬ日々を這いつくばりながら駆け抜ける。ポップでありつつもどこか牧歌的な筆致で極上世界を描く、著者初の連作読切りオムニバス。

魔法が使えなくても

「すべてがそろった状態を幸せと呼ぶなら　人はいつまで経っても幸せになれないよ」

世界中で女性差別を受けている女の子たちに焦点を当てた作品。なかでも日本が一番身近だからか、身に染みるものがあった。
口では綺麗事を言いながらも、妻が自分より成功してると不機嫌になる男性...あるあるじゃないだろうか。

平等と謳って何十年経つけど、やっぱり価値観を変えるのは難しい。でも、世の中は一歩ずつ、着実に平等に向かって進んでいる。そう信じたい。

やまじえびね

「ここに描かれている遠い国の少女と私たちは一緒だ。そう、私たちは差別される側。認めるのはつらいけど、事実を知れば知るほど『ぶち破ってやるぞ！』と力が湧いてくる」山内マリコ（作家）「こんな世界が情けなくてやるせないけど知らないままの方がよっぽど恥ずかしいからページをめくる手を止めない冷笑的な態度に負けたりするもんか生まれついた性別で育った場所で奪われる夢があるなんて絶対に間違ってる」宇垣美里（フリーアナウンサー）「わたしたちは結婚しないと生きていけないの？」サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない８つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。◎ダークでファニーな怪談御伽噺『かわいそうなミーナ』も同時発売。◎やまじえびね ビームコミックス好評既刊『レッド・シンブル』全３巻『ナイト・ワーカー』『アイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集』『女神たちと』（共著：河井克夫他）◎コミックビーム 公式ツイッター@COMIC_BEAM

女の子がいる場所は

「your my sun」と「your my son」...
かけているのがグッときた。
血の繋がっていない家族が、家族になるまで、そしてばったあとの日常を綴った話。
大切な人はふとした時にいなくなるから、その日その時をしっかり生きていこうと改めて思った。

茜田千

人生に絶望した男と、亡き姉の子と暮らす女。出会うべくして、出会ったふたり。心ない親の下で幼少期を過ごし、やがて天涯孤独になった陽介。どん底で出会ったのが、亡き姉の子・ケンジと暮らすナツキだった。けれどーーー陽だまりのような日々は突然、手の平からこぼれ落ちてしまう。…そっくりな耳をした、陽介とケンジを残して。「さらば、佳き日」の茜田千が紡ぐ、残酷で温かいーー人生の物語。描き下ろし10ページ収録！

ユア・マイ・サン

高一の夏におきた不調和な日常を、3人の少年少女それぞれの視点から切り取った作品。

あの子の視点だと「下心があり優越感に浸りたい男子」になる人でも、彼自身の視点になると「空気を読み調和を図ることを第一とする苦労人」となる。
視点が違うだけでこんなにも印象が変わるなんて、面白い。
自分の殻を破る話でもあるが、それに留まらない深みを感じた。

綿貫芳子

「彼女として完璧なのに、その歯だけ反抗的なんだよな」空気を読んで言いたいことを飲み込んでしまう椎葉は、彼氏からコンプレックスの歯並びを茶化されても曖昧に笑うばかり。“言えないきもち”は積み重なり、校舎裏で本音を叫ぶ椎葉。しかしタイミング悪く美術部の伸に聞かれてしまい、デッサンのために歯を触りたいと言う伸に協力することに。半ば脅されて始まった伸との関係だったものの、ありのままでてらいのない伸と過ごすうちに、彼の前だけでは素の自分を出せるようになっていき…？　オリオリスープの綿貫芳子最新作！　少年少女のひと夏を描く、未熟な歪さが美しい青春群像劇。

真夏のデルタ

マンガみたいな恋愛も、ドラマみたいな挑戦もない。スクールカーストの端っこで生きる、地味で平凡な女子高生たちのささやかな日常を綴った一作。

何を隠そう、私もかつては彼女らのような地味女子だったものだから、ページをめくるごとに共感の嵐で胸が痛んだ(特にがんちゃんの失恋やひいちゃんのいじめエピソードは、思い当たる節がありすぎって言葉が沁みた)

地味で平凡なな私たちは、「どうせ私なんか」と自分からバリアを貼りがち。素直に自分の願望を曝け出したって、どうせ恥をかくだけだと諦めがち。
けど、それじゃあ寂しすぎる。
もう一度素直になろう。もう一度、恐れずに幸せを追い求めてみよう。

高校生の時に出会いたかった一作。
時間をおいて再読したい。

池辺葵

いつか、この日々を忘れたとしても、魔法の言葉が私を生かし続ける。

「プリンセスメゾン」の著者が描く、地方都市に生きる女子高生達の切なくも可愛い青春群像劇。

太眉に悩む寝ぼすけな女子高生・がんちゃんは、幼馴染みの高遠(たかとお)君に密やかな恋をしている。
しかし、彼からほかの女子への恋心を仄めかされて……。

「素直になったら恥かくだけや
私は鋼鉄のバリアで自分の心を守るんや」

地味で平凡な女子達にとって、人生はかくも厳しきもの。
けれど時に、友人の言葉が生涯を照らす魔法に変わることもある。

苦味も優しさも抱き込んだ目映い青春を描く傑作連作集。

雑草たちよ 大志を抱け

「あのね 北村くん あなたは前世の仇で 好物と好意を混同しているだけなんだよ」

せ、切ねえーっ！
人の前世が見える前世アザラシの主人公と、そんな彼女を前世で喰らったシロクマの生まれ変わり、北村くんが織りなすギャグ系ラブコメ。

面白い設定にテンポの良さがあいまって、一瞬で読み終えてしまった。北村くんだけじゃなくて、前世シャチの新入社員やタヌキの先輩など、魅力的なキャラがたくさんいて楽しめたんだけど、これ未完かあ。ちょっと残念。

一つ気になったのは、北村くん以外の男性陣が主人公を好きになる描写が足りていなかったこと。けどファーストフード的ラブコメで手軽にキュンキュンできる話だと思えば、全然受け入れられる範囲内だと思う。

魚住ユキコ

さんかく。

原作:魚住ユキコ×作画:さんかく。による話題作！　人の“前世"が見える特殊能力を持つ海野まひるの前に現れたのは前世で彼女を食い殺した《天敵》だった――!?　一方、前世の天敵・北村律はなぜか同僚のまひるのことが食べちゃいたいくらい可愛く見えて……？　「今世こそはヒエラルキーのトップに立ちたい！」そんなまひると前世の天敵たちによる仁義なき食物連鎖系ラブコメ(たぶん)、開幕──。

今度は殺されたくないアザラシさん

奇病を発症した少女と、奇病の謎を解き明かしたい医者が、病に向き合い治療法を探すお話。

やっぱりペストマスクかっこいい。
しかもそれをつけてる先生のおちゃらけた(？)性格がマスクと対比的で、キャラとして魅力的だった。

1巻ではまだ病の原因が突き止められていないので、続きが気になる作品。

SueLue

ＳＮＳで大反響!「奇病に罹った少女と怪しい医者の話」が待望の単行本化!単行本でしか読めない描きおろし漫画「ある少女の診療録」も収録!もうここには居られない――。原因不明の病に苦しむ少女と、その病の謎を追い求める怪しい医者の物語。“奇病”を巡る、ダークミステリーファンタジー開幕!!父が遺した屋敷で義母と義姉と暮らす少女・アリアは、虐げられながらも唯一自分を愛してくれた父との思い出だけを縁（よすが）に生きていた。しかしある日、体調を崩したアリアは咳と共に謎の黒い液体を吐き出す。それは次第に瘴気となって、屋敷中の人間を瞬く間に昏睡状態に陥らせた。助けを求めて屋敷を飛び出したアリアは、奇妙なマスクを着けた男と出会い……。【担当編集より】若手新鋭作家・Sue Lue（スールー）さんの作品が、ついに、ついに、単行本化です!!義理の母と姉と暮らしてる少女がある日、突然、病を発症して怪しい医者と出会い、治療を通して…というところから物語は始まります。現代病として実際にあるんじゃないかと思わせるような奇病ファンタジー設定が盛り込まれています。作中で繰り広げられていくアレコレを通し、治療中だけではなく治療後に抱える不安や悩み、人との関わり等についても考えさせられたり、学ぶこともあったり……と、いろいろな場面で登場人物たちの心の機微がリアルに描かれています。アリアとドクターの関係性の変化にも注目していただきたいのですが、本作にはいくつかのテーマが盛り込まれています。未読な方のためにも現時点ではそのあたりの情報は控えますが、今だからこそ読んでもらいたい作品です。この奇病は一体なんなのか。奇病、迷信、ダークファンタジー、マスク（!?）等の設定だけではなく、ミステリー要素が好きな人にもハマること必至です!物語の構成、世界観の設定をはじめ、各話の引きを秀逸に仕上げる、著者のSue Lueさんの「アリアの診療録」、ぜひ皆様にお楽しみいただけましたら幸いです。（怪しい医者が時折みせる、おちゃめな言動にも注目です!笑）【目次】・第１話・第２話・第３話・第４話・描き下ろし「とある少女の診療録」

アリアの診療録１

死刑囚が天才博士(13才の少女)の手術により生き返り、誰からも必要とされない殺人犯からNY市民を救うヒーローへと生まれ変わる話。

タイトルにもなっている「電気棺」や「骸花嫁」のネーミングセンスがとにかく最高。特に骸花嫁のあの華奢な体つきに反した無骨な両腕のデザインが、インパクトがあってとても刺さった。

あとヴィクトリアのライバル、ヘンリーの過激思考と劇重感情が私好みすぎてとても良い(語彙力)

欲を言うなら、もっと電気棺に対する世間の反発の描写があったら、「生きかえって更生する」ことの難しさと、主人公と博士がそれを乗り越え、世間から認められた際の感動がより際立ってよかったかなと思う。というのも、「こんな簡単に和解しちゃうの！？」、「あんな敵対してたのに物分かり良すぎやろ..」などと、ところどころご都合主義が目立つシーンがあったのでそこが少し残念だった。

でも、全体的な物語の雰囲気は好き。コンパクトにまとめてあってとても読みやすかった。

田島生野

1920年代ニューヨーク。死刑囚デイビッド・ダグラスは刑執行当日、13歳の天才医学博士ヴィクトリア・フランケンシュタインと出会う。それが、死後の人生のはじまりだった――。SNSで大反響を博した『死刑囚が医学博士に拾われてヒーローに転身する話』・『死刑囚が医学博士に拾われて人生やり直す話』が加筆・修正を経てついにコミック化!! 単行本だけで読める描き下ろし読み切り14Pも収録。

ヴィクトリアの電気棺

久しぶりにマンガで泣きそうになった。

前世で結ばれなかって姫と騎士が、今世で無事再会を果たすものの、17歳の騎士に対し姫はまさかのアラフォー...もうこの設定だけでインパクト強くて刺さったし、内容も設定負けしてなくてとってもよかった。

年齢差で周囲の目を気にする姫の気持ちは、みてるこっちが苦しくなりそうだったし、間に入る前世の記憶の回想も、「ザ・身分差の恋」って感じの悲恋で、だからこそ2人が色々と乗り越えて最後に結ばれた時の感動もひとしおだった。

血濡れたハロルドの手をそっと包んで「頑張ったね」と言える姫、これは惚れない方がおかしいやろ...

それと感情を揺さぶられた時の瞳の表現がキラキラしてて本当に素敵。
これは間違いなく、友達に勧めたいラブコメマンガベスト10に入る傑作です✨

惚れた

∞谷鳩

昔々、身分違いの恋をしていた騎士とお姫様。来世で結ばれようと二人は固く誓う――。姫こと姫宮裕子（39）は、前世で運命を誓い合った騎士・ハロルドを探していたが、気づけば40歳も目前……。そろそろ潮時かも、と覚悟をした姫の前に現れたハロルドは、なんと男子高校生で――!? 男子高校生×アラフォーの年の差逆転ムズキュン転生ラブコメディ、第1巻！

来世を誓って転生したら大変なことになった

社内で地味な部署だと思われがちな、人事部にフォーカスをあてた作品。バリバリの営業から人事に異動になった主人公目線から学ぶ人事の思考が面白かった。

...ただ、まさかのGL表現が結構がっつりと、全巻通して入っていたので、GLを受け付けない人にはお勧めできない作品だと思う。

ピグマリオン効果やストックスピールなど、普段耳馴染みのない概念も知れて一つ賢くなれた。

ユニ

恋も仕事も全力で楽しんだもん勝ち――!!後輩の小森の影響で徐々に過去の自分と向き合うことができるようになってきた山野辺。しかしひょんなことから同期の九条に、山野辺の恋愛対象が同性であることがバレてしまう。気まずさを隠し切れない中、仕事でのトラブル、転職や昇進などの問題が山積みで――？痛快☆人事部コメディ堂々完結のフィナーレ!!

ヒトゴトですから！

題材と物語自体は王道で盛り上がるけど、表現や描写の好みが大きく分かれそうな作品。

例えば自分はBLが苦手なので、1巻の最初から「うっ！」っとなった。この絵柄でBL描写あるとか流石に予想できなかったから、どこかで注意書きしてほしかったのはたしか。

ただ、2巻からの盛り上げ具合がかなり良かったので、読むのをやめなくて良かったと思う。
本作を読んで王莽に興味が湧いたので、歴史好きは読んでみるといいかも。

しちみ楼

＜最弱バディ＞が、腐った王宮を立て直す！時は紀元前――前漢王朝の時代。「断袖」の故事でも知られ、「哀帝」ともいわれる、第１２代皇帝ーー劉欣（リュウキン）と、その部下董賢（トウケン）を新解釈で描く、古代中国宮廷絵巻。眉目秀麗なケンは官僚の下っぱとして王宮で働いていたが、あることをきっかけに皇帝キンの信頼を得るように。しかし身体が弱く、年若いキンは、思うように政（まつりごと）を動かすことができないでいた。野望と思惑が渦巻く王宮で、友愛で結ばれたキンとケンは手に手を取って国と民を救うべく奔走するが――…。『私の大切な皇帝（ひと）を、命に替えても守ってみせる…』史実よりも120%ピュアで愛しい＜最弱バディ＞「キンとケン」の物語が今、幕を開ける！【電子書籍限定特典】フルカラー描き下ろしマンガ『エンネン監督のドタバタNG集』収録！【目次】第一話第二話第三話第四話第五話第六話第七話第八話第九話第十話第十一話第十二話描き下ろし『エンネンの前漢勉強ノート』特別編電子限定特典『エンネン監督のドタバタNG集』

キンとケン

頑張る女の子のお話ってだけでもう好感高かったし、佐久間さんと多田くんのやりとりには何度もほんわかとさせられた。

けどメインキャラが魅力的だからこそ、物語の単調さがもどかしい...！1巻のコンペ参加以外で物語に波がなく、仕事での挑戦や主人公たちの恋路に伴うハラハラドキドキが全くない。読者は2人が両思いだってことをとっくにわかっているのに、当人たちは奇跡的な勘違いですれ違いを繰り返しるところもフィクション感をより強くさせていた。

絵は綺麗だしコンセプトは素敵なだけに、とても残念...

うめだ悠

アパレル会社に勤める佐久間梨央は自身でデザインした服が売れずに悩んでいた。そんな時、上司の水野から社外コンペに参加して実力をつけるように言われ、挑戦することに！タッグを組むのは営業の多田景斗。彼は強面で表情も少なく、梨央の苦手なタイプであった…。しかも打ち合わせ初日からダメ出しの嵐で、より苦手意識が高まる。落ち込みながらも、お店のリサーチに出かけると、そこには女装姿の多田がいて――！？凸凹コンビのお仕事＆ラブコメディ、スタート!

レディメイドヒロイン

ゴッホの弟、画商テオドルスを主人公に置いた一作。生前無名だったゴッホの絵を、100年先まで讃えられる名画だと世に知らしめたのは彼だった、というストーリー。

とても斬新な切口で吸い込まれるように呼んでいったし、兄弟の絆も、ただ仲がいいだけではなく、愛憎入り混じった上で信頼関係が築かれているのがリアルでよかった。

ただ時々ん？と違和感を覚える記述があったり(1880年代に絵画を短時間で大量印刷できる技術はあったのだろうか...とか)、キャラのテンションについていけないところが後半ところどころあったので⭐︎3です、ごめんなさい。

穂積

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ) [コミック] [May 10, 2013] 穂積

さよならソルシエ

元アイドルのゴーストライターに指名された作家が、彼女の復讐のフィナーレを飾るシナリオを書く話。...という紹介だと片面的すぎて顰蹙を買いそうだが、主人公のゴーストライターがただアイドルから聞いたことを書き連ねるのではく、新人賞作家だったという個性を活かして復讐のシナリオを練るところが特に印象深かった。

あと「春菊は苦手だけど鍋は好き」という例えも刺さった。実際に現実で口に出して言ったらキザだと思われそうだけど、例えが俊逸。そういう俊逸な場面がいくつもある作品だと思う。

最後手書きの「君はゴースト」で物語を締めくくるのもオシャレだった。

染谷みのる先生の作品をもっと読んでいきたい、そう思わせる良作だった。

名作

染谷みのる

消えたアイドル×ゴーストライターの再生譚

ゴーストライターとして暗躍中の
売れない小説家・佐倉洋介に、
消えたアイドル「真咲遥」の手記の代筆依頼が舞い込んだ。 
真咲本人の指名と聞き、「なぜ俺なんかに」と腰が引ける佐倉だが、
奔放な彼女に振り回されるうちに、ふたりの距離は縮まっていく。
しかし、取材が始まり、真咲の口から語られる「消えた理由」は
芸能界の闇そのものでーー!?

君はゴースト

タコ星人🐙 さんは『鉄楽レトラ』、 『機械の心』、 『魔法が使えなくても』、 『女の子がいる場所は』、 『ユア・マイ・サン』など、16作品を読んでいます。各作品の新刊情報、無料漫画、試し読み、レビュー（口コミ・感想・評価）、ネタバレも見ることができます。