〈混沌〉の神々を奉じ、ドラゴンたちを使役し、非道と退廃を極めた残虐なメルニボネ人の首都〈イムルイル〉。その恐怖と魔術による世界支配は一万年にも及んだが、その豪奢と征服にあけくれた帝国の歴史に、ついに終焉のときが迫りつつあった……サドリック86世の子として生まれ、白い髪・白い肌・紅い瞳を持つアルビノの王「エルリック」の手によって。魔法と薬に頼って生きるしかない虚弱さや、哲人皇帝と呼ばれ残虐性や戦争を好まないエルリック王の姿に、従兄弟のイイルクーンらは苛立ちを深めていた。そうしてエルリックを挑発するイイルクーンのことを、その妹であり、エルリックの王妃であるサイモリルが強く諌めるが、エルリックはそんなイイルクーンに寛大に接していく――しかし、そうした寛大さと赦しこそが、エルリックを陥れるその後の陰謀劇と、エルリックの愛するサイモリルをめぐる悲劇へとつながっていくのだった……。今や伝説となった胸えぐられる悲恋、魂をすする魔剣をめぐる悲劇的ストーリーが、フランス発の絢爛豪華なフルカラーコミックとなって日本初登場! 原作者ムアコックやアラン・ムーアによる熱い前書き(それはエルリック・サーガのもつテーマの本質を解説している!)や、創作の過程を明かす設定資料群なども収録した充実の一作。小説『メルニボネのエルリック』の最高のグラフィック作品は、新しい本作、ジュリアン・ブロンデルとそのチームの手になるものだ。原作の精神に忠実でありながらも、繊細なエピソードを書き加え、それは私が50年以上前に思いついていたら、きっと取り入れたようなものだった。もし現実に、映画のシナリオを自分が書くとしたら、これらの変更をぜひとも取り入れるつもりだ。(著者・マイケル・ムアコックによる前書きより)(C)Editions Glenat 2013-2014 by Julien Blondel,Jean-Luc Cano,and Robin recht,Didier Poli,Julien Telo-ALL RIGHTS RESER VED A dapted from the works of Michael Moorcock related to the character of Elric of Melnibone (C)2013-2014,Michael&Linda Moorcock
転生したのは「メガヒット探偵コミック」の世界!?お嬢様探偵エルリアを護るため原作知識を使い【殺人事件を起こさせない】!!『名探偵エルリア』――10年以上連載がつづいた大人気コミック作品。作中の半年で殺害されたキャラは100人超!2日に1人が死んだ計算になる。「実は探偵が黒幕」などという面白言説が読者のあいだで飛び交う始末。そんな読者のおふざけに作者は追い詰められ、前触れもなくエルリアのキャラが崩壊。心を病んだエルリアが「私がいるから事件が起きる!」と主張し自ら命を断つ驚愕の超展開を迎え、連載は終了。主人公が転生したのはそんな伝説的コミックの世界…。原作知識があれば、エルリアを「僕だけが救える……」かも知れない。殺人事件が起きなければ、バッドエンドは回避できる。エルリアお嬢様に精神崩壊など決してさせない。本当の意味で『彼女を護る』!「1人も殺させない――一件の殺人事件も、起こさせない!」かくして、執事【南寺ユウ】の『ミステリ要素を全否定する』人生が始まる!異世界転生アンチミステリ第1巻!!
大学に入学したばかりの濱口は、構内に飾ってあった卒業生の写真に目を奪われる。その日の夜、カメラについて調べていると隣室から聞こえてきた叫び声。心配に思った濱口が隣室を訪ね、部屋にいる虫を逃がしてあげると、隣人はお礼とともに「神(じん)」と名乗った。濱口が部屋にあったカメラを見ていると、それに気づいた神が「カメラに興味ある?」と問いかけてくる。大学構内で見かけた写真をきっかけに興味を持ち始めたと話す濱口に、「もう使っていないから」とそのカメラを譲ると言い出す神。遠慮しながらも受け取った濱口の表情は淡々としていたが、カメラへの好奇心で目が輝いていることに神は気づいていて――。※電子版はmimosa本誌掲載時のカラーページをカラーのまま収録しています。