ピアッシングや刺青などの身体改造を題材に、現代の若者の心に潜む不気味な影と深い悲しみを、大胆な筆致で捉えた問題作である。埋め込んだピアスのサイズを大きくしていきながら、徐々に舌を裂いていくスプリットタン、背中一面に施される刺青、SM的なセックスシーン。迫力に満ちた描写の一方で、それを他人ごとのように冷めた視線で眺めている主人公の姿が印象的だ。第130回芥川賞受賞作品。 <p> 顔面にピアスを刺し、龍の刺青を入れたパンク男、アマと知り合った19歳のルイ。アマの二股の舌に興味を抱いたルイは、シバという男の店で、躊躇(ちゅうちょ)なく自分の舌にもピアスを入れる。それを期に、何かに押されるかのように身体改造へとのめり込み、シバとも関係を持つルイ。たが、過去にアマが殴り倒したチンピラの死亡記事を見つけたことで、ルイは言いようのない不安に襲われはじめる。 <p> 本書を読み進めるのは、ある意味、苦痛を伴う行為だ。身体改造という自虐的な行動を通じて、肉体の痛み、ひいては精神の痛みを喚起させる筆力に、読み手は圧倒されるに違いない。自らの血を流すことを忌避し、それゆえに他者の痛みに対する想像力を欠落しつつある現代社会において、本書の果たす文学的役割は、特筆に価するものといえよう。弱冠20歳での芥川賞受賞、若者の過激な生態や風俗といった派手な要素に目を奪われがちではあるが、「未来にも、刺青にも、スプリットタンにも、意味なんてない」と言い切るルイの言葉から垣間見えるのは、真正面から文学と向き合おうとする真摯なまでの著者の姿である。(中島正敏)
3.53
10
発刊: 2006.12.15 ~
既刊1巻
新刊通知
aヤクザとチンピラ、暴力警察が蔓延る街が舞台。 ある日、ネズミというヤクザと、謎の組織が現れて、子供の城というテーマパークを作り始めた。 同時に、街を変えてゆくのに邪魔なものの排除を始めた。 強盗やスリを生業としている孤児のクロとシロもまた蛇に狙われる。 雰囲気漫画だと思います。 絵は汚く、会話は突拍子がない、漫画というより著者が描いた絵の組み合わせという気がします。 つまり、キャラクターの思考がよくわからず、動いているという気がしませんでした。 また、ヤクザやチンピラ、組織、警察が出てくるのですが、各々の団体で活躍するキャラクターは一人か二人となっており、組織の規模が小さく感じました。 普通、街でヤクザに、警察に目をつけられるって、もっと大事だと思うのですが。 各組織についてもっと細かい描写があればよかったのかなと思います。ヤクザにせよ、警察にせよ、街にせよ。 説明を放り出して、作者の書きたい部分だけを切り貼りした結果のようになっています。 シロは街が変化していくことを予見するような能力を持つのですが、テーマパークができることがそれほど大変なことにも思えず、結局、具体的に何がどう問題なのか、さっぱりわかりませんでした。 ※ イオンができて商店街が廃れるとか、大企業の本社ビルが建って町工場が封鎖されるとかならともかく。。 予見できるのであれば、例えば、テーマパークの建設を妨害するようなこともできたのではと思います。 完全に人を選ぶ作品だと思います。 話の細部は気にせず、雰囲気だけで読める人にはおすすめです。
by うにたべたい (581)劣勢だった日露戦争で、日本を絶体絶命の危機から救った、大日本帝国海軍中佐・秋山真之(あきやま・さねゆき)作戦参謀。彼を主人公にした、史実に基づく壮大なストーリー。明治7年、秋。四国・松山に秋山淳五郎真之という6歳の少年がいた。淳五郎をはじめとする侍の子供たちは、武士が職を失ってすぐのこの時期、町人の子供たちにいじめられていた。だが淳五郎はどんな仕打ちを受けても決しても怯まず、仲間を助け、相手に立ち向かっていく…。
日露戦争の名参謀として第一艦隊の旗艦・戦艦三笠に乗艦、ロシアのバルチック艦隊の迎撃作戦を展開し、日露戦争の我が方の勝利に大きく貢献した海軍軍人「秋山真之」を主役に吸えた歴史漫画。 秋山真之が主役というと「坂の上の雲」が想起されますが、本作はそのコミカライズなどではなく別作品です。 ストーリーは、松山城下町で暴れ回る秋山真之(淳五郎)6歳の頃から始まります。 いじめっ子たちを権謀術数で従え、松山一のガキ大将となった淳五郎と、後に「日本騎兵の父」と呼ばれる兄の秋山好古、親友の正岡昇(正岡子規)の幼少期から、二宮忠八、白川義則、南方熊楠などと出会い、大きな世界のうねりに飲まれず突き進んでゆく様が描かれています。 基本的に史実に基づきますが、特に序盤はエンターテイメント性の高い表現がされていて、楽しく学べるものとなっています。 秋山真之だけではなく同時代の歴史上の偉人達にもスポットがあたっていて、一時期秋山真之らを教えていた高橋是清や、正岡子規の学友だった夏目漱石などなどについて逸話や人物像が挿入される作りになっていて、とても楽しめます。 また、清国から独立し近代化を目指していた金玉均らのクーデター、その顛末も脇道に逸れる形で描かれるなど、同時期の世界の動きも描かれています。 作中に描かれる内容は並大抵の取材、知識で得られるものでは無い、大変情報量が多くて為になる内容だと思いました。 私見となりますが、右でも左でもなく、ただ史実をわかりやすく面白く伝えようという感じがしました。 この手の題材は思想が偏向しがちな感じがしますが、マンガ的表現を加えることで一歩下がった見方ができているので、歴史を学ぶために手に取るにもオススメします。 ただ、残念なのは終盤で、タイトルにあるの日露戦争に入る以前の、日清戦争が終戦する前までですっぱりと終わってしまいます。 日清戦争に入ってからは文字の比率が圧倒的に多く、背景は銃声の「パンパン」という文字で埋められています。 内容の濃さは変わらず、日本側の軍人の考え、動きや、軍関係者、特に明治天皇陛下の心中の描写まであり、凄まじい量の努力が裏にあったと感じられ、興味深く読みましたが、大衆向けのエンターテイメントではなく、興味がある人向けの難しい内容になっています。 歴史に興味がある人には凄く夢中になれると思います。 何せ日本だけではなく清国側の軍人達についても描かれていて、字が多いとはいえマンガ形式で読めるのだから、これは他にはない名著と思います。 それ故に途中終了してしまったのが残念。どんどん一般向けでなくなっていったので、仕方ないのかもしれないですが。 作者の江川達也氏は、氏に対する批判の声も多いですが、本作については描ききれていない点については残念と思うものの作品自体は素晴らしいので、多くの人に読んで欲しいと思います。
by うにたべたい (581)父親からの暴力に耐え続けた幼い兄弟、ハルとヨキ。だが、父は入院を境に別人のようになり、今度は借金苦にあえぐ叔父夫婦が鏡島家にやってきて…。平穏を求める少年たちの戦いに“ピリオド”は訪れるのか…!?
3.60
10
発刊: 2000.07.01 ~
通常版・他2作品
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a70年代のマンガ界を代表する作品のひとつである、一郎と幸子の幸薄い同棲生活を描いた表代作「赤色エレジー」をはじめ、シュールな7作品を収録した中・短編集。
3.12
10
発刊: 2002.09.01 ~
通常版・他2作品
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a3.19
10
発刊: 2002.05.01 ~
通常版・他2作品
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a地球によく似た星の江戸と呼ばれる町に暮らす異母兄弟たちに7人目の兄弟が現れた!そんな彼らの助平親父の正体とは…!?