1993年から1999年に発表された11の短編を収録した黒田硫黄の第1短編集。デビュー作「蚊」、カラー作品「西遊記を読む」、漫研時代の作品「熊」「南天」、同タイトルの手塚治虫作品のカバー「メトロポリス」、よしもとよしともと原作による「あさがお」など、初期のさまざまな試みを堪能できる。そのほか描き下ろし作品「まるいもの」、あとがき、雑誌「ユリイカ」に掲載されたエッセイ「西遊記とわたし。」も収録されている。 <p> 印象的なのが、「象」をモチーフにした2作品。ひとつは、同棲相手に家財道具と共に逃げられた少女が隣の部屋に巨大な象がいることを知り、心を寄せてゆく「象夏」。もうひとつは、やはりアパートで象を飼っていた男が、散歩の途中で鯨を飼っているという少女と出会う「象の散歩」。 <p> 象という多大な重量を持った「野生」が都会の日常のなかにあることの違和感と、大きなものに圧倒される心地よい興奮が押し寄せてくる。どちらの作品でも、主人公たちは象を手放さねばならない状況に陥り悩むものの、最終的には「象は象でやってくさ」(「象の散歩」)と拍子抜けするほどにさっぱりと、象に別れを告げる。黒田作品全体に流れる、物事に拘泥せずに手放す潔さ、すがすがしさを強く感じさせる。象の荒々しく、どこかなまめかしくもある姿を最高の構図で表現する画力も見事。筆を多用し、黒々とした線で描く黒田独特の技法も、象という素材とぴたりと合っている。(門倉紫麻)
3.00
614
発刊: 2002.06.28 ~
既刊2巻
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a3.00
614
発刊: 2015.10.27 ~
既刊7巻
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a鷹山誠一原作の『百錬の覇王と聖約の戦乙女』が堂々のコミカライズ化! 突如、剣と力が支配する「ユグドラシル」に来た「周防勇斗」は、現代知識と戦術を武器に異世界の王となる。そして契りを結ぶ戦乙女たちとの冒険が今、始まる!
龍宮王国の王に一族を滅ぼされた少女・オトは、復讐のため王女を殺害しようと宮廷に侵入する。嘘を見抜く力を持つオトが仕留めようとした相手は“王女の替え玉(性別:男)”で……!?
3.24
599
発刊: 2006.11.09 ~
完結・全6巻
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a世が銭まみれの頃、少年“萬田銀次郎”は、建設業を営む父の背中を見て育っていた。しかしある時、巨大商社・アクツ商事の阿久津天勝の卑劣な詐欺行為にはまり百億以上の負債を抱え、自ら命を絶ってしまった。その後、母も自ら命を絶つ。全てを失い自暴自棄になり、酒に溺れた銀次郎に救いの手を差し伸べたのが長老だった。銀次郎に知恵を貸し、最高の頭脳集団『チーム銀次郎』も結成。やがて待ち受ける修羅場に備え、銀次郎は阿久津に対する復讐の鬼へと変貌していくのであった…
発情ワンコは待てができない!~チグハグ✩ラブシック~ (アプレコミックス)
3.00
591
発刊: 2018.10.05 ~
既刊1巻
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a585
発刊: 2009.07.28 ~
既刊1巻
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