ジャンルガバガバ、重複あり。
灯がともる。涙があふれる。『世にも奇妙な物語』にてドラマ化された一編を含む、名手の傑作ヒューマンSFシリーズ!街がある。その街には、「スキエンティア(科学の女神)」と呼ばれる像が掲げられた超高層タワーが立っている。ひときわ高く、あたかも人々の営みを見つめるように。主人公はその街に生きる彷徨える者たち。彼らは今日も、己の人生を一変させたいと願い、「禁断の科学」にすがる…自殺願望のある女が、車椅子の老婆に身体をレンタルする『ボディレンタル』飲ませた相手に必ず惚れられるクスリ『媚薬』母親が死んだ娘のクローンを育てる『クローン』愛が見えると噂のドラッグを女子高生が求める『ドラッグ』それを使うと誰もが「天才」になれる『覚醒機』ほか、全7編を収録。戸田誠二プロフィール1969年静岡県生まれ。自身のHP「COMPLEXPOOL」にてオリジナル短編漫画の無料公開を開始、「インディーズコミック」の地平を拓く。それらの作品を集めた『生きるススメ』で単行本デビュー。代表作『しあわせ』『ストーリー』『説得ゲーム』『唄う骨』『化けの皮』『美咲ヶ丘ite』
プリンターから生まれた新種の生物と同居はじめました。いつかどこかの未来で、生体プリンターから出力されたすこしふしぎ(SF)な生物と暮らすショートコミック。【目次】第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話第12話第13話第14話第15話第16話おまけ1おまけ2電子限定特典
2巻既読。 ユルい日常の外側に見え隠れするハードな世界観。 おまけが本編(?) 近未来の日本、柴犬を作るつもりがなぜかモチモチの謎の生き物を生み出してしまった主人公の佐藤。 モチモチの謎の生き物は生物的に「プリンタニア・ニッポン」と名付けられ、佐藤は「すあま」と命名しペットとして飼い始めます。 いきなり日本の近未来っぽい世界が提示され、その背景の説明はひとつもないので、世界設定は佐藤の暮らしぶりや置かれている状況から推測するしかありません。 察するに暮らしのほとんどをコンピュータに管理された閉鎖世界、ディストピアでしょうか。 そんな作品にありがちなダークな描写は一切なく、ただひたすら佐藤とすあまのほのぼのした暮らしが描かれます。 『ゆけ すあま』は可愛くて和みました。うちにもプリンタニア・ニッポンほしいです。
by せーふぁ (1046)人の心が分らないクズ青年と人の心を知りたいアンドロイドが人を識る物語。 他人に合わせることができず 誰とも関わらず一人の生活を送っていた 上小杉惣介。 そんな彼の下に アンドロイドの少女が届けられる。 「私は人とは何かを知りたいのです」 「そんなもの俺にわかるわけがない」 突然始まる同居生活! 果たして上小杉に平穏は訪れるのか!
人間×アンドロイドの次第に心をかわしていくありがちなSFヒューマンドラマ。 ではあるんですが、主人公の人間側に「他人の感情を汲み取る」一般的な能力に欠陥がある点に特徴があります。 主人公は過去その感覚の欠如により家族を壊した経験があり、人間対アンドロイドの問題だけに終始しているわけではない点も本作の特徴です。 アンドロイドのロボ子が「人間らしさ」を学習するためにチャレンジしていく姿勢、そしてその対比として自己嫌悪に陥る主人公の描写。また主人公の妹との確執のエピソードなど、読み応えがありました。全3巻ですが、もっと読みたいくらいでした。 なにより、伊咲ウタ先生の繊細なイラストが美しいです!『現代魔女図鑑』で惚れ込んだ絵柄です。 横顔の美しさ、まつ毛の綺麗さ、男女ともに髪の風に吹かれた時の散り具合などなど本当に美しいです。 また各話のタイトルがユニークだったり、某死のノートや「勘のいいガキは…」のパロディなど小ネタもあり笑える部分もありました。 おすすめです。
by せーふぁ (1046)ヒトの形をした動物に関する歴史の話。水たまりの中の自分と顔を交換した人の話。ゴミ川の中のフラスコの中の人魚の話。現代の路上にいる神の話。ウェブで話題のSF作品群に描き下ろしを加え、待望の単行本化。●収録作品『偽史山人伝』『日曜は水の町に』『人魚川の点景』『人間のように立つ』『姉の顔の猫』『現代路上神話』『存在集』(描き下ろし)●詩野うら作品既刊『有害無罪玩具』(好評発売中)
『有害無罪玩具』に続く、詩野うら2作目の読切集。 表題作「偽史山人伝」ほか6作、うち描き下ろし1作。 奇妙奇天烈で心がザワつくような作風は前作通り。 前作よりも"全ページ全行に挿絵が入った奇想小説"感(伝われ)が強くて、やはり腰を据えてじっくり読むことをおすすめ。 『有害無罪玩具』よりもフォークロアチックなSFで、表題作「偽史山人伝」からそれに続く「あとがき」、さらに書き下ろし「存在集」と後半が凄かった。 前半は前半で「人間のように立つ」のちょっとウェットな雰囲気や「現代路上神話」の頭がおかしくなってきそうな(貶してない)ザ・"奇想"感も病みつきになります。 そしてラストの「巻末あとがき」。ここまで見逃さないで読んでください。
by せーふぁ (1046)エイリアンの胚を子宮に組み込み、特有の空間移動能力を駆使し敵国と戦争を続ける"妊婦"たちの超ハードSF戦記。 特殊すぎる世界観と人を選ぶ絵柄、全5巻のうち1・2巻はそれに慣れるのに費やすかもしれません。 "妊婦兵士"たちが戦うSFもの、これこそ女性作家だからこそ描けた物語でしょう。男では絶対絶対こんな世界構築できない。 子宮に得体の知れない生き物の赤子を組み込み"妊娠"させられ、強制的に戦場へ駆り出される。 現実世界でも座標空間世界でも戦い続けるWOMBS(妊婦兵士・転送兵)たちの肉体的精神的負荷はいかほどか。 主人公のマナをはじめ、上官軍曹やチームの仲間たちの戦いぶりや苦悩、そしてなにより、本来なら気持ち悪くて拒絶するはずの「エイリアン」に読み手も感情が揺さぶられます。 読み進めると、人外の生命体なのになぜ気持ち悪くないのか、その言うところがわかると思います。 圧倒的SFでした。
by せーふぁ (1046)この恋、禁断か否か――。双子の兄・桐也は些細なことで妹・真麻とケンカをして、自宅を飛び出してしまう。何気なくマンションの屋上に向かうと、同じく双子である友人・和馬が座っていた。お互いの家事情を語り、うらやましがる2人。『お互いのキョーダイが入れ替わればいいのに』2人の少年は、そんな言葉を夜空に投げかけるのだった。――8年後、相変わらず桐也と和馬の関係は変わっていない。ただ、一点を除いては……。「私、桐也が好き」真麻から絞り出されるその言葉に、桐也は息を呑む――。その想いが、その認識が交錯する、ツインズクロスストーリー、開幕。
今年完結したばかりの"歯"ラブコメ『不完全で不衛生でふしだら』 のすのはら風香先生の新作。 双子の兄妹・兄:桐也 妹:真麻 と、同じく 双子の姉弟・姉:梢 弟:和馬 はマンションのお隣さんどうし。 幼い頃から家族ぐるみで交流がありました。 8歳のある日、桐也と和馬は互いの姉と妹が入れ替わったらいいのに…と愚痴っていた所、なんと2人は本当に入れ替わってしまいました。 兄妹 兄:桐也 妹 :梢 姉弟 姉:真麻 弟:和馬 と言った感じです。 しかし、入れ替わる前の記憶があるのはなぜか桐也と和馬だけ。 真麻と梢は、「入れ替わる前の血縁関係」を知らないのです。 さて、そこで問題勃発。 主人公の桐也は、実の双子の妹である真麻に告白されてしまいました。 さらに、1巻最終話では桐也と和馬以外に入れ替わる前の血縁関係を知る人物も現れて…。 いやー、面白いです!!! 謎の入れ替わりのSF要素に加え、禁断の恋愛要素、更には入れ替わりの核心に迫るサスペンス的要素まで。 1巻では撒けるものはかなり撒いたという印象。 すっかり惹き込まれました! 作画はスッキリしていて綺麗ですし、テンポも良い! 次巻も楽しみです!!
by せーふぁ (1046)