島からの脱出を試みる浪人者。しかし海には人食い鮫が、そして島の中には腐敗した死体が山となっていた。その島・獄門島は、清長の趣向で重罪人ばかりが送り込まれ、その罪人同士が殺し合いをし、最後に生き残った七人だけが助かるという、囚人の闘技場だったのだ。浪人者は、傷を負った男に出会う。その男はすぐに息絶えるが、死ぬ間際、浪人者に清長への書状を託した。しかしその書状は、殺されそうになったところを救ってやった“ガキ”に盗まれてしまう。さらに、罪人集団の頭である大猿(ましら)、笛を吹く謎の剣士・狐火といった男たちも現れ、島での熾烈なサバイバルが始まる…。
「狐の離宮」“楽に暮らしたいなら一緒においで”パリの貧民街で弟を馬車にひかれた貧しい娘・シュジーは、馬車から現れた貴婦人に見初められ、国王専用の娼館で娼婦として働かないかと誘われる。経験豊富な女たちの中、素人女のシュジーは王に気に入られるが!? 「狭霧立つ」時は江戸。大商家の息子との縁談が決まっていた大店のお嬢様・ちやは、好色ゆえに若い美男僧に手を出してしまった。ふたりの密通が周囲に漏れ、僧侶は破門となり……!? 「天女の羽衣」フランス随一のワイン工房に新オーナーとしてやってきたのは、気の強い資産家の女・エヴリーヌ。高飛車な彼女に反発する作業員たちは次々と辞めていくが、荒くれ者のローランはなぜか彼女を気に入り!? 「コーティザン」伝説の高級娼婦としてその名を轟かせたヴィルナは、田舎でひっそりと暮らしていた。ある日、彼女に性の手ほどきをしてほしいという少女が現れるが……。 「浦島太郎」“あの女さえいなければ、私が主役(プリマドンナ)よ!”どうしても主役の座を手に入れたいバレリーナのマリナは、主役のシモーヌを船から突き落とす。しかし、自分も一緒に海に落ちてしまい、ある島へ流れ着くのだった。 「魔窟の王」貴族の娘イヴリンと、彼女の義妹キャロルに見合い話が浮上した。イヴリンの相手が冴えない男であるのに対し、キャロルの相手は若い大富豪だった。妾腹の義妹が自分よりもいい条件の夫を得ることが許せない彼女は、キャロルになり代わろうとするが!?