男の名は、ルドルフ・ターキー。手にしているのは金と権力。態度は傲慢で不遜。命を狙われる理由は――星の数ほど。 「知ってる? ルドルフに銃を向けて無事だった人は、いないのよ」。 1950年代、アメリカ。大都市ゴンドランドを取り仕切っているルドルフ・ターキーは、次期市長となる男。 カネと女と権力を愛し、正義も悪も自分次第。そんな彼には常に無数の敵がいた――。 欲望全開に生きるルドルフ様の、危うくも華麗なる日々!
1950年代アメリカ、金だけが全ての娯楽都市。 現市長の息子、ルドルフ・ターキーは財力と権力を使って、娯楽都市ゴンド・ランドで好き勝手過ごしていました。 そんなルドルフには2人秘書がいます。日本人のモモコと、元孤児のエグマリヌ。自由奔走で敵だらけのルドルフを補佐する2人は、気苦労が絶えません。 ルドルフはこう書くとただの悪いヤツなんですが、街に蔓延るマフィアやゴロツキといった悪を自らの悪でもってぶち壊す。そこが爽快でカッコいいです。 手段はとんでもなくてぶっきらぼうなんですけど、なんやかんやで部下思いで街が好き。 そんなルドルフの周りには、不思議と人が集まります。 ドタバタコメディ、ヒューマン、恋愛、アクション、サスペンス。いい成分がごちゃまぜな作品です。 キャラ一人一人が愛おしくて、等しくスポットライトが当たっている。シリアス要素が核としてありますが、ヒューマン・コメディ部分の割合の方が大きくて、読み終えると良い映画を見終えたような気持ちになります。 最近はあんまり見ない、良い作品です。
by せーふぁ (1046)「百年戦争」真っ只中の1420年。フランス国内のブルゴーニュ派は、イングランドと同盟を締結。フランスは、オルレアンが陥落すれば国家滅亡というところまで追い込まれていた。そんな状況下で、イングランド兵相手に孤軍奮闘していたのは、正規軍ではなく金で雇われた「傭兵」たち。彼らは、戦乱に乗じて自国民にも非道の限りを尽くす、ならず者集団だった――。主人公は、ヨーロッパ最凶最悪の傭兵ラ・イールの娘として生まれ、誰よりも暴力を嫌いながら、暴力と共に生きることを宿命づけられた少女ルーヴ。自らの運命を呪う彼女が、神の使いを自称する乙女に出逢った時、彼女の、そしてフランスの運命が変わり始める! ヨーロッパ最悪の時代を駆け抜けた、運命を呪う少女と奇蹟を信じる乙女の物語――。『ヒガンバナの女王』の岡児志太郎が魂を込めて描く、本当は怖くてエモい、ジャンヌ・ダルク異聞録!