初恋ゾンビ

峰浪りょう

3.94

11254

発刊:2016.03.18 〜

完結・全17巻

『初恋ゾンビ(1)』巻の書影
『初恋ゾンビ(2)』巻の書影
『初恋ゾンビ(3)』巻の書影
『初恋ゾンビ(4)』巻の書影
『初恋ゾンビ(5)』巻の書影
『初恋ゾンビ(6)』巻の書影
『初恋ゾンビ(7)』巻の書影
『初恋ゾンビ(8)』巻の書影
『初恋ゾンビ(9)』巻の書影
『初恋ゾンビ(10)』巻の書影
『初恋ゾンビ(11)』巻の書影
『初恋ゾンビ(12)』巻の書影
『初恋ゾンビ(13)』巻の書影
『初恋ゾンビ(14)』巻の書影
『初恋ゾンビ(15)』巻の書影
『初恋ゾンビ(16)』巻の書影
『初恋ゾンビ(17)』巻の書影
ゆきさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.94

132件の評価

4.5

17巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

峰浪りょう先生は、文学的で抒情的な重苦しい恋愛作品を描く作家さんだと思っていたので、『初恋ゾンビ』の連載開始当初は、非常に衝撃を受けた記憶があります。ネットでも「同じ作家だとは思わなかった」「少年誌向けに作風を変えたのか」等の読者の呟きを数多く見かけました。
 ただ「ちょっとエッチなラブコメ」だったのは前半までで、後半からは徐々にシリアスな展開が増えていき、「やはり峰浪先生の漫画だなあ」と妙に納得してしまいましたね。「初恋ゾンビ」という想像上の産物に捉われ、現実の女性を遠ざけようとするタロウの行動に若干のイラつきを覚えながらも夢中で読んでいました。リリスへの告白シーンは特に印象的で、ここで「ああ、この作品は恋愛物語ではなく、全17巻を通して恋が出来るようになるまでの下地を整える成長物語だったんだ」ということがわかり、最後の最後で一気に引き込まれました。
 ラストシーンの手を繋いで歩いていく2人を見守るイヴの姿には感極まりましたね。本当に最後まで楽しく読まさせて頂きました。でも個人的には江火野さん推しだったので、彼女が報われるところも見たかったなあ~。

そうきたか!

5.0

17巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

序盤は様々な初恋を手助けし、初恋ゾンビの謎を追うことが話の主軸。
どのカップルも魅力的ですが、特に好きなのは3巻に登場する津奈木×薬院ペア。
何と言ってもあの泣きながらのキスシーンが最高です。
峰浪先生は泣き顔が特にうまいと思います。

途中からは、タロウが3人のヒロインに対して真剣に向き合うようになり、話も4人が中心になっていきます。
そしてそれと同時に物語は深みを増し、各キャラクターへの感情移入も強くなり、そして辛い場面も増えてきます(だからこそおもしろい)。
ヒメゴトを読んだ方ならわかるかと思いますが、峰浪先生はシリアスを描くのがめちゃくちゃ上手いので、心がゴリゴリ削られます。

この漫画が辛い展開になるであろうことを気づかされたのは、54話の無人島で指宿くんが女であることを打ち明けようとして思い留まるシーン。
ここで”指宿くんの恋が成就する=イヴが消滅する”ことに、指宿くんが気がついてしまいます。
直前の指宿くんが最高に乙女だっただけに、余計辛かったです。
この構造が4人の関係を難しくし、物語が複雑になり、そしておもしろくしていきます。

タロウも同様に、98話のピクニック編ラストで”指宿くんが女であって欲しい=恋愛対象にしたい=イヴの消滅を願う”という構造に気が付いていることを独白します。
この話をサンデーで読んだとき、ほんと辛かった。
もうこれはイヴエンド(ビターエンド)なんじゃないかなと本気で考えていました。

そして、127話でイヴの願いがタロウと同じであることも判明。
この話も泣きました。最後の指宿くんの言葉が重い。

そしてこの後の128話が更にきつかった。
「全部忘れて、本当の姿で幸せにならなきゃダメだ。」
タロウのこの言葉が本当に辛かった。
タロウが指宿くんが女であることをわかっていること、その上でこの発言になったこと、そしてその背景を考えると・・・。

このあたりから、イブエンドがバッドエンドであるような雰囲気が出てき始め、この前あたりから江火野さんの猛攻も始まっていたので、これは江火野さんエンドかもしれないと思っていました。

極めつけは142話の「指宿くんは、イブに似てるから。」というタロウの発言。
ショックでした。それは絶対に言ってはいけない。
137話でタロウが自分に言い聞かせるように同じ独白をしていたので本心ではないにしろ、口に出して本人に言ってしまった以上、もうここで完全に指宿くんルートは終わったと思いました。
次の143話でボッコボコにされたことから、まだ光明はあるかなとは思いましたが、もう手遅れなんじゃないかなとも思っていました。

しかしこの漫画の凄いところは、この重苦しい展開から、指宿くんとのキス→二人でお泊り→例のキスチャレンジになるところ。
怒涛の展開です。本当におもしろい。

キスやらなんやらあって有耶無耶になった感がありましたが、あんなこと言われてもまだタロウが好きな指宿くんの愛は凄いし、健気だし、何とか報われて欲しいという気持ちが尚更強くなりました。

しかし、それでもまだ報われることのない指宿くん。
タロウと指宿くんの関係は更に拗れていきます。
157話での指宿くんとイヴの恋心の心中もかなり辛かった。

最終巻の最初となる158話からはもう大イベントの連発といった感じで、感情が強く揺さぶられ続けます。
162話は(個人的な)江火野さん最大の見せ場があり、江火野さんの表情・言葉に涙が出ました。
そしてこの後の164話の玄関での別れのシーンも泣けます。
ドアが閉まってからの間、そしてそこからの疾走感が凄く良い。

166話では前話ラストのセリフ通り、タロウが指宿くんを口説きます。
ドレスがトリガーとなり、タロウの想いが洪水のようにあふれ出し、指宿くんの心が融け始め、そして・・・
「キミに恋がしたくてたまらなかった。」
この物語だからこそ、タロウの置かれた立場だったからこそ重みがあり、本心からの着飾らない言葉で、最高の告白でした。
これまで見てきたどんなメディアのどんな告白よりも印象に残る告白でした。

そしてこのセリフとリンクする「どこにでもある小さな恋の始まり」という最終話のタイトルが好きです。
最終話で一番好きなシーンはリリスが無言でタロウを背中から抱きしめるシーン。
泣いているタロウだけでなく、イヴも一緒に包み込んでいるようで…
この文章書いてるだけでも涙が出てます。

こんなにも美しい最終回はなかなかないと思います。
最高の最終回でした。

初恋ゾンビは物語もキャラも構成も絵柄も何もかも、本当に大好きな作品です。
この作品に出会えてよかった。

名作

5.0

17巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

何度読んでも涙が溢れる感動の最終巻。
3巻試し読みがきっかけではまりました。隠そうとしていても、時々現れてしまう乙女な指宿くんが可愛すぎて、なんかもうツボだーとなって一気にまとめ買いしてました。指宿くんファンクラブがあるなら入会したいです。

幼馴染だからこそ言えない想い、勘違いから眠ってしまった恋など、恋に悩む友人達の悩みを3人で解決していく物語ー。素直な気持ちを伝えて、恋が成就する描写がきれいで、キュンとします。切なくて苦しい気持ちが強く伝わってくるから、ゾンビ達が輝きながら消えていく姿をみると、本当に良かったなぁ…と嬉しい気持ちになりました。

物語が進むにつれ、話はどんどんシリアスになり、指宿くんに辛い展開が続き読むのがきつかったです。イヴ、そしてなによりタロウのために自分の気持ちを押し込め2人の為に動き、影で泣く指宿くん。そんな指宿くんに酷い言葉を言い何度も傷つけてしまうタロウ。この時のタロウには、憤りを感じてしまいました…このまま変わらないままだったらと思いましたが、最終巻でのあの展開! !本当に良かった。

最後に明かされる真実、イヴのこと。全く気づけなかったのでちょっと悔しい。
辛いシーンも多いですが、誰かを好きになるっていいなと思える作品でした。自分にとってとても大切な作品になりました。一番見たかった指宿くんの表情がみれて満足。おまけページ、カバー裏で幸せな気持ちになりましたが辛かった分2人の幸せな姿をもっと読みたかったです!
タロウの髪型が徐々に変わっていくのに注目して読むと楽しいと思います!

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