あなたの心を映すお酒を召し上がれ。その店は住宅街の中にあった。・・・いや、オフィス街の狭間だったのかもしれない。店の中には美しいバーテンダーがひとり、“あなたのための”一杯を作ってくれる。その一杯はあなたにとってあまいものかにがいものかそれは、あなたにしかわからない-----真っ黒な失恋、人生の岐路、懐かしい恋、過去の男、未来への決断・・・。さまざまな想いを抱えた人間が開けたのは、とあるバーの扉。美しいバーテンダーが作る一杯のお酒は誰かと誰かの人生を変えていく。この本があなたにとって「大切な一杯」になりますように・・・
一般庶民の娘・佐都は恋人の健太からプロポーズされる。健太は芦屋家の富豪・深山家の次男なのだが、佐都は庶民的な健太に親近感を持っていた。しかし健太に連れられていった深山家は佐都の想像を絶する大邸宅だった。厳格な父・圭一により佐都は門前払いにあう。二人は駆け落ち同然で入籍するが…。