最強伝説 黒沢

福本伸行

3.58

4204

発刊:2003.06.30 〜

完結・全11巻

『最強伝説 黒沢(1)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(2)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(3)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(4)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(5)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(6)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(7)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(8)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(9)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(10)』巻の書影
『最強伝説 黒沢(11)』巻の書影
トムソンタキマさん、他2人が読んでいます

あらすじストーリー紹介

2002年6月。サッカーのW杯をテレビで観戦し、誰よりも大騒ぎしていた黒沢だが、その心の底で気づいていた。 他人が何をしようとも、自分自身の出来事による感動、喜びが、己の人生に欠けていることを…。 ただ黙々と働き、家庭もなく、友人もなく、目標もなく、ただ漫然と生きてきただけだと猛省する黒沢であったが…!?

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この漫画のレビュー

一覧
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.58

152件の評価

4.5

11巻まで読みました

冴えない中年男を主役にした作品です。
福本作品ですが、非日常な状況で行われるギャンブルがテーマではなく、悲しいくらいに現実的なおっさん的行動、思考が描かれています。

主役である黒沢は、穴平建設に務める土木作業員です。
44歳の誕生日を迎えるが誰にも気づいてもらえず、満ち足りていない日々に苦悶を懐き、人望や人気を手にするために一念発起する展開となります。
後輩の赤松を一方的にライバル視して空回り、更には誤解されて逆に鼻つまみにあう様は、現在若者の輪に入れず浮いてしまう職場のおじさんたちも同じものを感じると思います。
人望を得るために策を講じて失敗する、変わり者扱いされる、ある意味、悲しき中年独身男の宿命とも言える日々です。
普通であればそれで終わるのですが、あまりにも考えなしというか、酔っていて前後不覚となっていたということもあって、まあとある出来事を境に仲間の羨望を集めることとなります。
以降は、その名が独り歩きする形で戦いに巻き込まれてゆくストーリーです。

黒沢は基本的には気弱で、スポーツとかも一切やらない中年腹のオヤジですが、身長180cmを超えガタイは良いです。
その体格を利用した、テクニックによって敵を蹴散らすようなケンカは描かれず、戦闘スタイルは小細工に頼っています。
その方法は本気で容赦がないです。
例えば、作中黒沢は、レスラー3人と戦うことになりますが、その時は取り出した人糞を投げつけて勝利します。
人としてどうか、とか、それは勝利と言えるのか、とか、そういうことはともかく、とりあえずその場を収集つける手段が『うんこ投げ』になったわけです。
確かに、どんな怖いお兄さんが相手でも、うんこ投げられたら逃げるしか無く、本当に窮地に立たされたら、それくらい必死に行動して切り開けというメッセージが伝わってきます。
これは極端な例ではなく、本作中のバトルは基本的にこんな感じで、追い詰められた中年男性が、本気で状況を打開するために行動する内容が描かれています。
決してかっこよくなく、女性にも間違いなく逃げられますが、"生き抜くためにやる"その立ち姿や、熱い言葉は、諦めかけた読者の心を鼓舞させるものがあると感じました。

と書くと、熱い作品のようですが、基本的には、中年男の哀愁漂うギャグマンガです。
黒沢はケンカの強い中学生「仲根」に慕われますが、巨乳のお姉さんにモテモテの仲根よりハワイから電話があり、「向こうはFカップGカップ・・・オレにあるのはスーパーカップ・・・!」というセリフは、本作を象徴する名言ですね。
テンポも良く面白いですが、ラストはもやもやを残してぷっつり終わります。
続きは約6年8ヶ月越しの続編で描かれるので、引き続き続編も読みたいと思います。

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