会長に就任した島耕作。業界への利益誘導を目的とする経済連から距離を置き、個人加盟で国益のために活動する経済交友会を中心に「財界活動」をおこなうことにした。島が尽力するのは、日本の「農業問題」。食糧自給率と国内の雇用を確保するため、新たな農業モデルの確立を決意する。会長となり、会社という枠に縛られずに活動する島の舞台は全世界。日本の国益を背負って、より大きなステージで島耕作は活躍する。
株式企業の会長を主人公に据えた珍しい作品です。 『島耕作シリーズ』としては七作目で、"社長島耕作"の直接の続きとなります。 内容は前作に引き続いて真面目でファンタジー色はなく、タイトル通り、"会長"という仕事をこなす島耕作の日々が描かれています。 そもそも"会長"という役職は、社長までとは違い、組織によって役割が異なります。 会長の仕事内容なんて、正直なところイメージすらついてなかったのですが、本作の会長は、一般的な日本企業の会長職となっているようです。 本作の"会長"が、どの会社の"会長"とも同義であるとは思いませんが、一つの会長の姿、会長の仕事内容として、勉強になりました。 ちなみに、本作で会長は社長の上位に置かれた職制となっており、社長を退いた方が会長のポストにシフトするようです。 会長は、企業経営に注力する社長をサポートする役割となっていて、実務を行う社長に代わり対外的な活動がメインとなっています。 本作の島耕作も、活動内容は経済連や、幅広い分野での視察がメインで、TECOTの事業促進のため、また日本経済を発展させるために働いています。 社長に国分圭太郎を据え、自分は会長となった島耕作の、相変わらず多忙な日々が描かれます。 "会長"なので、カスタマー向けのトラブル対応等、実務に忙殺されるシーンはなく、在任期間は会社の不祥事で頭を下げるようなシーンもないです。 大勢のサラリーマンが胃を痛めながら対応しているような業務は描かれないので、ビジネスマンのバイブル的意味合いは低くなってるかなと思います。 ただ、農業、漁業、エネルギー問題、酒造り、ゲノム編集から岩手のILC推進計画まで、幅広い分野を学習し、事業計画に組み込もうと目をランランとさせる島耕作の活力は衰えを感じさせませんでした。 事業だけではなく、本作では総理大臣とコネクションを持ち、経済連に加入し、日本経済再生をすべく財界活動も行います。 各業界の問題点、課題点を学び、ビジネスチャンスに切り込む内容でした。 これまでの島耕作の活躍を楽しめた方は、引き続き楽しめると思います。 本作では過去に登場したキャラクターのその後が登場したのも特徴的でした。 樫村の息子やチャコママ、三郎丸と結婚後の高市千鶴、退職後の今野輝常等が再登場し、明るい話ばかりではなかったですが、懐かしさを感じました。 また、学生島耕作で学生運動にのめり込んでいた東北沢が登場します。 本作から読む方はいないと思いますが、"学生島耕作"も含め読んでいた方が楽しめると思います。 ただ、政治的な内容が多く、作者の思想が若干感じられます。 私は例によってですが、政経部分は理解が追いつかず、読み飛ばしながら読んでました。 ILCは未来的な建造施設が好きなので興味を持って読んでましたが、政治部分は議論がある様子ですね。 そのため、読む場合、鵜呑みにせず、一意見として受け止めることをおすすめします。 ラストは、とある事情から相談役の万亀健太郎が退陣、自身が相談役、国分が社長に就任します。 新社長は伏線なく登場した気がしましたが、スピンオフが先に出ていたらしいです。 次回作は"相談役島耕作"ですが、相談役の仕事内容とか想像もできないので、引き続き楽しみです。
by うにたべたい (581)「高校演劇」との出会いが、すべてを変えた―― 仙台星見高校に入学した土暮咲良には、誰にも言えない創作活動への秘めた熱意があった。ある“きっかけ”で創作を諦めかけていた彼女だったが、「高校演劇」や仲間との出会いによって、彼女の日常は“劇的”に変化していくことに―― いま、誰もが輝く青春群像劇の幕が上がる!
3.48
29
発刊: 2014.11.20 ~
完結・全10巻
新刊通知
a雑誌掲載時のカラーページを収録した愛蔵版 時の輪を巡るSF超大作が『少年キング』連載時のカラーページを多数収録した決定版、全10巻で甦ります。 西暦2221年、銀河系の各惑星は「銀河鉄道」と呼ばれる宇宙空間列車によって結ばれるようになっていた。しかし、貧富の差が広がり、裕福な人々は機械の体を手に入れ、永遠の命を謳歌している。一方で、貧しい人びとは迫害され、機械化人による人間狩りの標的にされ、隠れるように暮らすのだった。人々が願うのはただひとつ、宇宙のどこかにある機械の体をただでくれる星へ行き、そこで永遠の命を手に入れることなのだ。
エヴェレスト初登頂の謎を解く可能性を秘めた古いカメラ。深町誠は、その行方を追う途中、ネパールで“毒蛇(ビカール・サン)”と呼ばれる日本人男性に会う。彼がネパールに滞在する理由とは!? そして、彼の正体とは…!?
1987年デビュー作『残暑』から、2004年8月号に「月刊イッキ」で掲載された『ポチの居場所』まで。『ぼくらの』のSF世界とは対照的な、郷愁を感じさせる淡い日常のストーリー全7話。
不要な人間を回収!?戦慄の現代ホラー!! 「こちらは人間回収車です。ご不要になった人間はいらっしゃいませんか?」 どこからともなくやってくる黒ずくめの軽トラック…一見粗大ゴミの回収車、でもその車の回収するものは不要になった人間だった! 恨み・妬み欲望のドラマに巻き込まれ、不要になった人間が今日も回収されていく…
「おっ俺がシニアに昇進!?」 ゲーム開発会社サイバーコネクトツーの3Dアニメクリエイター。新堂龍也30歳。入社9年目にして、中間管理職のプレイングマネージャーに昇進を果たす。しかし、龍也を待ち受けていたのは、仕事報告を嘘つく年上の部下。上田や、やる気はあるが仕事の遅い新人社員。久井田、合理的に仕事を進めることしか考えない魚川といった、ひと癖もふた癖もあるメンバーばかり。試練続きの毎日ではあるが、ユーザーの笑顔のため日々ゲームを作り続ける!! ―「それでも俺は――ゲームの力を信じたい だって俺は―― ゲームクリエイターだから」 その他、単行本だけの描き下ろしエピソードとして、龍也のことをきびしく指導しつつも暖かく見守ってくれている上司。穴井の若いころを描いた漫画や、原作者によるコラムなども収録。
3.35
28
発刊: 2020.03.11 ~
既刊13巻
新刊通知
a僕のマンガで何とか食えるようになったので仕事を辞めて家でゴロゴロしていた妻が、ある日ムックリと起きて「赤ちゃんほしい」と言いました。‥‥で、話は飛んで赤ちゃんが生まれたところから始まる、診断が多い育児生活。この作品は、とある小規模なマンガ家の私生活を基にしたフィクションという体裁の、私漫画です。
宮島礼吏が自ら描く、『彼女、お借りします』公式スピンオフ! 主役は墨ちゃん! コミュ障彼女の日常奮闘コメディ。彼女の名前は桜沢墨、性格“人見知り”。ドーナツが食べたい、落とし物を届けたい、たったそれだけのことですら、彼女にとっては超難関! “コミュ障彼女”の“障害だらけ”日常奮闘スピンオフ、ドキドキの開幕! 水原や瑠夏、麻美といった『かのかり』ヒロインたちとの知られざるエピソードも盛りだくさん! 彼女の名前は桜沢墨、性格“人見知り”。ドーナツが食べたい、落とし物を届けたい、たったそれだけのことですら、彼女にとっては超難関!! “コミュ障彼女”の“障害だらけ”日常奮闘スピンオフ、ドキドキの開幕! 水原や瑠夏、麻美といった『かのかり』ヒロインたちとの知られざるエピソードも盛りだくさん!
「ナオリ、あたしの飼い主(バーテンダー)になってよ。」祖父に憧れて、バーテンダーを志す大学生、ナオリ。いつかは自分の店を…と考えるも、自宅に呼ぶような友人もおらず、ひとり楽しくもどこか寂しくカクテルを作る日々を過ごしていた。そんな彼女は半ば強引に誘われた飲み会で、自分と正反対のキラキラしたギャル、ひなたに出会う。お酒が飲めないという彼女には、ひとには絶対に言えない、重大な秘密があって…!?
十八世紀、チベット。山間のとある村に住む医者見習いの少年、カン・シバのもとに異国から花嫁がやってきた。彼女の名前は、モシ・ラティ。初々しい二人は、少しずつ距離を縮め、やがて家族となっていく──。チベットの日常と共に描く、花婿と花嫁の物語。
今、1番元気な小学3年生! お茶目でポジティブな「ぴよちゃん」のほっこり毎日が初のコミックス化です!!全国新聞10紙で毎日連載中!★単行本カバー下画像収録★
樋山那智、ソフトボールに汗を流し、日焼けに憧れる平凡な中学生。彼女は同級生の宇津見君が抱える重大な秘密を知ってしまう。それは彼に「しっぽが生えている」ということ。「みんなと違う」ことに戸惑い傷つきながらも、ふたりが心を通わせあう、10年間の物語――。
ブタのような尻尾がオシリに生えた不思議な体の男の子と、そんな彼に恋した女の子の10年を巡るラブストーリー。 出だしでハッピーエンドが待ってることは分かるのですが、それを知っててもそこまでの過程にドキドキしてしまう。 尻尾ということで、ちょっとファンタジー味のある設定に見えますが、特別な体を持って生まれたことでまわりから偏見の目で見られたり差別される、という実際の世の中においても形は違えど存在する、同質の苦しみや悩みを題材にしています。 たしかに重ための内容ではありますが、絶妙なコメディタッチと佐原ミズ先生の流石の美しい絵柄に手を引かれ、読み味は苦しいものではありません。 思春期から大人への階段を上っていく登場人物たちの繊細な心の揺れ動きを感じれる良作です。
by tomoki (80)話題の新書、全身全霊のコミカライズ! 太平洋戦争末期に実施された”特別攻撃隊”により、多くの若者が亡くなっていった。だが、「必ず死んでこい」という上官の命令に背き、9回の出撃から生還した特攻兵がいた。飛行機がただ好きだった男が、なぜ、絶対命令から免れ、命の尊厳を守りぬけたのか。
『ヨコハマ買い出し紀行』『カブのイサキ』の芦奈野ひとし、最新作登場!すーちゃんは、なにげない日常の中で、他の人とはちょっと違う景色を見てしまう女の子。それは、その場所に残っていた誰かや何かの記憶のような、心地よい違和感……。めまぐるしく移ろう毎日、心のスピードをゆるめたら、見慣れた場所でもスキマにフシギ。