清水 勲(しみず いさお、1939年4月29日 - )は、日本の漫画・風刺画研究家。東京市(現大田区)生まれ、千葉県習志野市在住。日本マンガ学会、日本笑い学会、日本ペンクラブ各会員。妻は工芸作家の清水己明。 立教大学理学部数学科卒業。1963年三省堂に入社して編集者となる。1968年~1983年、日本リーダーズ・ダイジェスト社で勤務。1984年より研究・著作に専念。 日本漫画資料館館長、川崎市市民ミュージアム専門研究員、日本仏学史学会会長、岡本太郎美術館収集委員、昭和館運営委員。また、文京女子短期大学講師、帝京平成大学教授を経て、学習院女子大学非常勤講師を務める。2006年の、京都国際マンガミュージアムの設立に関わり、同ミュージアム顧問。
一九七〇年代から現在に至るまで、巨大な潮流をつくってきた少女漫画の歴史を、<純粋少女>をキーワードに読み解く。とくに“二十四年組”を中心に花開いた<少女漫画>の魅力とその高度な達成について――大島弓子の『バナナブレッドのプディング』、萩尾望都の『トーマの心臓』、そして岡崎京子の『ヘルタースケルター』を主な手がかりに――戦後文化論として読み解く。少女漫画のヒロインたちが抱える繊細な“怯え”は、大人の論理が強要する安易な成熟の拒否であり、無意識の抵抗だったのではないか。今日に至るまで連綿と受け継がれてきた“震え”や“怯え”の伝達装置としての<純粋少女>たちに、高度消費社会の諸矛盾を、戦後民主主義の限界を乗りこえる可能性をみる。「少女漫画の名作一覧」も収録。