聲の形

大今良時

3.88

38377

発刊:2013.11.15 〜

完結・全7巻

『聲の形(1)』巻の書影
『聲の形(2)』巻の書影
『聲の形(3)』巻の書影
『聲の形(4)』巻の書影
『聲の形(5)』巻の書影
『聲の形(6)』巻の書影
『聲の形(7)』巻の書影
こーのしんさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.88

1117件の評価

4.5

7巻まで読みました

聴覚障害とイジメをテーマにした作品。
テーマがセンシティブなため一時期、掲載が見送られるも、全日本ろうあ連盟の後押しなどがありそのまま掲載されたという経緯があります。
掲載後話題となり、数々の賞を受賞、2016年には京アニで劇場版アニメ化し、道徳の教材化するなど、一般に広く知られている作品だと思います。

ある小学校に転校してきた、聴覚に先天性の障害を持つ少女「西宮硝子」。
彼女を、クラスのガキ大将的存在である「石田将也」は、無自覚に虐めてしまう。
高価な補聴器を多数紛失することで親経緯で学校に連絡が行き、将也はいじめの主犯として吊し上げられる。
硝子は転校し、将也は、クラスの新たないじめの標的となる。
時が流れて中学生になるも立場は変わらず、将也はクラスから孤立する。
報われない日々に自殺を考えるが、身辺整理として将也は硝子に会いに行くことを考える。

いじめがテーマですが、具体的ないじめの描写があるのは1巻までです。
将也はクラスで孤立していますが、今いじめられている現実に立ち向かう話ではなく、"過去にいじめをしてしまった少年"の物語となります。
前に進むため過去が足枷になっており、それは振り払うことが出来ない、悔いるしかない、取り返しのつかない行為に対し"たられば"を繰り返す後ろ向きな展開となっています。
最後も、できることはやっているものの、最後まで2人の心には無視できない傷跡が残り続けていくのだろうなと感じさせる終わり方でした。
ただ、暗いだけの作品かというとそういうことは全くなく、女の子キャラも多くて可愛く、読みやすいです。
読んで意外だったのは、いじめ系のマンガって、読者を胸糞悪くさせたもの勝ちみたいなところがあるのですが、本作においてはそういう感じはなかったです。
登場人物の"自分は悪くない"的な態度にムッとくるシーンは多々ありますが、いじめ自体の陰惨さを見せるものでは無いと思います。
この辺は、実際のいじめの経験者が読むと感想が変わるかもしれないですが。

思いのほかとあっさりして読みやすく、カタストロフィを求める内容でもないので、いじめがテーマということで嫌厭する方にもおすすめします。

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