ピンクの銃を持った、ピンクの髪の謎の小娘バンビが暴れまくる、アメコミ系「バイオレンス・ロード・コミック」。裏社会のボスのもとから「未来を握る少年」を連れ去ったバンビは、依頼主に少年を届けるため、彼女を狙う賞金稼ぎたちと追いつ追われつの旅に出る。額を撃ち抜かれ飛び出す眼球、切断された手首…。その行く手には血の海と化した修羅場が待っていた。 <p> 本作の魅力は何と言ってもバンビの破天荒な超人性、ピカレスクぶりにある。かわいい容姿に反した狙撃能力、手錠を素手で引きちぎる腕力。腹が減れば何のためらいもなくコンビニを襲撃する。店員を脅し、銃で殴りつけながら、にんじんをかじり、プロテインの錠剤を頬張り、エビアンで飲み下す。そしてそんな異常な状況にあっても、大好きな幼児向けTV番組「クマのペーさんショー」に夢中になれるバンビは、筋金入りの幼児性の持ち主なのである。 <p> だがそんな彼女でも「ほんとはこんなことしたくない。バンビ、長生きしたいんだもん」と弱気につぶやく日もある。旅が続くにつれ、見えてくるバンビの過去。クールでドライ、スピーディでダイナミック、そしてほんのちょぴりセンチな暴力漫画の登場だ。(中山来太郎)
3.43
15
発刊: 2001.06.01 ~
通常版・他1作品
新刊通知
a幼い頃に住んでいたアパートの隣の住人が忘れられないユリ。毎日、部屋の鍵をかけずに出かけていくその隣人は自分に解放区を与えてくれたのだ。少女の遠い憧憬を描いた表題作ほか4編を収録。
冬目景作品。 何作か読んでますが、ちゃんと完結まで読んだのは本作だけです。 というのも、氏の作品は不定期連載や掲載誌の変更が多く、次巻が出るペースも遅いためです。 本作も2000年2月に連載開始したのですが、不定期連載を繰り返し、開始から終了まで10年以上の時を経た2011年6月に最終巻が発売されました。 内容的にもスパンを置くとついていくのが難しくなるので、完結後作品を一気読みするには最適と思います。 舞台は大正時代半ば、帝都東京に事務所を構える「松之宮 遥」は優秀な私立探偵で、恩師の紹介から「高苑 真夜」という少女を助手に雇うこととなる。 探偵事務所に舞い込んでくる奇怪な事件を二人が解き明かすものとなっています。 時代考証ができていて、アインシュタインの訪日やウォレン・G・ハーディング大統領の死去、震災で倒壊する前の凌雲閣などがストーリーに絡みます。 また、ミステリーらしく衒学的な部分もあり、興味深く読むことができました。 真夜はワトスン役として必要十分で、作中、歩く広辞苑と比喩されるほどの深い知識を蓄えており、様々な場面でその知識が役立ちます。 ただ世俗には疎く、蝙蝠が縁起の良い動物であるということは知っているのに、皆が当然知っているような流行り言葉などを知りません。 ラストは、民俗学の研究者より稀人ではないかと言われた彼女の正体にスポットがあたったものとなっていて、切ない終わり方となっています。 私的にはちょっと無理矢理っぽいラストだった気がしました。当初からこのラストはプロットにあったのか。 内容は重いですが、全4巻と冊数は短いです。冬目景の入り口としておすすめ。
by うにたべたい (581)宵闇通りはいつだって暗い。心のさみしい人たちが住んでいるかしら?あたしはブン。宵闇通りのブン……。
3.34
15
発刊: 1995.08.01 ~
通常版・他1作品
新刊通知
a美夏は高1の女の子。登校のためマンションのエレベーターに乗っていると、何やらブツブツ独り言を言う変な男が乗りこんできます。これが、美夏と直人の出会いでした。教室では、クラスメートの習がデートしようとうるさいし、部活に出れば、ソフトボール部監督の山桜先生が、美夏の写真で細工したヌード写真を家に持って帰ろうとしています。美夏をめぐる3人の男の恋の戦いが幕をあけそうな気配…
3.36
15
発刊: 1994.11.01 ~
通常版・他2作品
新刊通知
a我々の宇宙と別の宇宙をつなぐ「ワームホール」から出現した未知の惑星。その発見者である大黒博士は、一人娘・麗美奈の名にちなんで「レミナ星」と名付けた。この異次元惑星の発見は絶賛され、麗美奈も芸能界デビューを果たすなど、一躍時の人となる。だが、レミナ星が惑星を次々と消滅させ、地球消滅の危機が伝えられると、群衆の態度は一変し、ついには大黒親子の命が狙われる事態に…。ひきこもりの青年・道夫が遭遇した“集合遺体”事件を描いた作品「億万ぼっち」も同時収録。
▼第1話/司、11歳 ▼第2話/ま!そんなもんだろ ▼第3話/え!なんでそーなる!? ▼第4話/あ!こんなもんかも ▼第5話/18歳の誕生日 ▼第6話/好きだから ▼第7話/早く大人になってね ▼第8話/夏休みの幸先 ▼第9話/紗英ちゃんに会いたい ▼第10話/reーhabilitate ●主な登場人物/飯島司(小学生の頃からの俊足が認められ、陸南大学付属の高校に推薦入学したが、ただいま伸び悩み中)、前田紗英(小学生の時に大阪に転校してしまった司の初恋の少女)、坂上凛(司が中2の頃からお世話になっている美容師)、沢井淳子(司の小学生の頃の同級生。司の幼なじみである「かっちゃん」と付き合っていたが…)、マービン教授(司をスカウトし、陸南大学付属高校に推薦入学させた陸上部顧問) ●あらすじ/小学5年生の司は性に目覚めたばかり。仲間のかっちゃんやタジやんと変態少年隊まで結成する始末。そんな彼には気になっている女の子がいる。同じクラスの前田紗英。彼女は昨年、交通事故に遭ってしまいい、母親を失い、自らも足に障害を負ってしまった(第1話)。 ▼中学3年の司は、かっちゃんから公園に呼び出される。どうやら沢井のことらしい。自分が身を引くから、沢井と付き合ってくれというのだ。勢いで沢井とヤッてしまったとはいえ、紗英のことが忘れられない司は、なんとか断ろうとする(第4話)。 ▼高校3年になった司はインターハイの出場メンバーに入れなかった。短距離走者の道よりも女の方を選んだ司は、凛さんの家にいりびたりになる(第5話)。 ●その他の登場キャラクター/かっちゃん(第1、2、4、8、9話)、タジやん(第1、2、4、9話)