この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.52

328件の評価

5.0

2巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

仕事に家庭と問題続きでいっぱいいっぱいで吐き気を催すほど本当に心が弱っているときに優しくされたら・・・それが娘の友達とか関係なく思わず寄っかかってしまいそうになる気持ち、誰だって理解できるはず。

頑張りを誰も認めてくれない中で娘の友達古都に「よく頑張りましたね」と頭をいいこいいこされて、「疲れませんか?」と、「今日だけは『係長』も『お父さん』もおやすみして『晃介さん』になってみませんか?」と、「全部受け止めますから・・・」と言われた日にゃあ、たとえこれが悪魔のささやきであったとしてもよろめかずにいられましょうか?

「逃げ出したい」そんな言葉すら「おいで」と受け止めてくれて・・・。
束の間の逃避行。
初めてのキス。

でも本当に逃げ出したかったのは、いっぱいいっぱいの自分を受け止めてほしかったのは、もしかしたら古都の方だった・・・?

そんな古都サイドの事情が分かってくるのが2巻から。

古都の家庭に父親の影が見えないことから、晃介を慕う気持ちは果たして純情なのか、それとも父親を慕うような思慕の念なのかいまだに判断がつかないけど、彼女が母親に無理やり被せられた「良い子」の仮面を剥ぎたがっているのは、彼女自身が追い詰められ、助けを求めているように見えるのは気のせいでも勘違いでもないはず。

受け止められているようで受け止めていて、依存しているようで依存され、どちらがどちらに寄っかかっているのかよく分からなくなってくる中、古都の想いはますます募り、晃介に重くのしかかっていく。

そこに引き籠りだった美也の復学も合わさり、美也を通して繋がっていたはずの2人の関係がより複雑に絡み合っていく。

考察混じりの大まかなあらすじです。

晃介の仕事と家庭に追い詰められていく心理描写がえぐいほどに細やかで、そこにそっと寄り添うように入り込んできた古都の存在は男目線で言うと一言で小悪魔かと。
ただし古都は古都で問題を抱えているので、今後この2人が純粋な恋愛関係に発展するのか、はたまた周囲に理解を得られず心中コースまっしぐらなのか、それとも共依存のような明確に形を成さない関係に陥るのか、不穏な空気にハラハラドキドキ片時も目が離せません。
他人事でないのは晃介の気持ちが痛いほど理解できてしまうから・・・なのかもしれません。

名作の気配

4.3

2巻まで読みました

1年前に妻を亡くしてからは、シングルファザーとして高校生になる娘の美也と2人暮らしをしている会社員の市川晃介。仕事は優秀かつ真面目にこなして順調に出世をしていたが、部下や同僚たちとはどこか距離があり、会社の顔見知りがいない喫茶店を選んで通いリラックスするような日々を送っていた。

その行きつけの喫茶店でお客に絡まれていた若い新米店員の如月古都を助けた事から物語が大きく動き出す事になる。体調を崩していただけと思っていた娘の美也が晃介が気付かぬうちに自室に引きこもるようになり、晃介との接触も拒絶するようになっていた。そして学校側からは不登校になっている事を告げられる。

娘からの拒絶と学校側から不登校の責任の一端が父親である晃介にもあると告げられてひどくショックを受ける晃介。学校内で沈み込んでいたその時、偶然にも再会したのは制服姿の古都であった。

古都が高校生であった事にも驚いていた晃介であったが、実は古都は娘の美也の小学校からの友達であり、晃介自身も過去に出会っていた子であった。
喫茶店で助けてくれたお礼として協力を申し出る古都に求められるままLINEを交換することになる。

その後も仕事でのゴタゴタや部下や同僚との関係のこじれに加え、娘からの拒絶などが重なり自宅で嘔吐するほどに精神的にまいってしまう晃介。そんな時に古都から相談に乗りたいとの連絡があり、娘の事で相談に乗ってもらうことになる。

古都からは「今日だけは『係長』も『お父さん』もおやすみして『晃介さん』になってみませんか?」と提案される。自分にワガママになってもいいと主張する古都。
「私にだけは甘えてください」という言葉と優しい抱擁はこの時の晃介にとっては大きな心の救いになっていた。


以上が序盤のストーリーの概略になります。
何とも表現が難しいのですが、シングルファザーの晃介と娘の友達である女子高生の古都との奇妙な関係を描いた作品で、ミステリアスで何を考えているのか全く読めない古都のキャラクターが何よりの魅力の作品です。

まだ高校生であるのにどこか艶めかしさをも感じさせる古都を描き切る萩原先生の作画力も素晴らしいです。晃介と古都の二人の関係がこれからどんな展開をしていくのか、そしてどんな結末を迎える事になるのか、一度読み始めたら必ず見届けたくなる作品です。

3.7

1巻まで読みました

古都がどの場面でも顔を赤らめていて凄く可愛らしいんですが、同時に凄く怖かったです。弱って、色々なことに苛ついて、まいってきている晃介に降り注ぐ優しい、甘えたくなる沢山の言葉…晃介の気持ちを読んだかのような言葉になんだかゾッとしてしまいました。まだ出会ってそんなに経ってないよね!?自然に手を重ねてきたり、行ってみたかった場所とか、黙って見つめていたりとか、本当顔は凄い可愛くって好きなのに、何考えてこんなことしているのか(晃介が本当に好きっていう気持ちからなのか)分からなくて、とにかく怖かったです…娘とはうまくいかないし、仕事は放り出して古都と逃げてしまうしこのままだと破滅の道へ…って感じでどうなっていくか気になります。古都が普通の女性なら癒されても問題ないけど、流石にまずいし、晃介には踏み止まって欲しいけど、可愛すぎる相手だし、誘惑?凄くて大変そうだなと思いました…この2人のよくわからん関係が続いてそれが娘にバレてしまった時の反応とか、気になります!晃介が正論で訴えても、すぐに何がいけないの?とか言ったり怖い!怖いしか言ってないけど怖いものはこわい!けど顔はめっちゃ好き!かわいい!!晃介目線で読んでしまうので、ハラハラドキドキしまくる作品でした。晃介負けないで…(?

ギャー!

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