さいとうちほ

萩野七生（ななみ）はバレエが好きな高校一年生の女の子。発表会でマリオネットを踊り、観客の気持ちをつかむ。偶然それを見た劇団演出家・神真之は、七生の中に演劇の才能を見出し、自分の劇団に入れようと強引に上京させ…。光と影のロマネスク！

17世紀モロッコ。海賊としても名高いシーク・ジャマールは、ベルベル族との戦いで、美貌の王女ザラを捕虜にした。気高く美しい彼女に心奪われたシークは、美しき邸に彼女を女奴隷として閉じ込め、自分のものにしようと試みる。抵抗するザラだが、彼の誘惑に身も心も囚われていき――。魅惑のアラビアンロマンス!!

18世紀、パリ――。稀代のプレイボーイ・ヴァルモンと、その愛人であり盟友であるメルトイユ夫人が、清純な少女・セシルに、快楽への道を手引きする…！――発表当時、あまりにもスキャンダラスだったために問題視されたラクロの原作を、さいとうちほが大胆解釈！さいとう氏が22年間も温めてきた、背徳の古典を原作にしたコミックなだけに、含蓄のある台詞が随所に散りばめられています。２人の男女の往復書簡によって物語が進むさまは、現代のメール社会に生きる私たちにとって、ある意味示唆的。男の策略と女の建前をじっくり堪能できる、もはや文学といってもいいくらいの、身もだえするような恋愛ストーリーです。

「初めて足を踏み入れて出会った二人が男と女だった時、二人は恋におちる――」こんなロマンティックな伝説のある万葉図書館で出会い、恋におちた紫野（しの）と晃生（あきお）。しかし、二人は両親の結婚により、兄妹として同居することになってしまう…。京都を舞台に、許されない愛をつらぬく二人の姿を描いたラブロマンス！

山本美咲はごく普通の女の子だったが、背中に天使の翼によく似たあざを持っていた。ある日、瞬（シュン）という青年に出会ったことから、思いもよらぬ運命の扉が開くことに…。美咲を待つ運命とは!?さいとうちほのロマンシング・スペクタクル!!

夫の浮気が原因で家を飛び出した少女まんが界の元女王・桜万里。だが、まんがを描こうとする彼女には様々な妨害が待っていた。心細さにくじけそうになった彼女は無くしたはずの古いトランクの鍵を見つけて…！？　「女王さまのたそがれ」　を含む4つの物語がおりなす、鍵にまつわる恋のオムニバス。