未来ガジェット研究所から足を遠ざけている岡部倫太郎は、大学でのゼミ活動に集中していた。そんななか、ATF(秋葉原テクノフォーラム)でのセミナーで、比屋定真帆に出会う。彼女は紅莉栖と同じ大学の、しかも同じ研究室に所属している人物だった―― 彼女たち研究チームが、紅莉栖の論文を土台にして作った「Amadeus(アマデウス)システム」のなかに残されていたものとは!? 〈巻末には、底本のカバーや表紙などに掲載されていたイラストなどを「電子版オマケ」として特別収録!!〉
シュタインズ・ゲートの外伝小説3部作の二作目のコミカライズ。 Web連載されていたのですが、更新が停止し、未完のままとなっています。 本作の内容は"Steins Gate 0"の序盤と同じで、また、前作"閉時曲線のエピグラフ"と内容が半分被っています。 未完の上、内容は他作品の繰り返しのため、あえて本作で読むことは無いと思いますが、作画担当は"エピグラフ"とはまた別の方が担当していて、前作の雰囲気も好きでしたが、本作はよりかわいらしくて読みやすい絵柄になってます。 ストーリーは、駐車場で謎の男に襲われたその一週間後からスタート、最後は紅莉栖のラップトップPCと中鉢論文との関連性に気づいた岡部がダルの元に向かうという中途半端なところで終わっています。 本作の続きと、三部作の最後"無限遠点のアルタイル"まで描かれないと、前作も含めて完結しないため、この三部作はノベルで読む方がいいと思います。 また、ストーリー半ばで始まるため、キャラクター紹介などはなく、各キャラクターやそれまでのあらすじは知っていることが前提となります。 タイトルは違いますが、実質続きなので、前作から読む必要ありです。 読みやすいし面白いのですが、やはり途中で休載となっているのが残念です。続刊は難しいと思いますが、心待ちにしています。
by うにたべたい (528)「僕の地球を守って」で著名な日渡早紀氏の作品。 日渡早紀らしさが全面に出たSFファンタジー要素の強い作品で、未来と過去が交錯し今を紡ぐ内容となっています。 サブタイトルは"-アインシュタイン睡夢奇譚-"で、アインシュタインと、広島と長崎に落とされた原子爆弾が密接に関わります。 主人公は「篤生涙花」という女性。 彼女は幼い頃に飛行機事故に遭い、共に飛行機に乗っていて弟「昌人」は事故で帰らぬ人となってしまいます。 そして、事故のニュースを聞いて駆けつけた父も、その途中で交通事故で亡くなってしまい、残された母はショックで心神喪失状態となってしまう。 怪我がある程度回復した涙花は念願だった母に会うが、母は涙花を昌人と勘違いしたまま涙花を認識できなくなり、そのまま涙花は、母のため昌人を演じ続けています。 その結果、奇妙なことに涙花は第二次性徴を迎えず、それどころか体つきも身体的特徴も男性に近づいていく。 そんな折、涙花の元に、涙花だけを追い求めてやってきたという「ヒカル」と名乗る男性が現れる。 奇妙な奇跡を使う涙花と、彼女の元に現れた謎の男性ヒカル、彼の探し求めるGlobal Gardenに至るため、運命の歯車が回りだすというストーリーです。 コマ割りがわかりやすく、女の子もかわいいです。 ただ、結構ころころと場面が変わるのと、話が複雑で登場キャラも多いので、内容についていくのが結構難しかったです。 また、Global Gardenとはどういった仕組みのもので、なぜ涙花が必要であるか(なぜ涙花なのか)というところがよくわからず、ある程度は、そういうものと飲み込みながら読む必要があると感じました。 アインシュタインの逸話と原爆、それと北欧神話という、科学とファンタジーのミックスがされていて、日渡早紀作品の雰囲気が好きな方はハマると思います。 ちなみに、アインシュタインの有名な逸話がいくつか話と絡んでいて、例えば、アインシュタインはフロイトと、「なぜ人は戦争するのか」について書簡を交わしたことがあるのですが、そこでフロイトはアインシュタインの考えをバッサリと切って捨てたという逸話があります。 それを受けてアインシュタインが考えた結果が本作のテーマといってもいいものとなっていて、逸話とストーリーの交え方がおもしろいと思いました。 全8巻と巻数はそう長くないですが、個人的には (同作者の"未来のうてな"もですが) もう少し長くじっくり描いてほしかったなと思いました。
by うにたべたい (528)椎名まゆりが世界に残り、牧瀬紅莉栖がいなくなる世界線。――アトラクターフィールドβ。紅莉栖のことで苦悩する岡部。その岡部に未来を変えてもらいたい鈴羽。そしてダルの前に現れる、将来の…嫁!?牧瀬紅莉栖が残した「論文」が、岡部たちを巻き込んでいく…。〈巻末には、底本のカバーや表紙などに掲載されていたイラスト、漫画を「電子版オマケ」として特別収録!!〉
シュタインズ・ゲートの外伝小説3部作の一作目"閉時曲線のエピグラフ"のコミカライズ。 この三部作とドラマCDの"無限遠点のアークライト"は、紅莉栖を救うことが叶わなかったβ世界線が舞台になっていて、罪悪感と、絶望の未来への物語となっています。 また、三部作とドラマCDのストーリーは、後に発売されるゲーム"Steins Gate 0"で内包されています。 私はそれを知らずに読み進めていたので、内容が"0"と丸かぶりなので驚きました。 ひょっとして私もリーディングシュタイナーに目覚めたのではないかと。 ストーリーは"0"の序盤までそのままです レスキネン教授のセミナーで「比屋定 真帆」と知り合った岡部倫太郎は、紅莉栖の記憶をベースにした人工知能「アマデウス」のテスターとなる。 以降、"0"でいうところのクリスマスパーティあたりまでの展開がえがかれています。 年明けの武装集団の乱入などまでいかないため、内容としては崩壊しない、穏やかな日々を過ごしているところまでとなっています。 序盤に比屋定ベースの人工知能が登場したところだけ知らない展開と思いましたが、それ以外は気づいた差異はなかったように思いました。 とはいえ、"0"はマンガのみで、ゲームは未プレイなので、知らない差異が他にもあるかもしれないです。 絵柄は、ダークな重い雰囲気で、独特です。 読みにくいというわけではないのですが、人を選ぶ作風と思います。 内容とはマッチしていて、私的にはとても楽しめました。
by うにたべたい (528)