誰かの勇気が私に、私の勇気が誰かに繋がっている。片思いの会社の先輩が姉と付き合い始め、諦めようとしてきた楡原。だが2人の結婚が決まり、式に出るため気持ちを殺し空港へ向かうが…。意中の彼と恋のライバルの3人で出張中の鈴懸。遠距離恋愛中の栃木。卒業旅行中の菩提。見知らぬ4人が空港を行き交う一瞬に影響を与え合い、前に進んでゆく連作オムニバス!!001便:楡原の場合 苦い恋002便:鈴懸の場合 恋の三角関係003便:栃木の場合 遠距離恋愛004便:菩提の場合 卒業旅行今日の恋のダイヤは全便、乱れながらも運行中。(このコミックスにはAneLaLa Vol.1~4に掲載されたstory01~04を収録しています。)
じゃりン子チエのはるき悦巳が、じゃりン子チエと同時期くらいに連載していた作品。一巻で完結しています。 じゃりン子チエは中盤頃からテツが弱体化したり、内容に盛り上がりが欠けてくるのですが、本作は序盤のじゃりン子チエの画風のまま書ききっているため、中だるみがなく一気に読めます。 具合的な地名の示唆はないですが、じゃりン子チエ同様、大阪の下町を舞台にした人情モノです。 時代的にもじゃりン子チエ序盤あたり、インターネット普及より全然前、コンビニやスーパーマーケットができはじめる前のあたりの話です。チエが西成が舞台で、作中にテツがカメオ出演するので、本作の舞台も西成近辺と考えられます。 主人公の悪童4人組は高校を中退し、毎日グータラ過ごしている。 近所の豆腐屋にはミッちゃんという4人のアイドルがいて、彼女も店を継ぐために高校を中退し、毎日店を手伝っている。 そんな中、ヤクザと付き合いがあるという噂の迫丸がミッちゃんと付き合っているという話を聞き、4人は迫丸がミッちゃんを脅して無理やり自分のものにしようとしているのではと考える。 実際にはそんなことはなく、ミッちゃんは迫丸と一緒になり、溜まり場にしていた映画館も潰れ、近所にスーパーができるという話からいつまでもこのままというわけにもいかないことに危機感を覚え、彼らの青春は幕を閉じるという話。 大変切ない話です。 じゃりン子チエも名作ですが、後半はだれてくるので、はるき悦巳では本作のほうがおすすめです。
by うにたべたい (528)