「ジャパニメーション」という呼称も近年すっかり定着した感のある日本のアニメーション(以下、アニメ)が、学術研究の対象として充分な複雑さと厚みを持つと認められはじめたのは、大友克洋の『AKIRA』アニメ版が公開された1988年前後からだろう。日本文学を研究してきた著者がアニメに関心を持ったのも、まさにこの作品からだったという。 <p> その『AKIRA』に始まり、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『もののけ姫』など、アニメを語る際必ず取り沙汰される作品群から、『らんま1/2』、『ああっ女神さまっ』といった、ヒット作ではあるがその手の文脈では滅多に語られないタイプのもの、さらにはポルノ色の強い作品まで網羅して、著者はアニメの作品世界を、その後ろに見え隠れする心理を、さらにはそれを生んだ戦後日本の姿を論じていく。「終末(アポカリプス)モード」「祝祭(フェスティバル)モード」「挽歌(エレジー)モード」の3種類の表現モードという観点を使ったこの考察はユニークで、まずは当を得ている。 <p> おそらくは著者よりもはるかに多くの量のアニメを浴びるように見てきた世代の日本の読者にとっては、物足りなく感じる部分もある。著者はアニメがストーリー的に成熟していることに幾度となく触れてはいるが、それでもビジュアル的なインパクトが強い作品をより重視する傾向にあるようだ。たとえそうでなくてもアニメを語るうえでは必要不可欠と思われるいくつかの作品(たとえば『機動戦士ガンダム』)に対する言及が欠如していることは、疑問を感じざるを得ないことの1つだろう。 <p> しかし、ひとたび著者が語ることを決めた作品はきめ細やかに再現され、解釈を加えられる。各々の作品の細部にまで踏み込みながら展開される文章には熱意があり、各々の作品に関するサブテキストとしても有用だ。 <p> 欧米のアニメファンへのアンケート調査をまとめた附論も興味深い。「アニメが、外側からはどう見られ、読み解かれているのか」がわかるという意味で、充分に価値のある著作だ。(安川正吾)
第20弾・劇場版名探偵コナンのアニメコミック! ※本作は劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』のアニメコミックス上下巻を2冊にまとめた新装版です。暴かれたダブルフェイス! 宿命が導く、頂上決戦(バトルロイヤル)ミステリー!! ある夜、警視庁内に忍び込んだ女が機密データを閲覧し、逃走した。その後、公安の安室が追跡する女の車は、カーチェイスの末、FBIの赤井のライフル弾にタイヤを撃ち抜かれ、橋から落下して爆発。翌朝、巨大観覧車のある東都水族館で、ケガをした謎の女性と出会ったコナン達。その時、灰原が彼女のある異変に気づく。やがてコナンが、左右の瞳の色が異なる“オッドアイ”を持つその女性の正体を突き止める。しかし、彼女の記憶が黒ずくめの組織の秘密を暴く鍵となるために、組織からは命を、FBI、CIA、公安からは身柄を狙われる。赤井や安室と行動を共にするコナンに迫りくる、黒ずくめの組織のジン。饗宴の舞台は、秘密を宿した巨大観覧車。純黒に染まる記憶が解き放たれる時、聖域の扉の先にあるのは、真実か偽りか!? 宿命の頂上決戦(バトルロイヤル)への扉が今、開く!!
劇場版『えいがのおそ松さん』待望のアニメコミック化!映画館のあの感動が、笑いが、ふたたび!高校の同窓会にやって来た松野家の6つ子たち。立派な社会人になった同級生と再会した彼らは、自分たちの冴えない現実に打ちのめされ、やけ酒をあおって眠ってしまう。ふと目覚めると、あれ?ここは...?知ってるけどなんだかオカシイ!なんとそこは、高校時代の6つ子たちの世界だった!?タイムリープした6つ子たちは高校生のじぶんに何を思うのか...。おそ松たちの甘酸っぱくてほろ苦い青春時代が蘇る!名作映画の完全コミック化!*映画本編に加えて、巻末には『設定資料集』も掲載。あの名シーンの原画や、藤田陽一監督による作画解説なども収録予定。まるっと『えいがのおそ松さん』ワールドを楽しめる一冊。*カバー&表紙は、本書のための豪華描き下ろしイラストを使用!オビの推薦文は長兄・おそ松役の声優「櫻井孝宏」さんです!!