蘭学医・手塚良仙(てづか・りょうせん)の息子良庵(りょうあん)と府中藩士の伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)は、美女・おせきを巡り犬猿の仲だった。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立った。万二郎は、江戸を襲った大地震で、民衆を安全な場所へ誘導するという大手柄を立てる。一方、良仙は奥医師たちの激しい妨害の中、娘婿の大槻俊斎(おおつき・しゅんさい)らとともに種痘所の江戸設立に向け頑張っていた。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編時代作品。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT326~327『陽だまりの樹』第1~2巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
映画監督の伊万里大作(いまり・だいさく)は、映画の世界に夢が持てなくなって廃業しようと決める。そんなある日、街角の占い師から古い屋敷を紹介され、そこで、I.L(アイエル)という不思議な美女と出会う。彼女は、愛用の棺のなかに入ると、老若男女どんな人間にも変身することができるのだ。伊万里は、アイエルといっしょに身代わり引き受け業をはじめるのだが……。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『I.L』(手塚治虫漫画全集MT262~263『I.L』第1~2巻収録)/『ステロタイプ』(手塚治虫漫画全集MT263『I.L』第2巻収録) <初出掲載>『I.L』(箱の女 1969年8月10日号 「ビッグコミック」掲載/蛾 1969年9月10日号 「ビッグコミック」掲載/メッセンジャー 1969年9月25日号 「ビッグコミック」掲載/フラレルノ大統領の宝 1969年8月25日号 「ビッグコミック」掲載/ブロッケンの妖怪 1969年10月10日号 「ビッグコミック」掲載/身代金 1969年10月25日号 「ビッグコミック」掲載/フーテン芳子の物語 1969年11月10日号 「ビッグコミック」掲載/マネキン 1969年11月25日号 「ビッグコミック」掲載/栄光の掟 1969年12月10日号 「ビッグコミック」掲載/封蝋 1969年12月25日号 「ビッグコミック」掲載/南から来た男 1970年1月10日号 「ビッグコミック」掲載/ラスプーチン 1970年1月25日号 「ビッグコミック」掲載/眼 1970年2月10日号 「ビッグコミック」掲載/ハイエナたち 1970年2月25日号~3月25日号 「ビッグコミック」連載)/『ステロタイプ』1973年4月3日増刊号 漫画サンデー掲載
3.10
1
発刊: 2011.10.21 ~
完結・全4巻
新刊通知
a台湾、独立・崩壊へのカウントダウン!!かつてないほどの厳しい局面のなかで繰り広げられる、生死を懸けた勇午(ゆうご)の交渉!――田卓林(でん・たくりん)の行方を追う勇午の前に立ちふさがったのは、台湾の歴史を舞台とした男達の様々な思惑。台湾政府当局に拉致され、首の動脈に巻きつく金属の輪を埋められた勇午は一方的に依頼を通告される。しかし身体に遠隔操作で締められる「枷」を宿しながらも勇午は、揺らぐことなく信念を貫いた交渉を開始する!
3.30
1
発刊: 2012.01.23 ~
完結・全1巻
新刊通知
aあの日、神さまに置いてきぼりにされてしまった……。本当の話をしよう。本当の物語を。どんな事件よりも、どんな災害よりも、世界を決定的に終わらせてしまった出来事を。90年代、ぼくらは高校生だった。神さまは、庵野秀明、リチャード・D・ジェームス、そしてYOSHIKI。世界の終わりよりほんのちょっと遅れてきた週末。アイ・ケア・ビコーズ・ユー・ドゥ。
――今日から再び「お兄ちゃん」です。妹がいることは知っていた、実感はなくただ知っていただけ。2年付きあった彼女と別れ、何となく気分が乗らない、そんな日に妹に出会った。彼女と別れたモヤモヤは、妹に見せた失態で、吹き飛んだ。みんなが俺のことを「お兄ちゃん」という……。妹って何だ。吉田基已の傑作ラブストーリー、新装版にて刊行開始!
フラれたばっかの男が、自分もフラれたばっかだという女子高生とたまたま会って話すうち、うっかり涙を見せてしまう。 ただ、その女子高生は実は全然会ったことのない妹だったという話。 脚本家の倉田英之が前にどこかで「『恋風』は家の全ての部屋に一揃いずつ置いてある」みたいなことを言っていた。 私もわりと似たようなところがあり、実家にワンセット、今住んでいる部屋に新装版でワンセット、更に電子版でワンセット所持している。 それほどこの作品が好きだ。 いわゆる「禁断の恋」的な話ではあるのだが、爽やかできらめいている、だから罪深い。 淡い色彩、あるいはセピアを感じさせるような、優しくノスタルジックな普遍。 いい意味で文学的なまといというか、飛躍のない描写の積み重ねでドラマを描き出す手法も作品の純粋さをひきたてる。 登場人物たちの、いい意味で華やかさのない、素朴な顔立ちも好きだ。
by 鈴木 (34)