成功と挫折と愛と友情のストーリーを作者様独特の世界観で描かれていますね。 実力はあるのに自由奔放さが仇になって仲間から見放されつつあるニックと、そんな彼から迷惑ばかりかけられる事を疎ましく思いつつもどうしてもほってはおけずいつも彼の面倒を見る事になってしまう同じバンド仲間のビリー。 そんなビリーに想いを寄せつつ、だからと言って友達以上にはなれないもどかしさから排他的な道をたどるニックですが、同姓同士の友情と恋愛の境目、そのぎりぎりのラインを超えるか超えないかのきわどい駆け引きともいえるそのバランスが良い。 最初は海外もののお話だと言うこともあってか少々とっつきにくい作品だなと思ったりもしていたのですが、何度か読み返しているうちに作者様の描く独特な世界観に引き込まれる自分を自覚しました。 音楽と友情と…どちらも大事なものだけれど、そのどちらかを選ばなければならないとき、どちらを選択するかで進む道は全く違ったものになる気がします。友情か仕事か…果たしてビリーはどちらを選ぶのでしょうか?濃厚な絡みは無いけれども小道具の使い方が上手いからなのか、なんか無性にエロいろっぽい。(This item is excerpted from http://www.chil-chil.net/top/. )
▼第1話/闇と光▼第2話/再会▼第3話/確信▼第4話/軋轢▼第5話/沈静▼第6話/指図▼第7話/遺恨▼第8話/惨事▼第9話/啖呵●登場人物/立脇仁(竜山組の構成員。幼い頃生き別れになった弟・仁を心のどこかで探している)、市乃瀬正(東大大学院を卒業後、西新銀行に入行したエリート。額に大きな傷がある)、弓香(仁の恋人。仁と交際していることは秘密にしている)、竜山(仁が世話になっている暴力団の組長)●あらすじ/3年の刑期を終え、横浜の街に戻って来た竜山組の構成員・立脇仁。暴力団にも恐れられる仁だが、しばらくは静かに暮らそうと考えていた。ある日の昼下がり、仁は西新銀行に勤める一乃瀬正という男と出会う。仁には幼いころ生き別れになった正という名の弟がいたのだが、この一乃瀬の額に、弟・正と同じ傷があったのだ!!運命の糸に手繰り寄せられるようにふたつの魂が出会う……。▼この巻の特徴/行きつけの喫茶店で偶然、正と再会した仁は、ある事件から彼が自分の弟であることを確信する。ところが仁は、竜山の命令により正の勤める西新銀行を恐喝することに。敵対する立場に置かれた仁と正は……。