秋本治氏の最初期の短編集です。 本書のタイトルでもある『平和への弾痕』の他、『最後の狙撃兵』、ギャグ漫画の『となりの金ちゃん』の3作が収録されています。 ・平和への弾痕 ベトナム戦争の話です。 サイゴン市内で作戦を展開しているアメリカ兵と、ベトナム人ゲリラ兵の2つの視点で戦闘が描写されます。 各兵の服装や装備は元より、戦闘描写の凄まじさなどはさすが秋本治という気がします。 ある意味では、こち亀よりいきいきと書けている気さえします。 重々しく、暗い空気の中、各々の思想が描けており、大変印象に残る作品です。 ・隣の狙撃兵 こちらも暗い作品です。 旧日本軍の元狙撃兵が、入用になったことから最後の狙撃のオファーを受諾するという話。 プロットがしっかりと組めており、無駄がないながらも、余韻を残す話になっています。 秋本治はギャグ漫画で有名ですが、こういった劇画作品もうまいと思います。 ・となりの金ちゃん 全2作とは変わって、読み切りギャグ作品です。 幼馴染で家が隣通しだが親同士の仲が悪い、寿司屋の倅とケーキ屋の娘の話です。 本作は息抜き程度ですが、全2作が真面目な作品だったため、本作もギャグじゃないほうがお気に入りの短編集になったのになぁというのが本音です。 3作ともはずれはないですが、平和への弾痕、隣の狙撃兵は名作です。おすすめします。
by うにたべたい (585)怪しい蝶が舞う、エロティック・サスペンスがスタート!!父・杉浦哲人の死の真相を調べていた息子・蒼星は、婚約者を何者かに襲われ、自らも暴行を受け、男性機能を喪失してしまう。「女」として生まれ変わった蒼星はその美貌で復讐を始めるのだが…。
3.02
5
発刊: 2000.04.18 ~
完結・全1巻
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a「母さん、なぜ私を生んだの?」虐待を受けながら育った娘は、ずっと自問していた――。一度は自分を捨てた母に、父の死後引き取られ、ともに暮らすようになった照恵。しかし、それは実の母親から壮絶な虐待を受ける、地獄のような日々の始まりだった。やがて自らも母となり、やっと穏やかな生活を手に入れた照恵だったが、1本の電話が、彼女の封印してきた過去の記憶を呼び覚まし…。虐待により踏みにじられた魂の再生を、曽根富美子が描ききった感動作。原作のその後を描いたオリジナル番外編『闇がひらかれるとき』、原作者・下田治美氏の解説文も収録した完全版。
3.35
5
発刊: ~
既刊1巻
新刊通知
a3.29
5
発刊: ~
既刊2巻
新刊通知
aはねっかえりだけど、可愛くて憎めない天才少女ピアニスト・うたが奏でるさよならの音、初恋の音、嫉妬の音、失恋の音……どんな音だと思います?ページをめくれば心に鳴り響く不思議で切ない物語!天賦の才能で世界のピアノ界に華々しくデビューする『神童』と呼ばれた少女の努力の過程を描いた感動の物語。手塚治虫文化賞マンガ優秀賞+文化庁メディア芸術祭優秀賞をダブル受賞!!
さそうあきら氏の代表作。 文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞、また、手塚治虫文化賞 優秀賞受賞し、当時、映画も話題になりました。 名門の音楽大学を目指している浪人生の菊名和音が、ある日、野球をしていた少女・成瀬うたと知り合います。 強引に家に上がり込まれ、迷惑に感じる和音でしたが、うたが彼の部屋のピアノに触れたとたんに世界が一変します。 個人的にはさそうあきらといえばセックスがテーマのマンガが多いイメージです。 本作中でもそういう描写は無くは無いのですが、基本的には"神童"と言える少女の苦悩が描かれた作品となっており、『のりりん』を読んだときのような意外性を感じました。 うたは、明確に天性の才能を持っているのにも関わらず、その才能を一般的に認められていません。 天真爛漫な振る舞いで周囲をざわつかせ、圧倒的な技術で周囲を黙らせる展開が多く、基本的にうたの性格は最悪です。 人によっては傍若無人な振る舞いにイライラする可能性があり、そういうキャラが苦手な方にはおすすめできないです。 終盤には、そんなうたに悲劇が襲いかかり、その絶望の中で何をするのかというドラマが展開されます。 文庫版で全3巻と短く、展開はわかりやすく読みやすい作品だと思います。 菊名和音は、もう一人の主人公としてスポットがあたっています。 うたに振り回されながら、成長していくのですが、彼もまた天才と呼べるキャラで、荒唐無稽な存在として描かれるうたと対象的に全うに挫折しながら実力を認められてゆきます。 そんなうたと和音の交流が描かれていて、様々な音が作中では流れるように感じます。 ミュージックとしての音楽ではなく、いろんな"音"が中心に据えられていて、裏表紙にも書かれている通り、本作の主役は"音"なのだと思いました。
by うにたべたい (585)