▼第1話/団結式 ▼第2話/まぐろ漁 ▼第3話/転機 ▼第4話/それぞれの事情 ▼第5話/骨のないもの ▼第6話/鮫 ▼第7話/男の最低限 ▼第8話/油断 ▼第9話/男の意地 ▼第10話/手紙 ●登場人物/斎條(第58寿栄丸のコック長。ずぶの素人ながらマグロ漁船に乗り込み、今回が2回目の出漁)、浜口(漁師の息子。マグロ船員訓練校を卒業し、今回初めて船に乗る)、山口(第58寿栄丸の漁労長。漁におけるすべての判断と責任を負う)、村岡(第58寿栄丸の甲板長。豪快にして面倒見のよい、根っからの漁師) ●あらすじ/日本人の胃袋を満たすため、マグロを釣り続ける21人の船員たち。だが、いかに屈強な海の男でも、腹は減る。第58寿栄丸に乗り込んだ新人コック長・斎條が、漁師の空腹と、荒海にほんろうされる厨房を相手に包丁を振るう…! 世界の果ての海で命と友情をかける男たちを描いた、名匠・青柳裕介入魂の一作、ついに単行本化!!
▼第1話/みかえり桜▼第2話/下駄割り坂▼第3話/流れぼっち▼第4話/一代▼第5話/さくらさくら●主な登場人物/「みかえり桜」=ケイ(若いヤクザ者。組の幹部の身代わりとなって刑務所に入る)、早苗(ケイの同級生。ケイの子供を身ごもっている)「下駄割り坂」=清馬(上士の息子)、繁太郎(土佐郷士の息子)、佐市(土佐の農民の息子)●あらすじ/刑務所の看守をしていた男が定年を迎えた。自分なりに一生懸命職を全うした。思い残すことはない。しかし、ただひとつ、一度だけ服役者にウソをついたことだけが思い出される…。受刑者の車が刑務所に向かっている。何度も刑務所に入ったことのあるベテランが、その道すがらに、みかえり桜と呼ばれる秋に咲く桜があるのでカーテンを開けてくれと看守に頼む。見ると本当に1本だけ秋だというのに花をつけた桜があった。受刑者たちは驚きと歓喜の声を上げるが、若いヤクザのケイだけは「未練がましい」と見ようとしない。ケイは、組の幹部がやった殺しの身代わりとして刑務所に入るのだ。出所したら幹部にしてやるという言葉を信じて…(第1話)。▼坂本竜馬、武市半平太、中岡慎太郎らが活躍した幕末の土佐。そこには、歴史に名を残すこともなく命を散らした23名の勤皇浪士がいた。上士の清馬、郷士の繁太郎、農民の佐市は、小さな頃から大の仲良し。しかし、郷士が中心となって藩論を勤皇討幕にまとめてからは、事情が変わってきた。清馬の父は繁太郎と付き合うことを固く禁じ、繁太郎は子供ながら「これからは勤皇の時代じゃ!」と武市らに傾倒する。そんな折り、奉行所の武士を笑ったと繁太郎と佐市が因縁をつけられた。激しいリンチにあうふたり。清馬は助けようとするが、父親に止められる(第2話)。