この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.79

362件の評価

5.0

3巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

【見える子ちゃん】

何が怖いってまず自分だけが見えてしまうこと。
自分の頭がおかしいんじゃないかって思うよね?
世界から自分だけが爪弾きにされた気持ちにもなるかもしれないし、そもそも生理的に無理。
造形から有り様から本当に怖いのよ。

加えて余りにも見えすぎてしまうが故に時に化物と人の判別が難しいこともあり、更には見えないフリをするがために化物や憑いているモノの性質が全く分からないこと。
見えているのに分からない。
それが本当に恐ろしい。

これは見えるヒロインみこが化物と向き合い対峙しあまつさえ成仏させてしまうような物語ではなく、あくまで見えるだけの普通の女子高生が恐怖におののきながらもひたすらに化物の存在をシカトしやり過ごすだけの物語。

だったのよ。
少なくとも2巻までは。

何が面白いって例えば化物をいかにシカトしてやり過ごすかとか女子高生が考えられる範囲でお払い的なことを試みるとか、勿論その辺はこの作品の肝でもあるので有り体に言ってもすっごく面白いんだけど、三者三様の見える子見えない子が揃ってからが本番というか、本当に加速度的に面白さを増していくのよ。

見える子見えない子の対比、そのおかしみだったり悲喜劇だったり、そこに中途半端に見える子が加わることによる誤解やすれ違い、危険性の増幅だったり、友情だったり。

善が臨時教諭として赴任して来た辺りを潮目に物語に大きなうねりというか潮流のようなものが生まれ、ただ見えるだけであったみこに化物と向き合う意志、覚悟のようなものが芽生え始める。

ここまででも背筋がゾクゾクするほど面白かったのに、ここから更に面白くなっていく予感がプンプン漂ってきちょりますよ。
示唆深い話やホロリとさせられる話もあったり、本当に懐の深い作品です。
今が読み頃。
ぜひ一読あれ!






名作

5.0

3巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

人は素の表情が一番可愛い。人の素が1番出るのは恐怖に直面した時。よって、その人の可愛さが一番輝くのは怖がってる表情。という私の脳内定理を見事に証明してくれた作品です。みこ、ユリア、ハナそれぞれ見た目も立場も違う3人が全く異なる怖がり方をしてくれてとても可愛い。そもそもこの3人は化物が見える度合いが「全く見えない」「少し見える」「良く見える」とそれぞれ異なるのですがそんな彼女等が離れたり寄り添ったりして生きていく姿はとても尊いです。人は同じものが見えていても分かり合えない生物だというのに。化物の殺伐とした風貌がこの子達の可愛さをより引き立てていると思います。可愛さと殺伐、この振れ幅の大きさは大変な魅力です。
また「恐怖」を上手に描く人はその全く逆の「感動」も上手に描ける人が多いという実感があり(スティーブンキングとか貴志祐介とか)これも振れ幅の1つだと思うのですが3巻の善先生のエピソードでは予想外の展開も相まって泣いてしまいました。3巻帯の「化物フルシカトコメディ」という表現にあるようにこの作品は純粋なホラーを志向したものではなく笑いや(恐怖以外の)泣きの要素も多分に含まれているのでホラーを求める人以外にもオススメです。見た目でホラー漫画と敬遠してる人にも読んで欲しい。

泣ける

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