マンガ好きが選ぶ読書記録&新刊通知サービス
全525件
うにたべたい
4.3
学校で陰惨なイジメを受け続け、自宅では両親の無関心な眼差しと兄からの虐待を受け、死ぬことを願う女子中学生・朝霧彩が本作の主人公です。ある日、彼女は、自宅のPCから突然繋がった"魔法少女サイト"というウェブサイトから、魔法のステッキを与えられる。おもちゃのピストルのような形のそれを受け取った彩は、いつものようにイジメを受けている中でそのステッキを使ってしまい、意図せず相手を殺してしまう。罪悪感に苛まれる彩の元に、同じく魔法少女サイトからステッキを受け取った少女・奴村露乃と出会う。魔法のステッキはそれぞれ形状も機能も異なり、スマートフォン型やペン型、能力も単純に対象を破壊するもの、時間を操るもの、コピーや対象を操るなど様々です。"魔法少女"とタイトルについていますが、フォームチェンジなどはなく、作中では単に魔法の道具を与えられた人物を指します。また、魔法のステッキは与えられた人物以外も使用できるため、ライダーベルトさえあれば変身者は問わない平成ライダーのような内容ですが、"魔法を行使すると寿命が減る"という大きな制約があります。最初は魔法少女同士のバトルロワイヤルのような雰囲気で始まり、一撃必殺、一触即発な魔法少女の力を交わし合うのですが、やがてカウントダウンの先にある謎のテンペストに抗うため魔法少女たちが運命に立ち向かうストーリーとなります。作者の佐藤健太郎氏は、前作でも(一応)魔法少女モノを描いています。前作は容赦なくグロい魔法少女モノだったので、本作もそのつもりで読んでいたのですが、前作に比較するとまだマシだと思いました。ただ、串刺しにされ、ぺしゃんこにされ殺される程度のグロはあるので、ある程度は覚悟が必要と思います。私は前作読んだとき終盤よくわからなくなったのですが、本作は割りとまとまっていて読みやすかったです。ラストも、まどかマギカっぽさも感じましたが、かなり良い終わり方でした。グロいはグロいですが、それ以上に、ストーリーを楽しめる作品だと思います。キャラクターは個性的です。タイトルの通りメインキャラクターは少女で、ビジュアルもかわいらしいです。また、それぞれの生い立ちや与えられた力も個性が強く、戦う姿を追っていて楽しい作品でした。男性キャラも、変態率が妙に多い気がしますが個性が強いです。一点、終盤に前作『魔法少女・オブ・ジ・エンド』のキャラが唐突に登場します。主人公と同格の活躍をするのかと思いきやすぐにフェードアウトしたので、本作を読む前に前作を読んでいる必要はないですが、なんのために出したのか謎ですね。
魔法少女サイト
レビュー(124)件
完結・全16巻
3.4
週刊少年ジャンプ連載作品。連載時期は2004年から2008年、銀魂や家庭教師ヒットマンREBORN!などが連載開始時期が近いです。DEATH NOTE、BLEACHなど、ビッグタイトルの連載陣があり、打ち切りも激しかった週刊少年ジャンプの中で、負けず劣らず連載していた作品ですね。この頃は、脳噛ネウロやD.Gray-manなどが連載していて、ダークファンタジーが強いイメージがあります。本作は全18巻で、2度のアニメ化をしています。霊がのさばり、人々に災いを齎す事件が度々発生しているという世界観です。その世界には、魔法律という霊を裁くための法律があり、魔法律協会という公的な機関が存在しています。主人公のムヒョこと六氷透は、魔法律の執行が許される最高位である「執行人」の位に最年少でついた天才少年で、彼はロージーこと草野次郎を助手に、"六氷魔法律事務所"を構えています。最初は一話完結型で、事務所に霊による被害の相談を受けた人々が相談に訪れ、対応を行う展開です。ただ、序盤から数話にまたがるストーリーものに以降し、凶悪な悪霊退治や、かつてムヒョと仲が良かったが理由があり闇に落ちたエンチューとのいざこざなどが描かれます。絵は独特で、作品自体の雰囲気も相まって、個性の強いものとなっています。人によっては読みにくさを感じる可能性がありますが、ハマる人はハマる作品だと思います。ただ読んでいるとキャラクターがいつの間にか増えていて、以前からいた気がするけどどういう経緯で一緒に行動しているのかわからなくなることがしばしばありました。ストーリーもやや複雑で、絵が個性的なのもあり、ライトに読める作品ではないと思います。また、女性キャラが多く登場し、お色気シーンも多いはずなのですが、絵のクセでエロさはほぼないように思います。のはずなのですが、作者の西義之はその後、18禁でオリジナルものを描いてアニメ化もしており驚きました。魔法律というルールがあるにも関わらず、結局のところ"煉"という、霊を裁くためのエネルギーのような概念が導入されてしまいます。これによって『煉が強いほうがより強い悪霊を裁くことができる』となってしまい、結局、バトルマンガのフォーマットに落ちてしまったのは残念でした。ラストは打ち切りとなったらしく、今後活躍予定のキャラの伏線などを残したまま終了となります。ただ、連載終了後に続編が描かれ、さらにその後にアニメ化するなど、隠れた人気はある様子です。
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所
レビュー(177)件
完結・全18巻
3.3
原作は"小説家になろう"投稿作品。なろう系らしい異世界転生もので、一時期は漫画アプリの広告で流れまくってました。異世界転生者のコムロ・ナオキは、剣や魔法の才能はなく、危険を冒して魔王討伐へ向かおうという危害も無い一般男性です。生前は害虫駆除を生業としていたので、転生後も同じ職業で口に糊をしています。その日も、下水に出るネズミのような魔物を駆除して賃金を得ていたのですが、小さなモンスターを大量に狩ることで、ナオキは意図せずすごいレベルに上がってしまっていた、という展開です。ただ、高レベル者となっても、その力を持って人々を救おうとはならず、変わらずに害虫駆除を続けます。ネズミ、蜂、ゴキブリなどを退治しながら、世界を旅する駆除人が主人公ですね。そんな3Kのブルーカラーが主役ですが、テンポはよく、読んで楽しい作品でした。異世界の魔物が相手ですが現実世界の駆除法と同じ戦法が通じるため、ナオキは特に苦労せずに俺TUEEEEできます。ご都合主義的ではあれど、俺TUEEEEの理由が納得できる点がポイントかと思いました。また、なろう系らしく、主人公はモテてモテて困っちゃう系です。おまけにヘタレで手が出せないのもお約束ですが、しっかりエロシーンはあり、序盤はかなり過激なので期待してよいかと思います。普通に良作なのですが、残念なことに5巻の物語途中でバッサリ打ち切りとなっています。SNSで中傷があったとか、理由は諸般の事情となっておりオープンになっていないです。ラストはナオキが勇者にあって、いい人そうだと思うところで終わりと、ぶった切られる終わり方なので、おすすめはできないですね。
駆除人
レビュー(79)件
既刊5巻
3.7
"神アプリ"のサイドストーリー。後に"神アプリ"本編にも登場する学生「有明耕助」が、官僚だった父の遺産として残されたスマートフォンを使用し、犯罪と戦うストーリーです。時系列的には、"神アプリ"本編よりも前の話となります。官僚の父がひき逃げで死に、遺産として神アプリの入ったスマートフォンを受け取った有明耕助は、インストールされているアプリ"The Love Game(TLG)"を興味で起動する。そのアプリは与えられたミッションをクリアすることで恋愛力を上げるというものだった。提示された最初のミッションは、『18歳から23歳までに女性をナンパして性器を撮影する』という、女性慣れしない有明には過酷すぎる内容だった。ミッションを果たす気が起きず放置した有明だが、ミッションの有効期限が切れた時、彼の母に危害が及んでしまう。有明は仕方なく、ミッションクリアのために動き出す。序盤はそんな感じで出されたエロミッションをクリアしていくのですが、後半は本編同様、犯罪者とのバトルが主になっていきます。なお、設定上、本編以上にエロ展開が多いですが、本編同様、絵のクセが強いため、あまりエロさを感じません。テンポが良くて、巻数も全3巻と読みやすいので、ちょっと読むにはいいと思います。また、TLG中のできごとは本編とも大きく関わりがあるので、本編を読む場合は、TLGも読む必要ありです。一方で、TLG中のできごとや登場キャラは、神アプリ本編の内容のものがあるため、本編をある程度読んだ後の方が楽しめると思います。時期的に本編の13巻から17巻あたりの間でTLGを挟むのをおすすめしますが、本編未読であってもストーリーがわからないということはないので、全27巻ある本編より前にTLGを読んでみるのもありだと思います。
神アプリTLG
レビュー(9)件
完結・全3巻
主人公は、漫画の専門学校に通っている冴えないモヤシ野郎・御子柴亮。オンラインゲームのランカーで雑学の知識をひけらかすのが好きな彼の元に、ある日、謎のスマートフォンが届く。"モニターに選ばれた"旨が書かれた紙が同梱していたそのスマートフォンを起動すると、そこには街の監視カメラを覗き見するアプリや至る所のシステムへハッキングができるアプリなどの"神アプリ"がプリインストールされていた。面白がってアプリを動作させていた御子柴だが、そのアプリは実は従量課金となっており、御子柴は多額の借金を負うことになる。借金返済のため御子柴は、アプリを活用し犯罪者を捕らえる"ハンター"として活動することとなる。不思議なスマホを手に入れた学生が、組織的な謀事に巻き込まれていくアクションマンガ。読む前は、ドラえもんの秘密道具的なアプリでアダルトなあんなことこんなことを叶える一話完結系かと思ったのですが、普通にストーリーマンガでした。中盤までは仮面組合という犯罪集団との戦闘が描かれますが、中盤以降は神アプリが作られた目的と内部的ないざこざ、本当に倒すべき巨悪に立ち向かう展開となります。タイトルに反してバトルシーンの割合が多目です。神アプリを使用した索敵、頭脳戦も描かれるのですが、割りと序盤からスマホを介さない、腕時計やグローブタイプのデバイスが登場します。ロボットやラジコンヘリのような武器も登場し、アプリとほぼ関係ないビーム兵器や強化スーツが登場します。直接的な攻撃を行うためのアプリがほとんどで、敵の使う未知のアプリによる攻撃を打破し、叫びながらボコボコにして倒すシーンはスタンドバトルっぽさを感じました。また、捕まえる犯罪者は、レイプや強盗殺人がデフォルトの凶悪犯罪者です人体切断や顔面が爆発するなどグロいシーンも多く、エロ・グロ・バイオレンス系の作品といえます。ただ、絵にクセが強いためにそれほどグロさやエロは感じないので、耐性がなくても大丈夫と思います。キャラも個性的で、主要キャラであっても容赦なく死んでいきます。テンポは良く、バトルも単純でわかりやすいので、頭をあまり働かせずに楽しめる、一風変わったバトルマンガという感じでした。
神アプリ
レビュー(33)件
完結・全27巻
3.9
東京都立清見高等学校は、突如、謎の巨大人食い生物が現れ、学園のほとんどの生徒や教職員は食べられてしまう。観察していると、いればあるだけ食べるが、実際のところ一日一人食べれば十分ということがわかった生徒たちは、毎日一人生贄を捧げて、怪物が校舎内まで襲ってくることを防ぐことにする。校庭をうろつく怪物から難を逃れ、他の複数の生徒とともに学園に籠城することに成功していた1年男子の「笹塚 宗太」は、エサにされることを避けるため、家事などを積極的にこなしていた。が、ある日、ついにリーダーである「酒井 亮平」に指名される「明日のエサ キミだから」と代表作に『デトロイト・メタル・シティ』がある若杉公徳のサバイバルホラー。序盤は、巨大な怪物に一人ずつ食い殺され、そこからの脱出を企てる展開ですが、序盤に学園から脱出し、やがて騒動を起こした裏の存在が明確になります。企みを知ったサバイバーたちがどういう選択を取ったのかが終盤の展開となっており、最終的にタイトルに繋げてきたのが、さすがうまいと思いました。無念のまま、異形の怪物に人がむしゃむしゃと食べられるシーンが多々あります。ただ、作画はいつもの若杉公徳でシリアス度も低く、グロ要素はほぼないです。そういう設定のギャグ漫画と取った方がいいレベルで、"ジンメン"や"ハカイジュウ"のようなものを期待して読むものではないと思いますね。騒動を引き起こした原因は、パターンとしてはこの手の作品ではまあよくあるものですが、非常に雑で、ツッコミどころ満載です。人がたくさん死んでいるのですが、少し引くくらい「えっなんだそれ」となる感じですね。また、序盤から関連キャラが登場していたことを考えると、行き当たりばったりではなく最初からその設定で考えていたのであろうところがまた腹立たしい。あまりにバカバカしい黒幕なので、ある程度、まじめな作品であれば炎上案件だったと思うのですが、若杉公徳だからこそ許されていた感じがあります。若杉公徳爆発の非常にくだらない展開なので、若杉公徳カラーを知った上で読むことをおすすめします。とはいえ、中だるみもなく、最後まで楽しめました。童貞のゴボウ男が、終盤ベッドで女の子にドヤ顔で気持ち悪いセリフを吐くあたりも若杉公徳らしいです。氏の他作品もそうですが、10巻以内できれいに収まっていて読みやすく、機会あればおすすめします。
明日のエサ キミだから
レビュー(69)件
完結・全10巻
幼馴染の仲の良い4人組が山中でのバーベキュー帰り、突如、目だらけの不気味な妖怪が車のフロントガラスに張り付き、車は崖下へ転落してしまう。廃村に迷い込んでしまった4人だが、そこは古くから人を食い、女は死ぬまで犯す鬼が出るという伝承のある土地だった。伝承通りの顔なしの鬼が現れ、4人の内、一人が無惨に殺され、一人は犯された上、食われてしまう。生き残った2人は、鬼から逃れるが、二人の目の前に鬼を崇拝する悪魔のような男・柴太一が現れる。山奥の廃村を舞台にしたサバイバルホラーという感じでストーリーが始まります。割りと序盤で鬼を祀り生贄を捧げる柴との戦いにシフトし、主人公も立花牡丹から、最初に殺された赤坂春馬の姉・赤坂美空へバトンタッチします。"女を死ぬまで犯す鬼"という煽りがありますが、そういう描写は非常に少ないです。ただ、セックスシーンは妙に多く、それも女性視点がほとんどなので、作品の雰囲気としては女性向けの成人向けマンガという印象がありました。クールな男性が迫られて赤くなるシーンが印象的に多いですね。"顔なし鬼"を筆頭として人外の怪物が登場しますが、この手のストーリーのお約束の通り、メインの敵は人間だったりします。過去編や、鬼誕生の秘話にあたる部分も長く、一口でサバイバルホラーと言えない内容ですね。人知の及ばない凶暴な怪物が、見境なく人を殺して食い、女は内臓ごと犯してバラバラにするようなグロい展開を期待すると肩透かしを食うと思います。意外に設定やストーリーが作り込まれていて、思っていた方向と違いましたが、これはこれで楽しめました。結局、わけのわからないまま死んだキャラは救われない感じがしますが、最後まで読んでみて悪くはない作品だと思います。ストーリー描写が丁寧なのと、なんだかんだで鬼が脅威な点、それとエロシーンがちょくちょく挟まることもあって、テンポよく読めます。あと、柴が脇を舐め、道具を使う変態で、柴を含めた3人の男に迫られる美空がブチギレツッコミを入れるのも読んでて楽しかった。思っていたようなものとは違いましたが、想定外におもしろかったです。
鬼獄の夜
レビュー(20)件
完結・全14巻
20世紀少年の完結編。人類滅亡のために作られた"ともだち"のUFOが落ち、"ともだち"の企みを破ったケンヂたちが、"ともだち"の正体と過去の精算に動く内容です。一応、ラストで"ともだち"の正体が明かされ、その動機についても、対読者に向けてはオープンとなります。そのきっかけは、世界を混乱に陥れ、大勢の死傷者を出すに至ったにしては些細なできごとでした。ただ、20世紀少年も含めストーリーは複雑なので、それまでの内容を理解していないと、最後まで読んでも意味が分からなかった、となる可能性があります。また、超技術や巨大ロボット、巨大な宗教団体、政治団体を立ち上げるだけの資金や科学力の出処は不明のままで終わります。"ともだち"の正体やその動機についてはわかりましたが、いまいちスッキリしない部分もある終わり方と思います。"ともだち"の覆面の下の顔があるキャラとそっくりだったところなども、結局、明かされないまま終わった気がします。普通に読んでも解説がほしい中で未回収の伏線も混在しており、その意味でも複雑な作品でした。とはいえ、絶望的と言って良い状況から"ともだち"騒動を収束させていて、ケンヂたちの嫌疑やカンナの母の件も含め、大団円で終わっています。カタルシスのようなものは無いですが、構成がかなりしっかりしている良作でした。読むのに結構骨が折れる作品ですが、話題にもあった有名作ということもあり、興味があれば読んでみていいと思います。
21世紀少年
レビュー(340)件
完結・全2巻
コンビニ店長をしている冴えない青年・ケンヂは、身の回りで起こる不可解な事件が、自身が子供の頃に秘密基地で書いた『よげんの書』の内容をなぞっていることに気づく。それらは"ともだち"と呼ばれる謎の人物によって引き起こされていた。宗教団体のような"ともだち"の集団は、政党を率いて社会的な立場を強くしていっていた。また、『よげんの書』では、2000年に巨大ロボットが現れて人類は絶滅すると書いていたことを思い出したケンヂは、かつて秘密基地の仲間だった友人たちを集め、"ともだち"に対抗する。星雲賞受賞作で、3部作で実写映画化もされたストーリーマンガ。世界征服を企む"ともだち"と戦う、ケンヂと仲間たちの姿が描かれたものとなっています。『よげんの書』を知る"ともだち"とは何者なのか、幼い日の思い出が現在と交錯し、やがて謎が解き明かされてゆく展開です。4部作になっていて、巨大ロボットの進撃を食い止めるべくケンヂたちが立ち上がる1部、ケンヂの姉の娘・カンナに主人公をバトンタッチし、世界の救世主となった"ともだち"に叛逆する2部、世界大統領となった"ともだち"がその真の企みを明かすまでを描いた3部、そして完結編の4部構成です。続編も含めて全24巻とかなり長く、キャラも多くてストーリーも複雑、テンポもあまり良くないです。時系列と登場人物を整理しながら読まないとわけがわからなくなり、それであってもかなり終盤にならないと回収されない伏線が、作中多数張られます。そのためやや読みにくさを感じるところがありますが、過去の因縁と現在の事件が絡み合ったシナリオは秀逸で、はまれる人ははまれるかと思います。読むたびに謎が増えてゆき、解決しないまま舞台が数年後になったりするので、途中で読むのを中断すると、次読み始めたときに何がなんだかわからなくなるので注意が必要ですね。ただ、20世紀少年では、最後までともだちの正体は明かされず、ケンヂがギターをかき鳴らして終わりとなります。続編に21世紀少年があり、21世紀少年は20世紀少年のタイトルだけ変えた直接の続きで、こちらで"ともだち"の正体が明かされる形になります。20世紀少年だけだと最後すごい中途半端な終わり方になるので、読む場合は21世紀少年も最後に読む必要ありです。
20世紀少年 本格科学冒険漫画
レビュー(831)件
完結・全22巻
3.1
週刊少年マガジンで約10年の長期連載をしていた、大暮維人の代表作の一つ。架空の足に履くモーター駆動のスケーター『エア・トレック(A・T)』を使った、バトルアクション作品です。主人公の「南樹/イッキ」は、東中最強ケンカ無敗を誇っていたが、A・Tを履いて街を暴れまわる暴風族(ストーム・ライダー)に襲われ敗北してしまう。彼が敗北したことで東中の株が地に落ち、イッキは石を投げられることになるのだが、そんな折、居候先の三姉妹たちからA・Tを渡される。彼女たちは、特Aクラスの伝説のチーム"眠りの森(スリーピング・フォレスト)"のメンバーで、幼馴染の「野山野林檎/リンゴ」は、その総長だった。A・Tの訓練の末、イッキはストーム・ライダーにリベンジを行うが、それによって街を統べるストーム・ライダーたちの争いに巻き込まれていく。序盤は、学校や街のストーム・ライダーとA・Tバトルを行い、自分のチーム"小烏丸"を立ち上げて名を上げてゆく展開です。ただ、中盤以降、"玉璽(レガリア)"と呼ばれる特殊なA・Tを操る8人の「王」の争いが始まり、序盤からそれとなく挟まっていたトンデモ化学による事象解説が激しくなります。登場人物も多く、絵はキレイなのですが何が起きているのか非常に分かりづらくなるため、話についていけなくなったというのが正直なところです。絵がマンガというよりもイラストに近く、A・Tシーンには疾走感があり、お色気シーンもたくさんあるのですが、とにかく読みづらい作品だと思います。ストーリーそっちのけで雰囲気で楽しめるのであれば、セリフも少なく勢いがメインなため良いのかもと思いました。A・Tのストリート系スポーツマンガかと思いきや、割りと序盤からガッツリトンデモバトルになります。炎が出たり、幻影が出たり、時間を操ったり、空を飛んだり、ワケの分からない技の応酬になるのですが、キャラはかっこよく、台詞回しが非常におしゃれです。設定も詳細に練られているので、疾走感のあるシーンと少ないセリフで飛ばしつつ読んでしまいがちですが、丁寧に読めば楽しめるのかなと思います。でも、少年マガジンの読者としては、本作のお楽しみはA・Tというよりもエロシーンですね。終盤など女性は基本全裸で、少年誌ギリギリアウトのエロシーンが度々入るので、私などはぶっちゃけそっちがエア・ギアのメインくらいに思ってます。
エア・ギア
レビュー(240)件
完結・全37巻
3.8
Last Note.のボカロ曲が元となっているライトノベルのコミカライズ。カゲプロなどで流行っていたボカロ曲のメディアミックスプロジェクトととして有名作の一つで、アニメ化もしています。なお、Last Note.は他に恋愛勇者やセツナトリップなどを手掛けていて、良曲がたくさんあるボカロPですが、『ミカグラ学園組曲』のライトノベルも未完結のまま最近は姿を見せず、2023年現在は活動休止中とのことです。聞いていて楽しくなる底抜けに明るい世界観が良かったので、活動再開を願ってます。ラノベは未完結ですが、コミックスは6巻できれいに完結しています。主人公はニート一直線の「一宮エルナ」。彼女は高校進学せずに家でダラダラ過ごすことを心に決めていたが、従兄のシグレから私立ミカグラ学園のパンフレットを見せられ、制服がエロゲみたいでかわいかったこと、モデルの女の子がかわいかったことから、私立ミカグラ学園に進学することに決めます。そして迎えた受験日、それまで準備を一切せずに、当日も遅刻してきたエルナでしたが、なぜか小学校レベルの足し算の試験と上辺の面接だけ行われ無事合格、憧れの制服に袖を通します。ミカグラ学園には文化部しか存在せず、「一か月以内に部活動に入らないと強制的に退学」という校則があります。そして、ミカグラ学園には各部同士でバトルするイベントがあり、その優劣が学園生活に大きくかかわる"部活対抗戦"というシステムがある。高校受験組で部活未所属のエルナには寮に部屋も与えられず、どこの部活に所属するか、楽しげなスクールライフに胸を踊らせるという展開です。各部活の代表クラスがメインキャラで、各キャラにイメージソングがあります。元の曲は「放課後ストライド」、「有頂天ビバーチェ」、「我楽多イノセンス」くらいしか聞いたことないですが、曲は知らなくても楽しめると思います。曲は、一応PVでストーリーの一部流れますがストーリーを説明するものではなく、ノリを伝えるものだと思っているので、聞いていた方が楽しめる可能性大ですね。「有頂天ビバーチェ」のポイポイするひみ先輩がぴょこぴょこ動いて戦うので、曲のイメージが先にあったのでよりかわいいと思えました。バトルは書道部だと筆、天文部だと天体望遠鏡、美術部だと絵の具を媒介に特殊能力を発動して敵を攻撃、3つあるクリスタルを破壊すれば勝利という、どういう仕組なのかわからないファンタジーなのですが、そういった部分は普通にあるものとして話が展開します。ある程度はすっ飛ばして、勢いで楽しむ内容なので、細かい部分が気になる方は向かないですね。楽しく読めましたが、エルナが入学できた謎の試験や、能力に目覚めた謎の部屋とその部屋の謎少女については明かされないままでした。"どこかで見たことある"とか意味深なセリフもあったのですが、小説版だと回収されているのでしょうか。
ミカグラ学園組曲
レビュー(2)件
完結・全6巻
3.5
遥か宇宙から巨大な謎の飛行物体が日本の近海に落下し、その中から地球外知的生命体が現れた。地球人そっくりだが、飛び抜けて美しい容姿を持つその生命体はディアーズと呼ばれ、彼らは日本政府に正式に国民として受け入れがされる。その式典から一年経過し、ディアーズは地球を学ぶためにホームステイされ、留学生として学校に通う制度ができる。一方で、日本で一人暮らしをしている高校生「幾原武哉」のもとに、行き倒れのディアーズ、通称・レンが現れる。謎のディアーズ・レンと、武哉の物語が始まる。宇宙人が人間世界に溶け込んだ世界を描いた、NieA_7のようなファンタジー作品。ローゼンメイデン等を描いたPEACH-PITの代表作の一つで、UNDER17主題歌でアニメ化もしています。通常知識量が豊富で優秀なディアーズたちとは異質といえるほど挙動が薄く来歴不明なレンの謎を追うのを縦軸としていますが、ディアーズたちと切れやすくて性格の悪い武哉との日常パートがストーリーの多くを占めています。ディアーズは地球外の生命体なのですが、見た目は地球人そのもので、額の結晶板や首輪のような収納具が見分けるポイントです。それ以外は地球人と変わりなく、レンもグラマラスなスタイルで顔だけロリ系の少女として描かれています。ディアーズの女性は皆、エロい体つきで、しかも服装は基本的に半裸、知識に疎いレンは最初、服を着るということすら常識として持っていなかったので、一人暮らしの男の家に何もわからない裸の女の子が転がり込むというエロゲー展開から始まります。しかもディアーズは、なぜか地球人の奴隷として仕える(そうして種族を保ってきた)という、なにそれなんてエロマンガ設定となってます。そんなの即18禁になりそうなものですが、この手のマンガによくあるように主人公の武哉はヘタレなので手を出すことをしません。終盤など、自分に魅力がないのかとレンが泣き出す始末、読んでいて主人公を降りて欲しいと願ってしまったのが正直なところです。しかも武哉は、言動がとにかく刺々しく、話しかけてきた友人にも鬱陶しそうにあしらうシーンが多いです。後半に野仲宏史というイケメンが現れ、レンにナンパな気持ちで近づくのですが、やがて本気で心を寄せてゆきます。多分、嫌な奴枠で登場した野仲の方が、個人的にはかなりいいやつでした。読んでてレンは野仲とくっついてほしいと思いましたが、こういうキャラは登場時からかませが運命づけられているのは悲しいことですね。主人公はいけ好かないですが女の子はかわいらしく、最後まで楽しめました。愛は地球を救う。設定、展開がかなりご都合主義的なので、細かく考えずに楽しめる方向けだと思います。
DearS
レビュー(8)件
完結・全8巻
4.4
高津カリノ氏の『WORKING!!』に続くお仕事マンガ2作目。WORKING!!では北海道のファミレスが舞台でしたが、本作では少し年齢があがり舞台は区役所です。そこで働く人々を描いた日常4コマで、WORKING!!同様、キャラクター同士の掛け合いや恋愛模様が描かれます。お堅いイメージのある役所の職員が主役ですが、役所の仕事はほぼ描かれないです。全巻読み終えましたが、結局のところ、ご老人の話し相手、窓口の案内くらいしか仕事の場面はなかったように思います。全4巻と短いように見えますが、連載期間は約7年というなにげに長期連載作品で、4コマで起承転結ついているので、実のところかなり読み応えはあります。濃度は高かった、はずなのですが、役所の職員という仕事に関する部分はすっからかんなので、誰でもゆるく読める作品です。主人公は複数いて、その中でも特にメインというべきなのは、一巻表紙の「山神ルーシー(略)」です。ルーシー(略)と「長谷部豊」、「三好紗耶」の三人が、新人職員として架空の自治体"みつば区"の区役所保健福祉課に配属されます。ちなみに、ルーシーに"(略)"とついているのはそこまでが本名ではなく、本名が恐ろしく長くて作中でも全部出てこなかったため、ルーシー以降は略されてるんですね。ルーシー(略)は、そんな奇天烈な名前を受理した役所が憎く、探し出して文句をいうために公務員となったという事情があります。そんなルーシーを口説くチャラ男の長谷部、おとなしいが実は非常に毒舌な三好と、そんな三人の教育係になった可哀想な先輩社員「一宮大志」、オフではコスプレイヤーな臨時職員「千早恵」、そしてそんな彼らをまとめ上げる謎の課長は、うさぎのぬいぐるみの姿をしているという、個性的な面々のドタバタが描かれた作品です。話数が進むとヘンテコな登場人物が増えて、ワイワイガヤガヤがカオスじみてきます。ただ、登場人物はそれほど多くなく、個人的にはWORKING!!より読みやすく感じました。ワンクールアニメ化もしていて、アニメの方で知っている方も多く、割りと知る人ぞ知る作品だと思います。
サーバント×サービス
レビュー(40)件
完結・全4巻
4.7
週刊少年ジャンプ連載作品。連載時期は2009年から2011年のおよそ2年間で、同時期にはトリコやバクマン、SKET DANCEやめだかボックスなどが連載していました。あくが強く強力な布陣に埋もれてしまったのか、アンケートは振るわなかったようで、最後は打ち切り説のある作品です。ただ、全10巻と一気読みにはちょうどいい長さで、安定して面白く、個人的には普通に良作でした。常伏中学校に、新任の養護教諭・派出須 逸人先生、通称「ハデス先生」が赴任してきます。彼は顔色が白く眉毛がほぼなし、常時白衣姿で、そして顔面の皮膚にひび割れが入った恐ろしい出で立ちをしており、恐怖の保健室は近寄りがたい場所となってしまった。図工の時間に指を切ってしまった明日葉郁は、友人の藤麓介と共に保健室に行くこととなってしまうが、そこでハデス先生が、女生徒の口の中にある奇怪な生き物に何やら対応している場面に遭遇する。その化け物は、人の心の迷いに付け込んで入ってきた『病魔』であり、ハデス先生はその病魔と戦う力を持っていた。基本的に一話完結型で、様々な悩みや心の闇を抱えた人々に取り憑いた病魔がトラブルを起こし、ハデス先生がそれに対処する展開です。また、ストーリー中盤にハデス先生もまた病魔を持っており、病魔と戦うために自分の中の病魔と折り合いをつけていることが判明します。戦うべき敵の力を取り込んで、自分の身体を犠牲にして戦うあたりなど、個人的には地獄先生ぬ~べ~に展開が似ていると感じました。ただ、ぬ~べ~は伝承や実際に噂される妖怪を対象にしているのですが、こちらは現象が相手のような感じで、病魔に取り憑かれ、甘受している人々を説得する展開が多く、よりドラマ性の高い作品に思います。また、中盤からはお色気展開も多くなります。特にあがり症の花巻さんが、水着コンテストでセクシーポーズを取ってしまう回はとても良かった。女性キャラは普通にかわいく、そういう意味でも少年マンガなので、少年たちは期待していいと思います。終盤はテコ入れにあったのか、バトル展開にシフトしていきます。病魔に取り憑かれる=異能の力を手に入れるみたいな異能者バトル展開となり、SICKsという病魔を宿した集団が登場します。ここは賛否あるところと思いますが、個人的には話が分かりづらくて微妙に感じました。ラストはきれいに終わりましたが、メディアミックスもそれほどされていないくて知名度はそれほど高くなく、隠れた名作と思います。
保健室の死神
レビュー(61)件
3.6
他に『円盤皇女ワるきゅーレ』や『神無月の巫女』などを描いた介錯の代表作のひとつ。何度もメディアミックスされ、現在もアニメ主題歌の"KissからはじまるMiracle"は一定年齢代以上のアニオタはマストで歌えるナンバーです。サクラ大戦や花右京メイド隊などと同様、00年代アニメを代表する一作の原作マンガですね。一応、日本の大正中期が舞台です。陰陽師家の少年・神維仲人が、なぞの機械だらけの部屋に迷い込み、そこでスリープ状態にあった鋼鉄天使くるみと偶然キスしてしまう。そのキスによって、仲人はくるみのご主人さま登録され、くるみは起動することになります。少女の見た目をした鋼鉄天使は、オーバーテクノロジーで作られたメイドロイドで、普通の少女と同じように人格があります。くるみ以外にも、鋼鉄天使弐号機サキ、参号機カリンカが登場し、少年陰陽師の主人公が、美少女型鋼鉄天使といちゃいちゃする内容です。いかにも同人受けする設定ですがストーリーは結構ハードです。エンゼルハートを宿した鋼鉄天使は軍事兵器であり、開発者の綾小路鉄男氏は、鋼鉄天使に殺戮をさせることに反対したためにくるみ、サキを隠匿したんですね。序盤は鋼鉄天使を奪うために軍隊が、サキや、独自開発のエンゼルハートを2つ搭載した鋼鉄天使・カリンカをぶつけます。その後、世界の鋼鉄天使がぶつかり合い爆発的な技術革命を狙う"鋼鉄天使計画"の話が登場し、仲人と鋼鉄天使たちは戦いの渦中に飛び込んでゆく展開です。ストーリーはハードですが、美少女タイプの鋼鉄天使が大量に登場する上、装甲が破損しポロリするシーンも多数あり、基本的には明るい内容です。ただ、未来や過去へ飛んだり、未来人や魔属と呼ばれる存在が登場するなど、ストーリーが進むに従って複雑になっていきます。バトルシーンが多く、コマも混雑しているので、結構読むのが大変です。「~ですぅ」みたいなくるみの口癖も今読むとつらいものがあり、当時のファンが回顧で読むにはいいと思います。
鋼鉄天使くるみ
レビュー(3)件
完結・全11巻
超法規的な権限を持つ捜査官「財前丈太郎」が、政界・財界の巨悪を裁くために行動をする社会派マンガ。2006年アニメ化した際に、主人公の決め台詞「Da Bomb!」が、「だっぽん」に聞こえたことなどが、当時、ニコニコ動画を中心に大人気になってました。大手ゼネコンの大鹿建設と政治家の裏取引をリークしようとした大鹿建設の土木課長「望月卓巳」は、指定暴力団・覇王黒龍会によって命を狙われる。そこにニヒルな二枚目の捜査官「財前丈太郎」が現れる。彼は内閣権力犯罪強制取締局に所属する捜査官で、大鹿建設とその裏にいる政治家を取り締まるために望月に協力を申し出る。序盤は大鹿建設社長「鈴木恵一」や、議員「松坂征二郎」を追っていましたが、財政界と黒龍会を牛耳る「今津博堂」にターゲットが移ります。その後も、敵がアメリカ、中国マフィアと移ってゆき、ただでさえ文字数が多いマンガの紙面が文字で埋め尽くされてゆきます。絵も劇画調で話も難しく、テンポも早いので、読了にはかなり骨がいります。絵柄が濃く、アクションシーンも豊富です。日本の政治経済やヤクザなど、警察ではどうにもできない悪の権力者たちにメスを入れる勧善懲悪ストーリーで、好きな方は好きかと思います。実際の政治家に似たキャラクターを登場させてしまう危ないところなども、一定の思想を持つ諸氏には突き刺さるだろうなと思いました。ただ、風呂敷はどんどん広がって、個人的には後半読むのが結構辛かったというのが正直なところでした。作品自体も風呂敷を畳みきれず、ある程度片付いたところで、最後は"第一部完"となりました。好き嫌いが分かれる作品ですが、ハマる方はハマると思います。
内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎
既刊17巻
4.0
朱雀高校2年B組の山田竜は学年一の不良で、皆、彼を恐れ避けています。だが、ある日、学年でトップ成績の優等生「白石 うらら」と、ひょんなことから一緒に階段を転げ落ち、目覚めたとき二人の身体が入れ替わっていることに気づきます。『おれがあいつであいつがおれで』なお約束展開から元に戻るため、早速同じように二人で階段を転げ落ちますが身体は元に戻らない。仕方ないとひょんな事で手に入れた女体を堪能しようとか、そういうゲスな考えは起こさず、普通に参ってしまった山田くんですが、そんな山田くんに白石は、「最初に転げ落ちたときに口と口が触れた」ことを言及します。入れ替わりの原因はこれで、山田くんと白石さんが口づけをした時、心が入れ替わってしまうということがわかります。また、彼女、白石さんを始め、この学園には特殊な能力を持つ7人の魔女が存在することが判明する、というストーリーです。以降、魔女の能力を使ったトラブルや、昔から実は魔女と関わり続けていた生徒会の存在、そして、魔女の能力の活用ができる"山田くん"というジョーカー的存在などが絡み合うドラマが展開されます。魔女たちは皆個性的で、サブキャラクタも含めて美少女が多く、作品の設定上キスシーンが多数あります。ただ、前述の通り山田くんは、モテモテなくせにおいしいポジションを活用できないへにゃぽこ野郎なので、エロ展開はほぼないです。キス止まりでそこからの進展はなく、キスも事務的なので、キスである必要があるのかという気になってきます。とはいえ、あれだけ多種多様な女子と接吻に成功するとか、一度もそんなチャンス無かったという諸氏も多い中でファンタジー濃いめなところを感じました。今どきの女子高生ってそんな簡単にキスさせてくれるものなのだろうか、と間に受けるとポリスメンに連れて行かれるので注意が必要ですね。設定はアレですが、テンポよく読みやすいです。ただし、能力モノのお約束というべきか、後半は能力の内容が難解になっていきます。最初の"7人の魔女"までは名作と言えますが、その後も魔女設定の生徒が増え、魔女能力のコピーや切り取り、記憶操作の影響を受けないなど特殊な存在が現れ始めます。タイムリープや過去に起きた出来事の解決に奔走する場面が挟まり、最終的に収拾はついたのですが、未解決の伏線もあったように思います。途中から話を追うのが難しくなっていったのも残念に思いました。ただ、最初の7人の魔女まではとても良かった。アニメ化してますが、そこまででもう一度2クールでアニメ化して欲しいですね。
山田くんと7人の魔女
レビュー(237)件
完結・全28巻
4.1
女の子よりも男の子たちとスポーツをして遊ぶのが大好きな女子小学生「倉橋瑞希」。そんな彼女の机の引き出しから、突如、色黒でマッシヴな外人「レイモンド」が現れ、英語で怒鳴り散らかす。突然現れた外人が現れ下が立つ(understand)などと言い出し危険を感じた瑞希は、母と共に引き出しを縛り粗大ゴミ置き場に机ごと廃棄する。そんなこんなで、未来から来た海兵隊型ロボット・レイモンドと、瑞希のドタバタの日常を綴ったコメディ漫画。レイモンドは、将来、歴史的に重要な人物の母となる瑞希を護衛するために未来から来たという設定です。元ネタとなっているのはもちろん、あの有名な青いタヌキ型ロボットなのですが、原型はほぼ無いです。強いて言えば、未来のひみつ道具が登場します。瑞希の股間の"四次元ファスナー"や、"タイムマシン"、"ピストル"などが登場し、銃刀法違反で逮捕されたりしますが、ひみつ道具に頼ったストーリーではないです。毒の強い女子小学生と、ダメなでかい外人が暴れまわる内容です。掲載誌が異なりますが、連載時期がラブやんと被っていて、ノリや絵柄がラブやんに非常に似ています。本作はメガネの女子小学生が主人公に据えられていますが、BPOにケンカを売った感じのロリ・オタ・プーなきっつい隣人は登場しません。どちらかというと友人の男子小学生の性の目覚めをねっとり描写しているので、それはそれでな諸氏にはおすすめです。相変わらずな田丸浩史の危険な限界ギリギリアウトな下ネタギャグが展開されるため、(田丸浩史作品は全般的にそうですが)女性にはおすすめできない一作ですね。全3巻で完結していて読みやすく、長さもちょうどいい感じです。ラブやん読んでハマった方はこちらも読んで間違いはないかと思います。
レイモンド
レビュー(1)件
既刊3巻
『レイモンド』、『ラブやん』などを描いた田丸浩史のエッセイ漫画。アラサーの田丸浩史が、マイフレンドのおっさんたちとエンジョイするという地獄のような内容です。引きこもりが基本の漫画家の毎日にドラマチックな何かが起きるわけでもなく、ただ飲んだり、たまに散歩したりしたりする日々が描かれます。田丸浩史も、デフォルメされてたり美少女化されているとかではなく、リアルな下っ腹が出た、毛の生えたおっさんです。そして登場するキャラクターもおっさん、扉絵くらいはさすがにメガネっ娘が描かれてますが、基本はおっさんがわちゃわちゃするだけの一冊となってます。例えば、ある日のヒロシは河原で4人で身体を焼くことにします。河原で集うワイルド集団に通りかかる人は皆びしょ濡れだったに違いないそうなのですが、それはそれとして河原のゴミ箱で集団はエロ本を発見します。そのエロ本のアップで見えていたおっぱいに、集団はそのおっぱいがキダアヤミだとかサエジマナオだとか、おっぱいソムリエ選手権始めるとか、そんな365日が綴られます。作中常時こんな感じで、帯のあおりの言葉を借りると"何時もウェットかつワイルド"、そう、ヤツラはウェットかつワイルドです。何が起きているというわけでもなく、ダメな大人たちによるダメな毎日が描かれるのですが、テンポは良く普通におもしろいです。20年以上前の作品のため、今となっては古い話題も登場しますが、今読んでも十分楽しめると思います。ダメな大人には違いないですが、それでも、こんな年齢までワイワイ騒げる相手がたくさんいるっていいなとふと思ったり思わなかったり。ちなみに、問題発言や問題行動は多いですが、今だと時世的にNGとか、今だと炎上案件となる行動はないと思います。線引が険しくなり、尖った行動がしづらくなった昨今で、彼らの行動はある意味すっきりするというか、勇気が与えられるような側面もあったりなかったりでした。
最近のヒロシ。
既刊1巻
4.5
電車にはねられたはずの高校生が、気づけば黒い大きな玉のおいてある部屋に導かれ、その玉・GANTZに言われるまま"星人"と戦うことになるというSFアクション漫画。その部屋には、直前に死んだはずの人々が集められていて、黒いバトルスーツと光線銃を持って戦いの場に転送されます。転送先は基本的に関東圏内で、時には幕張の博物館や池袋など、見知った場所が登場します。そこで、基本的に一般人には見えない形で、GANTZメンバーと星人が死闘を繰り広げる展開です。中盤までは星人との戦いが繰り返され、星人たちにはボスがいてそれぞれに点数が設定されています。点数が百点になると蘇ることができるなどの特典があるという、ゲームのような設定となっています。星人も特徴的で、仁王像のような見た目をしたものや恐竜のような姿をしているものがおり、絶望的に強い星人たちをスーツだけ渡された一般人が、殺されながら戦うというストーリーです。なんとか数体倒したとしても回によっては強力な星人たちが集団で現れ、無惨に殺されていきます。星人が倒されたシーンもですが、臓物撒き散らしながら人体が切断されたり、なんの前触れもなく現れた化物に大勢の人々が殺戮されるなど、結構グロいシーンがあります。ただ、グロさを売りにした作品ではなく、そんな残酷無比な侵略者に普通の高校生「玄野計」が立ち向かっていく、普通の高校生がヒーローになる姿を描いた作品だと思います。中盤までは星人との戦いですが、途中から謎の吸血鬼が現れ状況を引っ掻き回します。また、玄野計の弟・アキラが吸血鬼になった描写があるのですが、よくわからないうちに「カタストロフィ」が始まり、活かしきれなかった感じがありました。ただ、全体的にテンポがよく、中だるみなく、巻数も長いですが一気に読めます。ラストはネット上では賛否ありますが、個人的には感涙ものでした。絵もきれいで、話作りも設定も非常に良く、エンタメ性のある傑作です。アニメ化、ゲーム化、映画化などのメディアミックスもしていますが、原作のマンガが一番おもしろいと思います。各戦い毎に語れる部分があり、是非読んでほしい名作です。
GANTZ
レビュー(1206)件
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