3.43
5
発刊: ~
既刊2巻
新刊通知
a1993年にモーニング誌で連載され、カルト的な人気を博したものの絶版になっていた長編作品の復刻版。杉元伶一の原作による物語は、議会制民主主義体制崩壊後、クイズに勝てば願いがかなう「国民クイズ体制」に移行した日本を舞台に展開する。 <p> 国権の最高機関「国民クイズ」の番組に出演し、勝ち残れば殺人でもエッフェル塔の私物化でも合法化される、「あなたのための全体主義」の世界。ほとんど荒唐無稽とすらいえる設定だが、その設定を大前提に構築された世界の中で複雑にうごめく人々を徹底的に描写することで、中途半端なリアリズムを超越した濃密な勢いが生み出されている。表情豊かでポップな加藤伸吉の独特な描線も、いい意味で漫画っぽいこの物語の奇想天外な魅力を増幅させることに貢献している。 <p> 「国民クイズ」および同番組放映中に差し込まれるCMの描写の過剰なばかばかしさは、風刺のための風刺ではなく、あくまでエンターテイメントのための毒づき。状況設定や世界観の説明を兼ねる見事なオープニングから、怒涛のようにクライマックスに向けて転がっていく物語とその描き方が巧みだからこそ、さまざまな問題提起も嫌みなく興奮と同時に伝わってくる。これぞ良質な問題作。打ち切り気味のやや唐突な終わり方には賛否両論あるだろうが、とにもかくにもこの圧倒的な熱量はすごい。はてしない欲望の果てにあるものは、はたして何か?(横山雅啓)
3.23
5
発刊: 2002.03.01 ~
既刊1巻
新刊通知
a二人で『世界フシギ発見』を見ているうちにまた興奮してきてソファの上でもう一回勉強が残っているので自転車で帰宅パンツ脱いだまんまだったのでサドルがヌルヌルになってすごく気持ちよかったこんなグチャグチャなスカートの中を誰かに見てもらいたいってふっと思った私はヘンタイだろうか?鮮烈の最新・エロティック短編集巨匠・山本直樹が贈る12編の媚薬。収録作品は「コールド」「ソ市滞在」「イマジナリ」「現像」「自転車」「ボイド」「ひどいやつらは皆殺し2001」「お家につくまでが遠足です」「アイスクリーム」「奥様は18歳」「不行的人」「呼ぶ声」。
「このおもしろさが判る奴は本物だ」。かの宮崎駿監督は黒田硫黄作品をこう評したが、その魅力が凝縮された12タイトルの中短編を収録した本書を一読すれば、誰しもその評価に納得するに違いない。 <p> 18世紀を舞台とした海洋冒険譚である中編「鋼鉄クラーケン」や、江戸時代にベトナムから日本にやってきた象とその飼い主の物語である「象の股旅」は、紆余曲折のドラマがはるかなロマンを感じさせる。一転して、現代の平凡な女学生の日常風景「年の離れた男」や料理マンガ「肉じゃがやめろ!」では、ひょうひょうとしたユーモラスな展開を見せつつ生活感も感じさせる。内容は非常にバラエティーに富んでいるが、そのどれもが厚みのあるおもしろさを発揮している。 <p> 独特の筆絵調のタッチはとても絵画的である。少なくとも写実的ではない。しかし、黒田硫黄作品の登場人物には、まるですぐそこに存在しているかのごとき躍動感がある。それを生みだしているのが、登場人物の表情の豊かさだ。気をつけてみると、1カットたりとも同じ表情をしていることがないのには驚かされる。構図取りの見事さも特筆モノだ。1コマ1コマがまるでカメラマンの作品のようで、一瞬の風景をとても印象的にとらえている。本書収録の「わたしのせんせい」は、主人公の少女が自転車で走っていくシーンで終わる。ここではたった2ページの間で前後左右、上下、アップ、俯瞰の構図を巧みに使い分けており、気持ちの良い余韻を演出している。 <p> 本書収録作品は1話2ページの短編から90ページ超の中編までがそろっている。じっくり読みたい人も軽く試してみたい人も、これ1冊で黒田硫黄の魅力を存分に味わえるはずだ。(芝田隆広)
3.34
5
発刊: ~
既刊1巻
新刊通知
a3.20
5
発刊: ~
既刊5巻
新刊通知
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