『カラオケバカ一代』とはいうものの、カラオケうんぬんを抜きにしてもこれは立派な「バカ」であろう。しかも天才的なバカさ加減だ。 <p> 表題作の「カラオケバカ一代」は、容姿端麗スポーツ万能でモテモテだが、実は破壊的にオンチであるという欠点をひた隠しにしていた主人公の桜宮達也、通称タッちんが、ライバル的存在である鈴木にカラオケで勝負を挑まれて窮地に陥るところから始まる。その後特訓をするべく1人でカラオケボックスにこもっていたタッちんは、なぜか馬に乗って乱入してきた女性に思わず弟子入りしてしまう。馬に乗っている時点で相当怪しいのだが、特訓シーンはさらにメチャメチャ。海に潜ってアワビをとらされたり野球の球拾いをしたり、カラオケとはまったく関係ないことのオンパレード。そんなバカバカしいシーンを絶妙なテンポと強烈なテンションの高さで、ひたすらおもしろおかしく読ませてしまう。 <p> さらにこの本で驚かされるのが、そんなバカなことをやっていながら、いけしゃあしゃあとオトメチックな恋愛モノの短編「猫日和」「星の名前」を併録していることだ。しかもこれが読んでみると、実にまっとうに少女マンガとしてのおもしろさを発揮しているのだから恐れ入る。 <p> ジョージ朝倉の作風は振れ幅が大きい。それが恋愛方向に振れるにしろギャグ方向に振れるにしろ、共通しているのは非常にエネルギッシュであるということだ。この単行本は作者の初作品集の復刻版であるが、それだけにまだその才能が荒削りなものであったころの、生のエネルギーが暑苦しいくらいに満ちあふれている。(芝田隆広)
フェローズ連載中の読切連作『野ばら』、ついに単行本化! 本誌発表後すぐに続編の制作が決まった人気キャラクター“しょむたん”シリーズをはじめ、彩り豊かな8本の物語を一挙収録! 読者を震え上がらせた恐怖譚「こっちを見てる」、エロティックな刑事ドラマ「秘密のジュンジュン」、おバカショートコメディ「男やもめ・チャイナパンツ」、「渋谷でタンキニ」、胸をしめつける初恋物語「くるくるとGPS」――新鋭・高田築が描く魅力いっぱいの物語群を、きっとあな
日本のどこに位置しているのか不明な「ぷりぷり県」。そこから上京して来た“つとむ”。窓から東京タワーが見える五郎商事に入社した彼を待っていたのは、他都道府県出身者たちとの熾烈な郷土自慢合戦だった…!! 吉田戦車の代表作『伝染るんです。』終了後に『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載が開始された伝説の都道府県民ギャグ漫画! 読めばアナタも、ぷりぷり県に移住したくなること間違いなし…!? 唯一無二の設定が炸裂する、第1巻!