僕たちがやりました

荒木光金城宗幸

3.66

22703

発刊:2015.09.04 〜

完結・全9巻

戦慄のドンココさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.66

661件の評価

4.1

そこそこの日々を過ごしていた高校生の日常が、ある日突然瓦解する系のサスペンス漫画。
といってもよくあるパニックホラー的なやつではなく、もっと現実的な恐怖から逃げながらそれをひた隠して日常に放り出された高校生たちを描いた作品です。

高校生男子が3人、それとダメな大人になってしまったOBの4人組が主役です。
彼らはそれといった特徴も無く、そこそこバカで、それなりに楽しい日々を過ごしていました。
ある日、彼らの内2人が近くの高校に通う不良に目をつけられ、1人が拉致られ暴行を受けたことを皮切りに、彼らはささやかな復讐を計画します。
ネットで得たニワカ知識で作った小さな爆弾を不良だらけの高校に仕掛けて遠隔から操作し、慌てふためく様子を見て笑うという"だけ"のつもりだったのですが、それが取り返しのつかないことになってしまい、という展開です。
ネットが蔓延した今、"爆弾 作り方"なんて検索したらいくらでも出てくる昨今で普通に起こりうる出来事が描かれており、テイストはギャグなのですが、妙にリアルで考えさせられるところもある内容でした。

主人公たちがいい感じでクズで、忘れようごまかそう逃げようと抗いながらも、それをやったという罪の呪縛からは逃れられず、日常に戻れない様が描かれています。
エライ事をしてしまったとしても隠せるものなら隠しておきたいと思うのは人情じゃないですか、その気持ちがよく分かる人は本作を楽しめると思います。
逆にミスを隠せない正直者には本作は合わないかもしれません。
私はごまかして逃げる系なので、本作はとても楽しめました。

全9巻とそれほど長くないです。
また、全編を通して1巻で起きた事件についてのみの物語となっています。
そのため間延びしているような感じは無くて、一気に読んでしまいました。
ただ、ラストは物語自体にケリがついていない感じがして、私的にはスッキリしなかったです。
ネタバレしたくないのでできるだけ内容には触れずに書きますが、自分たちのようなクズにはあまりにも残酷な終わり方のように感じました。
モヤモヤする終わり方ですが、それが本作のテーマなのかもと思います。
「もっと真面目に生きなさい」と、うーん、それはまぁそうなんでしょうけどね。

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