「百年戦争」真っ只中の1420年。フランス国内のブルゴーニュ派は、イングランドと同盟を締結。フランスは、オルレアンが陥落すれば国家滅亡というところまで追い込まれていた。そんな状況下で、イングランド兵相手に孤軍奮闘していたのは、正規軍ではなく金で雇われた「傭兵」たち。彼らは、戦乱に乗じて自国民にも非道の限りを尽くす、ならず者集団だった――。主人公は、ヨーロッパ最凶最悪の傭兵ラ・イールの娘として生まれ、誰よりも暴力を嫌いながら、暴力と共に生きることを宿命づけられた少女ルーヴ。自らの運命を呪う彼女が、神の使いを自称する乙女に出逢った時、彼女の、そしてフランスの運命が変わり始める!
ヨーロッパ最悪の時代を駆け抜けた、運命を呪う少女と奇蹟を信じる乙女の物語――。『ヒガンバナの女王』の岡児志太郎が魂を込めて描く、本当は怖くてエモい、ジャンヌ・ダルク異聞録!