不死で不滅な「金魚の人魚」が巡る、時空間の景色。自分だけが「時が停止した真夜中」に行われる遊び。亡くなった「あの人」と約束した、千年ぶりの再会。ウェブで話題の作品群に描き下ろしを加え、待望の単行本化。●収録作品『有害無罪玩具』『虚数時間の遊び』『金魚の人魚は人魚の金魚』『盆に復水 盆に帰らず』
ヒトの形をした動物に関する歴史の話。水たまりの中の自分と顔を交換した人の話。ゴミ川の中のフラスコの中の人魚の話。現代の路上にいる神の話。ウェブで話題のSF作品群に描き下ろしを加え、待望の単行本化。●収録作品『偽史山人伝』『日曜は水の町に』『人魚川の点景』『人間のように立つ』『姉の顔の猫』『現代路上神話』『存在集』(描き下ろし)●詩野うら作品既刊『有害無罪玩具』(好評発売中)
『有害無罪玩具』に続く、詩野うら2作目の読切集。 表題作「偽史山人伝」ほか6作、うち描き下ろし1作。 奇妙奇天烈で心がザワつくような作風は前作通り。 前作よりも"全ページ全行に挿絵が入った奇想小説"感(伝われ)が強くて、やはり腰を据えてじっくり読むことをおすすめ。 『有害無罪玩具』よりもフォークロアチックなSFで、表題作「偽史山人伝」からそれに続く「あとがき」、さらに書き下ろし「存在集」と後半が凄かった。 前半は前半で「人間のように立つ」のちょっとウェットな雰囲気や「現代路上神話」の頭がおかしくなってきそうな(貶してない)ザ・"奇想"感も病みつきになります。 そしてラストの「巻末あとがき」。ここまで見逃さないで読んでください。
by せふぁ (1096)せふぁ
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