セトウツミ

此元和津也

4.06

16452

発刊:2013.12.06 〜

完結・全8巻

『セトウツミ(1)』巻の書影
『セトウツミ(2)』巻の書影
『セトウツミ(3)』巻の書影
『セトウツミ(4)』巻の書影
『セトウツミ(5)』巻の書影
『セトウツミ(6)』巻の書影
『セトウツミ(7)』巻の書影
『セトウツミ(8)』巻の書影
Treeさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
4.06

391件の評価

4.4

8巻まで読みました

高校生の瀬戸と内海が、放課後に川原でダベるだけの漫画です。

基本的には、大阪弁で繰り出される二人の漫才のような会話をひたすら楽しむ作品になっており、舞台は毎回いつもの川原で、学校や自宅の風景は二人の回想などでしか登場しません。
内容も日常の枠を超えないものになっていて、リアルな高校生男子の会話、というと語弊が生まれますが、学校であった由無事を会話する内容となっています。

それが面白いかというと、これが結構面白かったです。
どこが面白いか説明し辛いのですが、二人の共通の趣味などのテーマがあるわけではなく、ほんとどーでもいーことを話してます。その会話が、先にも書いた漫才の掛け合いのようになっていて、読者側を笑わせに来ます。
多分重要なのは、「掛け合いになっている」わけではなく、「掛け合いのようになっている」点で、読者を意識して大げさに突っ込んだり、ボケが非現実的な行動を起こしたりしません、あくまで2人は学校帰りに川原で会話をしているだけであり、ボケツッコミも2人が関西人なので自然的に発生しているだけ、漫画だからといって漫画的な行動は取らないところだと思います。
書いていてますます面白ポイントがわからなくなってきました。

個性的なサブキャラが多数いるのも魅力で、瀬戸の片思いの相手や、同級生の田中くん、川辺によくいるパフォーマー、野良猫のニダイメなどなど、やはり日常の枠を出ない範囲で、登場します。
そんな瀬戸と内海と、彼らを取り巻く人々が、やっぱり川原でダベるだけの漫画です。

ただ、最終の8巻だけはそれまでと異なり、8巻を読むと、一話完結型の日常系漫画だと思っていたら実は進展があったことに気づきます。
それまでのダベるだけの話の中に確かに伏線が潜んでいて、そして、最終回に向けてまさかの伏線回収が始まります。8巻を読んでから1巻から読み返すと、そういえば、実はこんなことを言っていたな、と全然別の感想を持つと思います。

ただダベるだけの漫画でも十分良作なのに、最終回への展開により名作に化けた作品だと思います。
面白さをどうにも伝えるのが難しいのですが、とても良かったです。

この漫画を読んだ人におすすめ

Loading ...
Loading ...