福本伸行さんの作品の書影

福本伸行

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作品数:56

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4,029

4.4

10巻まで読みました

カイジシリーズの4作目。
前作『賭博堕天録カイジ』の続編ですが、章としては分かれておらず、引き続き第4章「渇望の血」となります。
タイトルも変わっておらず、『賭博堕天録カイジ』の"和也編"となります。

前作ラストでカイジは、変速麻雀「17歩」で村岡を破り、4億8千万の大金を得ました。
その勝負の際に立会人となった兵藤会長の息子「和也」との勝負に挑むその続きです。
ただ、カイジと和也の勝負は本作の次回作"ワン・ポーカー編"で描かれ、本作は勝負の直前までとなります。

内容は、ゲーム前の腹ごしらえとして連れてこられたレストランで、親の力を借りず実力で勝負したいがため、匿名で小説を書いているという和也の書いた小説についてと、そのレストランで行われるゲームについてです。
本作ではカイジは勝負をしません。
和也編と銘打っていますが、"和也"が主人公として活躍するような内容でもなく、目の前で行われるゲームをカイジと和也は、基本的には観覧するポジションとなります。
ただ、小説の内容は"人の本質は悪"という考えが前提となっており、ゲームも、固い友情で結ばれているはずの3人の友情を試すような、人間の本質を露呈させることを楽しみとしたものとなっており、"和也"という男の人間性を紹介したような一作でした。

ゲームはシンプルで、その後の展開も複雑だったり、理解が難しいような展開ではないです。
麻雀やBJなど、前提として知っている必要があるルールも無く、わかりやすくて読みやすいです。
また、例えば友人同士で簡単に実施するとなんの盛り上がりもなくクリアできそうなゲームなのですが、それに大金や人命、そして和也の、巧みな誘導により疑心暗鬼の種が生じて、崩壊に至ろうとする様が描かれています。
流れは自然で、最後まで気の抜けない展開となっており、最初から最後まで楽しめる良作でした。

ラストは次回"ワン・ポーカー編"に続く終わり方なのですが、ワン・ポーカーのルール説明までとなっていて、区切りはあまり良くない感じでした。
タイトルだけ変わって"ワン・ポーカー編"に続く形になるので、続きも継続して読むことを前提で読む必要があると思います。

賭博堕天録カイジ 和也編

レビュー(205)件

既刊10巻

3.2

天才

1日外出録 ハンチョウ

レビュー(409)件

既刊20巻

3.8

5巻まで読みました

カイジシリーズで有名な福本伸行が週刊少年マガジンで連載していた作品。
福本作品ですが、テーマはギャンブルではなく、主人公は中学生くらいの年齢の少年です。

人は他人に庇護されるべきではなく、孤立すべきであるという独自の哲学を持った少年「工藤涯」が主人公。
殺人の罪で追われている涯は、無実を訴えるが警察に追い詰められ、人間学園という更生施設に送り込まれます。
人間学園からの脱出と冤罪を晴らし無実を証明することを目的に、人間学園で逆転のチャンスを伺うストーリーとなります。

いつもの福本作品らしく、テンポは遅いが読みやすくて面白いのですが、少年誌のターゲット層にあったテーマでなかったためか、人気が出ず、1年以内で打ち切りになりました。
そのため、全5巻と非常に短く、内容は人間学園でのストーリーがほぼ全てです。
ラストは、話に収拾はついているのですが、大立ち回りの結果としてはインパクトが弱く、打ち切りの印象があります。

ただ、個人的には、なぜ打ち切られたのかわからないくらい面白い作品だと思いました。
序盤、大勢の警官に追い詰められた状態で、起死回生の脱出を図るシーンも印象に強いですし、人間学園での「悪魂退散!悪魂退散!」、「素直になぁれっ…!」と言いながら電撃を食らわせるシーンは、現在も語られる名シーンです。
なんだかんだで、巨悪に鉄槌を下すことにも成功していて、少なくとも人間学園部分はキレイに終わっているので、今読んでも楽しめる作品だと思います。
知る人ぞ知る、マイナーな名作です。

無頼伝 涯 GAI

レビュー(76)件

完結・全5巻

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