「このおもしろさが判る奴は本物だ」。かの宮崎駿監督は黒田硫黄作品をこう評したが、その魅力が凝縮された12タイトルの中短編を収録した本書を一読すれば、誰しもその評価に納得するに違いない。 <p> 18世紀を舞台とした海洋冒険譚である中編「鋼鉄クラーケン」や、江戸時代にベトナムから日本にやってきた象とその飼い主の物語である「象の股旅」は、紆余曲折のドラマがはるかなロマンを感じさせる。一転して、現代の平凡な女学生の日常風景「年の離れた男」や料理マンガ「肉じゃがやめろ!」では、ひょうひょうとしたユーモラスな展開を見せつつ生活感も感じさせる。内容は非常にバラエティーに富んでいるが、そのどれもが厚みのあるおもしろさを発揮している。 <p> 独特の筆絵調のタッチはとても絵画的である。少なくとも写実的ではない。しかし、黒田硫黄作品の登場人物には、まるですぐそこに存在しているかのごとき躍動感がある。それを生みだしているのが、登場人物の表情の豊かさだ。気をつけてみると、1カットたりとも同じ表情をしていることがないのには驚かされる。構図取りの見事さも特筆モノだ。1コマ1コマがまるでカメラマンの作品のようで、一瞬の風景をとても印象的にとらえている。本書収録の「わたしのせんせい」は、主人公の少女が自転車で走っていくシーンで終わる。ここではたった2ページの間で前後左右、上下、アップ、俯瞰の構図を巧みに使い分けており、気持ちの良い余韻を演出している。 <p> 本書収録作品は1話2ページの短編から90ページ超の中編までがそろっている。じっくり読みたい人も軽く試してみたい人も、これ1冊で黒田硫黄の魅力を存分に味わえるはずだ。(芝田隆広)
3.40
13
発刊: ~
既刊1巻
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aちびまる子ちゃんのさくらももこの作品。 子供の頃は笑いが止まらないくらい面白かったですが、大人になって改めて読むと心打たれるシーンが多いことに気づきました。 舞台はメルヘンの国というその名の通りメルヘンの世界。 その国に住む個性的で独特なキャラクターたちの中でもひときわ謎の存在であるコジコジが主人公で、異彩を放つキャラクターとの日常を描いています。 とはいえストーリーはあってないようなもので、度々コジコジが只者ではないことを匂わすシーンはありますが、基本的にはメルヘンの国を舞台にした一話完結型の日常系マンガとなっています。 ちびまる子ちゃんもシュールでナンセンスなシーンが多いですが、コジコジはそれにもましてシュールです。 さくらももこの脳内のわけのなからない部分をそのまま抜き出したような作品と思います。アニメはタイトルに”さくらももこ劇場”という副題がついていますが、まさにそんな感じ。 キャラクターの造形は単純で、絵もきれいというわけではないのですが、毒っ気のあるキャラクター同士の掛け合いに惹かれます。 前述の通り、話の内容も希薄なのですが、コジコジの妙に哲学的で確信を突いた発言にハッとすることが度々あります。 その最たるものが、勉強をしないコジコジを叱った先生に放った、有名な以下の一言ですね。 「コジコジだよ。コジコジは生まれたときからずーっと、将来もコジコジはコジコジだよ」 ただ、それを真似した半魚鳥の次郎君がお母さんに言われた「ずっと次郎じゃ困る」という発言もまた一つの真理ではないかと思いました。
by うにたべたい (585)至高のヴァンパイア王ローズレッド・ストラウス、女王アーデルハイトの封印をめぐり繰り広げられる血戦…。「スパイラル」の城平京原作コミック第2弾!!
現代の夜の中で密かに続くダムピールとヴァンパイア王との戦闘。かつて彼らは同じ王国の民として永遠の夜に君臨していた。しかし今は封印された「腐食の女王」を巡り対立しているのだった… ファンタジーと見せかけて実は「永遠の夜の国」年代記&壮大なるサスペンス!! どんでん返しに次ぐどんでん返し!次第に明かされる真実、そしてヴァンパイア王の真意とは? これねー作画が酷過ぎました!多分絵描きさんデビュー作だと思います。でも前半我慢して貰えれば、かなり改善されていきます。 「あの時、夜の国で本当は何が起こっていたのか」が明かされ始める→クライマックス→ラストまでの流れは鳥肌立つよ…城平京の作品では一番好き。
by おおがらす (573)3.43
13
発刊: 2001.06.01 ~
通常版・他1作品
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a幼い頃に住んでいたアパートの隣の住人が忘れられないユリ。毎日、部屋の鍵をかけずに出かけていくその隣人は自分に解放区を与えてくれたのだ。少女の遠い憧憬を描いた表題作ほか4編を収録。
鈴鹿家78代目当主の弥生は、強力な霊力を持つ霊術師。鬼族の王になるために弥生の強力な霊力を狙った温羅(うら)は、返り討ちにあって黒猫の姿に!! そして、温羅は弥生とともに戦うことになり…!? 人と妖が織りなす封魔奇譚!
冴木敬大の前世は1900年前のポンペイという都市で生活していた青年。自分の前世を覚えている敬大のまわりは前世でかかわった人たちばかり!! 最愛の妻は男子中学生に、大親友だった男は女友達に…などなど、前世とは違う関係に苦悩する毎日で!?
次期当主シャクヤには婚約者が二人!? さいしょの婚約者ルシンが行方不明となり、代わりにクワンが許婚となるが、ルシンが帰還!! 一年後には、シャクヤの気持ちに呼応して増える刺青の花=婚約の証がより多く咲いた方が婿として迎えられるが??!?