1989年の連載開始と同時に、圧倒的な反響を集めた本格格闘漫画。異種格闘技戦をいち早く作品の題材に取り入れ、そのリアリティ溢れる描写で多くのファンを集めた。単行本の累計部数は2000万部を突破。『修羅の門 第弐門』は続編。 主人公・陸奥九十九は伝説の武術、陸奥圓明流を継ぐ者。「地上最強」という途方もない夢を追い、様々な「強さ」を誇る男達と闘う・・・・実戦空手・海堂晃、プロレス・飛田高明、ボクシング・アリオス・キルレイン、グラシエーロ柔術・レオン・グラシエーロ。九十九の戦いに終わりはあるのか!? 「千年不敗」恐るべき伝説を持つ武術、陸奥圓明流。その技を継ぐ少年、陸奥九十九が実戦空手の雄・神武館に現れた。彼の目的は「神武館をぶったおす」事・・・・今、新たなる伝説の幕が開く!
1983年から週刊少年ジャンプ連載していた犬が主役の少年マンガ。 連載期間はおよそ4年で、全18巻ほどですが、続編やスピンオフ作品が多く出ていて、現在も関連作品が連載中です。 また、アニメも人気があり、週刊少年ジャンプの一時代を支えた一作と言って差し支えないと思います。 東北辺りの山麓がモデルと思われる二子峠が舞台です。 スキー場のある雪山に住む少年「大輔」が序盤の主人公。 村民に"竹田のじっさま"と呼ばれる巨漢のマタギ「竹田五兵衛」は、愛犬「リキ」と共に、その地に出るヒグマほどの体躯がある凶暴な大熊「赤カブト」打倒に燃えていました。 観光客の大学生を食い殺した赤カブトを追って、竹田五兵衛はリキと共に赤カブトを追い詰めるが、戦いの末致命傷を負い、リキと共に雪山に閉じ込められる。 時を同じくして、大輔の家ではリキの子供が生まれる。 その中には良質な熊犬とされている虎毛の秋田犬が誕生していた、という展開です。 序盤は、人里に降りた熊の恐ろしさと、それと戦うマタギと熊犬の戦いが描かれますが、数話ほどで犬がメインのストーリーにシフトします。 犬同士が犬語で会話する描写が行われ、赤カブト打倒のために集まった犬の軍団・奥羽軍の一員として、リキの子「銀」が駆け回る展開となり、以降は人間がほとんど登場しなくなります。 全国を行脚し、日本中の男といえる犬をスカウトして赤カブトを退治する桃太郎のようなストーリーですね。 ただ、途中から必殺技や忍びの技を使うなど、登場人物が犬のバトル漫画となっていきます。 序盤の『熊嵐』のような感じは中盤以降はなくなり、雰囲気が結構変わります。 個人的には序盤の雰囲気のほうが好みだったので、バトルにシフトしたのは残念な感じがしました。 また、赤カブト編が終わり、銀の必殺技"絶・天狼抜刀牙"の秘密を持った犬たち「天狼星八犬士」が登場する八犬士編が開始され、登場キャラクターは犬ですが、完全に男たちの熱いバトル漫画となります。 犬ではありますが、101匹のワンちゃん達が大行進するような内容ではなく、回転しながら喉笛に食らいつき血しぶきを上げてぶつかり合う作品となるので、個人的には少し驚きました。 登場キャラのメインが犬のため、一部の特徴的なキャラを除いて見分けがつきにくいのも難点です。 また、結構話も複雑で読みづらさを感じる場面があります。 ただ、各犬にエピソードがあり、キャラクターは特徴的で、良作だったと思います。 あとどの犬も、シリアスなシーンであっても口の横をぺろりと舐める仕草をしていることがあり、犬っぽい可愛い感じがお気に入りです。
by うにたべたい (528)宮崎駿が描き下ろしたオールカラーの絵物語。1982年「アニメージュ」にて『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品である。水彩の淡い色をいくつも重ねて着色した絵が美しい。 <p> 作物の育たない貧しい国の王子シュナは、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求め、西へと旅に出る。つらい旅の途中、人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女らを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」で、金色の種を見つけるが…。どんな状況にあっても、生きようとする人間のたくましさ。強い心だけが生みだすことのできる、やさしさ。そして、弱さと無力さ。宮崎は、短い物語のなかに、そんなものを、ただそのまま描き出してみせる。 <p> 世界観の作りこみとそれを表現する絵の力は圧巻。特に「神人の土地」にあふれる虫、植物、巨人、月の造形には、一切の迷いが見らない。彼の頭のなかに広がる原風景を見せられているようで、生々しいほどの迫力に満ちている。死と生、喜びと恐怖の一体となったこの世界観は、以降の宮崎作品にも幾度となく登場する。 <p> チベットの民話に感銘を受けた宮崎が「地味な企画」ということでアニメ化を断念し「自分なりの映像化」を行ったものが、本作である。だがアニメという万人に向けた形をとっていれば、また違うものになっていたはずだ。淡々と、厳かに物語が進行する本書の独特の雰囲気は、絵物語という形態であればこその魅力といえるだろう。(門倉紫麻)